<figure id="attachment_343599" aria-describedby="caption-attachment-343599" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0dbe02e3"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/fc298d48fcde4addf75466a0144ec06a.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-343599" class="wp-caption-text">ムロの魅力が炸裂する『うちの弁護士は手がかかる』。公開制作発表でも、平手（右）は翻弄されっぱなしだった</figcaption></figure>
<p>前クールの『ＶＩＶＡＮＴ』のような超目玉がなく、視聴率も全般的に低調な秋ドラマ。ただ一局、気を吐いているのがフジテレビだ。その″振り切った戦略″が世帯やコア視聴率（13〜49歳男女の視聴率）ではなく、動画配信において数字に表れているのだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「『いちばんすきな花』『うちの弁護士は手がかかる』でワンツー、『ＯＮＥ ＤＡＹ〜聖夜のから騒ぎ〜』『パリピ孔明』が４位、５位と、ＴＶｅｒお気に入り登録者数でのフジの強さが目を引きます」（ドラマウォッチャーの川田美尋氏）</span></p>
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<p>制作会社ディレクターは「今クールのフジのドラマは、見逃し配信の再生回数を増やすことに特化したキャスティングと内容になっている」と指摘する。たとえば『パリピ孔明』は、三国時代の名軍師・諸葛亮孔明が現代の渋谷に転生し、売れない歌手を伸(の)し上げていくという内容もさることながら、「現役アーティストや注目のダンサーなどを起用して、若い世代を意識している」と言うのだ。</p>
<p>『パリピ孔明』にはもうひとつ、若い世代を捕まえるための試みがなされていた。</p>
<p><span class="strongInContent">「劇中で流れる楽曲を音楽配信サービスと連携して配信、Ｓｐｏｔｉｆｙでユーザーがプレイリストを拡散する形で盛り上がりました。テレビ以外のフィールドを上手く活用した成功事例で、他局も意識するのでは」（川田氏）</span></p>
<p>見逃し配信での累計再生回数最多記録を樹立した『ｓｉｌｅｎｔ』の脚本・生方美久＆プロデュース・村瀬健コンビによる『いちばんすきな花』がお気に入り登録者数１位。400万回超えと配信も好調なのは、フジの目論見(もくろみ)通りだろう。多部未華子（34）、松下洸平（36）、今田美桜（26）、神尾楓珠（24）ら美形４人による「クアトロ主演」も話題となった。</p>
<p><span class="strongInContent">「学生時代、クラスで二人組を作るのが難しかった。親の引いたレールに乗せられるのが辛かった――という誰もが持つ心の傷や生きづらさを、４人が抱えてきた問題を通して語り合う。淡々と会話劇で進むので感情移入しやすい。見た目の良さによる悩みなど、これまで触れられていなかったテーマも描かれています」（放送作家・愛田プリン氏）</span></p>
<p>「目下の悩みは超タイトな撮影スケジュール」だと前出のディレクターは言う。</p>
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<div data-friday-nextpage-lead="撮影中に緊急入院！？"></div>
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<p><span class="strongInContent">「ロケから放送まで１週間しかない回もあった。村瀬Ｐはこだわりが強く、『ｓｉｌｅｎｔ』もギリギリで撮っていて、俳優もスタッフもかなり疲弊していた」</span></p>
<p>タイトなスケジュールを上手く利用したのが『うちの弁護士は手がかかる』だ。</p>
<p><span class="strongInContent">「ムロツヨシ（47）が撮影中に腹膜炎で緊急入院してギリギリの日程になっているのですが、第５話の冒頭で『キングオブコント』で優勝した『サルゴリラ』のネタを上手くセリフに取り込むなど、撮って出しの状況をプラスに持って行っています」（制作会社幹部）</span></p>
<p>テレビマンを唸らせているのが、ムロの演技だ。民放編成幹部が激賞する。</p>
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<p><span class="strongInContent">「彼が扮する″俳優のマネージャー″がリアルすぎる。俳優と並んで歩く時の距離感やたたずまい、運転中のやり取り……若手マネージャーは勉強したほうがいい（笑）。平手友梨奈（22）との掛け合いも抜群に面白く、つっけんどんな彼女を上手く回して、魅力を引き出している」</span></p>
<p>『ＯＮＥ ＤＡＹ』は３つのストーリーを同時進行させることで、「配信で見返す人を狙った」とキー局プロデューサーは見ているが、月９としては寂しい数字に。</p>
<p><span class="strongInContent">「二宮和也（40）の犯罪ドラマパート、中谷美紀（47）のお仕事ドラマパート、大沢たかお（55）の密室コメディパートの３つのストーリーが並行して進みますが、それぞれがまったく絡み合わず、作り手側が何をしたいのかよくわかりません。″から騒ぎ″で視聴者を引っ張れる時代ではないと理解すべきでしょう」（ライター・大山くまお氏）</span></p>
<p>世帯＆コア視聴率でダブル首位となったのは日曜劇場『下剋上球児』（ＴＢＳ系）。</p>
<p><span class="strongInContent">「よくあるスポーツ根性ものかと思いきや、主人公が罪を犯してバッシングに遭うという展開も新味で、今後の展開から目が離せません。本当に野球ができるキャストを揃えたことで、カット割りでごまかさず、臨場感のある野球シーンが成立しています」（大山氏）</span></p>
<figure id="attachment_343600" aria-describedby="caption-attachment-343600" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d8ed26c0"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/5bd1b1a7e0589bafdfecad1d9cd280c2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-343600" class="wp-caption-text">『ONE DAY』レストラン編の大沢、桜井ユキ（36）たち。江口洋介（55）、佐藤浩市（62）と豪華キャストも魅力</figcaption></figure>
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<div data-friday-nextpage-lead="叩かれた「ステマ疑惑」"></div>
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<h2>叩かれた「ステマ疑惑」</h2>
<p>制作費は、オールスターキャストで海外ロケまで行った前クール『ＶＩＶＡＮＴ』の数分の一。ＴＢＳ内で歓喜の声が上がっているかと思いきや……。</p>
<p><span class="strongInContent">「劇中にたびたびファミリーマートが登場するため、ネットで『ステマでは？』と叩かれているんですよ。原作がそうなっているだけで、ＴＢＳには１円も入っていないのに……。広瀬アリス（28）主演の『マイ・セカンド・アオハル』など『下剋上球児』以外のドラマは低視聴率に沈み、社内の雰囲気も沈んでいます」（キー局プロデューサー）</span></p>
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<p>テレビ朝日が満を持してゴールデンタイムに持ってきた人気シリーズ『家政夫のミタゾノ』は、視聴率でもＴＶｅｒ登録者数でも大健闘している。</p>
<p><span class="strongInContent">「いわゆるジャニーズ性加害問題の影響で、旧ジャニーズタレントが画面に出ると若い人を中心に『テレビ局との馴れ合いでキャスティングされているんでしょ』など、いろんなフィルターを通して見られるようになりました。その逆風の中、松岡昌宏（46）主演の同作が健闘しているのは、彼と作品が素晴らしいことの証左。ただ、エージェント制になっても、旧ジャニーズタレントにはしばらく逆風が吹き続けるでしょう。起用する必然性がないと、営業的に通らないからです」（キー局プロデューサー）</span></p>
<p>女優陣の競演も今期の見どころだ。橋本環奈（24）は『トクメイ！警視庁特別会計係』（フジ系）で、経費削減の特命を受けて派遣された会計係の警官を演じる。</p>
<p><span class="strongInContent">「沢村一樹（56）らと対立しつつ、事件を解決。若い女性におじさんが振り回されるドラマは大好物です。春クールの『王様に捧ぐ薬指』でのキラキラ感のある演技は健在。彼女はコメディドラマにハマる」（ドラマウォッチャー・北川昌弘氏）</span></p>
<p>「橋本環奈を立てすぎていて、お腹いっぱい」（愛田氏）という声もあってか、数字は伸びていないが……。吉岡里帆（30）の『時をかけるな、恋人たち』（フジ系）も、数字はイマイチだが評判はいい。</p>
<p><span class="strongInContent">「藤子・Ｆ・不二雄の名作『Ｔ・Ｐぼん』にオマージュを捧げた作品で″航時法″や″フォゲッター″などの共通語も登場します。一話20分強ですが、説明しすぎず、余韻まで残す脚本はお見事。″時間を隔てた恋″と主人公が抱える″一線が越えられない″のリンクが上手く、相手を忘れてしまわなければいけない切なさも胸に迫ります」（大山氏）</span></p>
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<div data-friday-nextpage-lead="世帯視聴率３位は…"></div>
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<p>菅野美穂（46）主演の『ゆりあ先生の赤い糸』（テレ朝系）は、世帯視聴率３位にランクインしている。</p>
<p><span class="strongInContent">「夫が男の愛人（鈴鹿央士・23）とホテルで一緒にいるときに倒れて意識不明。自宅で介護することになるも、もう一人の愛人でシングルマザー（松岡茉優・28）と夫の隠し子かもしれないその子供、姑と同居することになり……と衝撃の展開の連続で飽きない」（北川氏）</span></p>
<p>木南晴夏（38）は『セクシー田中さん』（日本テレビ系）で、昼は地味なアラフォーＯＬ、夜はベリーダンサーというギャップを、身体を張って演じ切っている。</p>
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<p><span class="strongInContent">「単なる変身ものではなく、男女にまとわりつく旧来の価値観を主人公たちが変えていく様子をじっくり描いているところに好感を持ちました」（大山氏）</span></p>
<p>各局、マネタイズしやすいドラマ枠を増やし、ネットフリックスやＡＢＥＭＡも普及。コンテンツ過多となり、何を観ればいいかわからない若い層の間で「とりあえず推しの作品を観る」という現象が起きているという。キャスティングを軸に配信勝負に出たフジは「勝ち組」となるか、それとも――。</p>
<figure id="attachment_343598" aria-describedby="caption-attachment-343598" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0c65e8b4"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/e94de97df1b4270c79bfd942d37cc1ec.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-343598" class="wp-caption-text">『トクメイ！警視庁特別会計係』は橋本と沢村（左）、徳重聡（45）らクセが強い刑事との掛け合いに注目！</figcaption></figure>
<figure id="attachment_343597" aria-describedby="caption-attachment-343597" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a36aad1c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/8191e268d5ce82492c92f3ccea1e408d.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-343597" class="wp-caption-text">劇団『ヨーロッパ企画』上田誠が脚本を担当した『時をかけるな、恋人たち』。吉岡と永山瑛太（40・左）の振り切った演技は見もの</figcaption></figure>
<figure id="attachment_343601" aria-describedby="caption-attachment-343601" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="82c8ef28"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/e0e9c3083e2bcafe9d5741cc42465562.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-343601" class="wp-caption-text">人気コミックが原作の『ゆりあ先生の赤い糸』は衝撃のホームドラマ。菅野の隣は、夫役の田中哲司（57）</figcaption></figure>
<p><a href="#" data-ident_hash="6d2a989c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/11/256c3324f3f4ee85b66f4b516d1a60ca.jpg" alt=""></a></p>
<figure></figure>
<p>『FRIDAY』2023年12月1日号より</p>
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村田義人

今秋のドラマは、前クールのような超目玉がなく視聴率も全般的に低調気味だ。ただ一局、気を吐いているのがフジテレビだ！テレビ朝日の人気シリーズ『家政夫のミタゾノ』も大健闘！秋ドラマの舞台ウラにせまる！

『いちばん好きな花』『パリピ孔明』…視聴率低迷の秋ドラマ「フジテレビが一人気を吐く」意外な理由

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