「ボヘミアン・ラプソディ」日本発のブームからアカデミー賞4冠
ジャパンプレミア時の本誌単独取材・未公開カットを掲載
「『ボヘミアン・ラプソディ』の日本での興行収入は116億円を超え、これはクイーンの母国イギリスよりも40億円近く多い。アカデミー賞受賞でさらに記録が伸びるでしょう」(映画評論家の立田敦子氏)
2月25日に第91回アカデミー賞の授賞式が行われ、伝説のロックバンド『クイーン』のボーカル、フレディ・マーキュリーの半生を描いた『ボヘミアン・ラプソディ』が最多4部門(主演男優賞、編集賞、音響編集賞、録音賞)を受賞した。この快挙の背景には、日本での社会現象とも言えるブームがある。
「実は、ハリウッドでの公開後の評判はすこぶる悪かったんです。たとえば、クライマックスの『ライヴ・エイド』の前にフレディのエイズが発覚し、メンバーの絆がさらに深まるシーンがある。しかし、実際はライブより後にエイズと診断されていた。こうした”史実”の改竄(かいざん)が批判されていました。しかし、アカデミー賞は興行収入も加味している。日本での記録的なヒットと世界的なブームが、受賞を後押ししました」(前出・立田氏)
クイーンは’75年の日本初公演の成功を機に世界的なバンドへと成長した。そうしたことから、主演のラミ・マレックもフレディ同様、日本が大好き。ラミは昨年11月の本誌単独取材でこう話した。
「撮影期間中はフレディになりきっていたので、彼が愛した日本に来られて本当に嬉しい。今日持ってきたこのコスチュームは、クイーン=女王の代名詞で、フレディの代表的な服の一つ。映画では、こうしたシンボリックな服に負けないように、彼の内面を理解して演技したんだ」
クイーンはミュージックシーンだけでなく、映画界でもレジェンドとなった。





撮影:福岡耕造写真:Shutterstock/アフロ(アカデミー賞)