<h3><span class="strongInContent">円安、ウクライナ情勢…航空券の高止まりが続く</span><span class="strongInContent"> </span></h3>
<p>海外航空券を買う際、「燃油サーチャージ」が気になる人は、特に最近多いのではないだろうか。燃油サーチャージの正式名称は燃油特別付加運賃で、通常もとの運賃とは別に加算される。基準となる原油価格に応じ、その燃油サーチャージの金額は上下する。</p>
<figure id="attachment_346177" aria-describedby="caption-attachment-346177" style="width: 1800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ec3850f3"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/c158fc368a524de660562ae5a334098d.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-346177" class="wp-caption-text">ANAとJALは’23年12月発券分から燃油サーチャージを値上げ。ANAの直近では最大21000円→29000円→41000円で再び高値となる</figcaption></figure>
<p>その燃油サーチャージが、コロナ後に上昇を続けている。’22年秋をピークに一時下がったものの、この12月発券分からまた値上げになり、旅行費用に重くのしかかる。</p>
<p>しかし、すべての航空会社が燃油サーチャージを課しているわけではない。中には、燃油サーチャージが運賃に最初から含まれていたり、不要だったりする。特典航空券も、燃油サーチャージを別途徴収する、また徴収しない航空会社も存在する。</p>
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<h3><span class="strongInContent">運賃より高い燃油代も！　日本在住者にとって戦況以外に不利な理由も</span></h3>
<p>ANAの場合、’20年４月から１年ほど、燃油サーチャージは無料だったが、その後上昇。’22年10～11月発券分は、6700（韓国）～58000円（欧米豪）に達した。その後少し下がり、’23年10～11月発券分は3000～29000円で、12月～’24年１月分がまた5000～41000円にアップした。</p>
<figure id="attachment_346179" aria-describedby="caption-attachment-346179" style="width: 792px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="768a4bcd"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/67312837c7fce77d2c69ec30d9719664.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-346179" class="wp-caption-text">ANAの燃油特別付加運賃（燃油サーチャージ）’23年12月１日から’24年１月31日購入分。昨年の過去最高だった頃に近い（画像：ANA公式サイトより）</figcaption></figure>
<p>いずれも片道当たりなので、往復だと２倍となる。運賃が往復10万円ほどでも、燃油サーチャージだけで往復約10万円が加算されると、航空券の支払金額は一気に20万円まで跳ね上がる。</p>
<p>昨今の原油価格の上昇は、ロシアとウクライナの情勢に加え、最近では中東での緊迫した状況が続くことも無縁ではない。日本在住者にとって、円安の影響もある。</p>
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<h3><span class="strongInContent">燃油サーチャージを「徴収しない航空会社」は果たしてお得なのか</span></h3>
<p>航空会社の中で、燃油サーチャージを課さないところもある。フルサービスキャリア（FSC）では、<span class="strongInContent">シンガポール航空</span>や<span class="strongInContent">カタール航空</span>、<span class="strongInContent">カンタス航空</span>など。その燃油分は、あらかじめ運賃に含まれている。</p>
<figure id="attachment_346180" aria-describedby="caption-attachment-346180" style="width: 1800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8986a471"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/281ec3d380bb28e82966c123d94e0f21.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-346180" class="wp-caption-text">シンガポール航空は運賃に燃油サーチャージが含まれるシンプルな運賃体系。ただ他社と比べて航空券が通常高め</figcaption></figure>
<p>シンガポール航空の場合、東京発シンガポール行きで、’24年１月の最安値が往復79590円、年末年始だと往復254230円。燃油サーチャージや諸税が含まれている。一方、ANAの公式サイトで検索すると、往復約30万円。そのうち、燃油サーチャージは往復31000円だ。その公式サイトでは、最安値だと往復10万円～（燃油込）も見られる。</p>
<p>筆者は’23年６月に日本とヨーロッパを往復した際、カタール航空で乗り継ぎ便を購入し、総額18万円ほど。当時の欧州路線は乗り継ぎで25～30万円、直行便だと40万円ほどした。他社より割安感があったのは、燃油込みの運賃だったからだろう。その頃、日欧間を往復するビジネスパーソンの間で「カタール航空が御用達」とけっこう聞かれた。</p>
<figure id="attachment_346181" aria-describedby="caption-attachment-346181" style="width: 1800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7c3f5d8e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/9c169a19b3106a18abf8e09953d76ede.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-346181" class="wp-caption-text">中東大手のカタール航空。新しい機材、サービスや座席などが国際的に高く評価されている。日本路線は羽田・成田便に続き、来春には大阪便も再開予定</figcaption></figure>
<p>では、燃油込運賃がお得かというと、一概には言えない。高いか安いかは、支払総額で判断すべきである。旅行業界やよく飛行機に乗る人々らの間で「シンガポール航空は（燃油込みでも）もともと高い」という声も実際多い。それでも時として、セール時に割安運賃で販売されることもある。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="コスパのいい「MCC」とは？"></div>
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<h3><span class="strongInContent">高いFSCよりコスパのいい「MCC」を利用すべき理由</span></h3>
<p>FSCが高すぎて利用しづらいのであれば、中堅航空会社またはハイブリッド航空会社と呼ばれる「ミドルコストキャリア（MCC）」がおすすめだ。割安で、しかも意外と快適に過ごせる。</p>
<figure id="attachment_346182" aria-describedby="caption-attachment-346182" style="width: 1800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6961e606"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/11c339b9562eae794c7d21fa8194345d.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-346182" class="wp-caption-text">北米など続々と路線ネットワークを広げるZIPAIRはLCCの位置づけだが、サービス展開はLCCをはるかに超える。リピーターも多い</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「ZIPAIR」（ジップエアー）</span>は、全席に電源あり、機内Wi-Fiが無料だ。フルフラットになる上級席もあり、全機が、最新の中型機「ボーイング787」である。有料機内食のおいしさやJAL系列である安心感など、一度乗るとコストパフォーマンスの良さにリピーターになる人も多くいる。燃油サーチャージもゼロ。</p>
<p>シンガポール航空の格安航空会社（LCC）である<span class="strongInContent">「スクート」</span>も、MCCに近い存在。日本路線は主にボーイング787で機内は広々としていて、エコノミー前方に静音エリア、さらに上級席もある。機内持込10kgまで無料もうれしい。</p>
<figure id="attachment_346183" aria-describedby="caption-attachment-346183" style="width: 1800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1612e42e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/b8d912cd09e03e33db5d2ac285db5828.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-346183" class="wp-caption-text">シンガポールが拠点のLCC、スクート。日本人にもわかりやすい運賃体系やサービスで、他のLCCよりレベルが総じて高い</figcaption></figure>
<p>韓国のMCCとして’21年に運航開始したのが<span class="strongInContent">「エアプレミア」</span>だ。機材はボーイング787で、エコノミークラスに加え、プレミアムエコノミーがあって座席のシートピッチが35インチと、主なFSCの34インチより広いのが魅力。飛行４時間以上の便だと機内食が２回提供される。</p>
<p>LCCだと手荷物ルールが厳格で、シートピッチも狭い。また、A320など小型機材が多く、機内での窮屈感が半端ではない。その中間にあたるMCCは、運賃も割安でセールも多く、上手に活用したいところだ。</p>
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<h3><span class="strongInContent">特典航空券は無料ではない！？ 日系２社は燃油代を別途徴収</span></h3>
<p>マイルを利用した特典航空券は、実質「無料」で飛行機に乗ることができる。しかし、ANAやJALをはじめ、多くの航空会社のマイレージプログラムでは、特典航空券だと別途、燃油サーチャージが必要だ。運賃がいくらゼロでも、燃油サーチャージで10万円が加わると考えれば、“タダ旅行”のお得感がなくなってくる。</p>
<figure id="attachment_346184" aria-describedby="caption-attachment-346184" style="width: 1800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ff45d49b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/6e432d03affe78bdf6110a52968274dc.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-346184" class="wp-caption-text">主な米系航空会社の提供するマイレージプログラムは「マイルに有効期限がない」のも好評。日本在住でもあえて米系航空会社でマイルを貯める人も少なからずいる</figcaption></figure>
<p>特典航空券の発券時、「燃油不要」でよく知られるのが、米系航空会社だ。ユナイテッド航空「マイレージプラス」、アメリカン航空「アドバンテージ」、デルタ航空「スカイマイル」、アラスカ航空「マイレージプラン」などが該当する。しかも例えば、ユナイテッド航空でANA国際線特典航空券を発券すると、ANA運航便でも燃油サーチャージが無料になる。ただ、急なルール変更もよくあるので、くれぐれも気を付けたい。</p>
<p>一方で、外資系航空会社のマイルを特典航空券が手に入るまで貯めるのは、日本在住だとなかなか難しい。外資系ホテルチェーンなどで貯まったポイントをマイルに交換するなど、ひと工夫が必要だ。</p>
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<p>特典航空券は１年先まで予約できる。万が一、予定変更になっても、特典航空券はキャンセル手数料が安い。JALだと取消手数料3100円、ANAだと3000マイルの減額で済む。その使い勝手の良さ、特典予約枠が少ないなどの理由から、最近はなかなか予約しづらい。マイルの有効期限がまだあれば、燃油サーチャージが高い今は無理せず「様子見」も賢明だろう。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="燃油込みの「ダイナミックパッケージ」は？"></div>
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<h3><span class="strongInContent">燃油込みで販売する「ダイナミックパッケージ」はお得か否か</span></h3>
<p>航空券とホテルを組み合わせるダイナミックパッケージも、実は燃油サーチャージ込みの価格で販売している。しかも、支払った後に燃油サーチャージの金額が上がっても、販売元の旅行会社から追加徴収されることはない。</p>
<p>逆に、燃油サーチャージが下がったら損をすることにもなる。航空券の発券と同様、購入のタイミングが重要だ。</p>
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<h3><span class="strongInContent">燃油サーチャージの変動は事前予測できる、タイミングを見て発券もあり</span><span class="strongInContent"> </span></h3>
<p>航空燃油は、シンガポールケロシンの価格が主な基準となる。加えて、為替や円相場も関わってくるため、円安になるほど燃油サーチャージの金額も上がる。</p>
<p>「燃油サーチャージがもうすぐ値上がりしそう」という傾向は、シンガポールケロシンを逐一チェックしていれば、事前に予測可能だ。値下がり時も同様。そのため、燃油サーチャージが下がってきてまた上がりそうな時期に発券するのがテクニックの１つと言える。</p>
<p>一方、燃油サーチャージを航空券に加算することを禁止もしくは一定額とする国もある。日本から近い国だと、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランドなど。もちろん、渡航先までの片道分の旅費や時間などが当然かかる。</p>
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<p>コロナ後の海外旅行は、円安に加え、この燃油代を含めた航空券の高止まりも足かせとなり、一般的に厳しい状況が続く。今の世界情勢を見ていても、すぐに燃油サーチャージが大きく下がることは考えにくい。少しでも旅費の負担を軽くするため、発券のタイミングや燃油サーチャージ不要の航空会社などを知っておいて損はないだろう。</p>


Aki Shikama / シカマアキ

この12月発券分からまた値上げになり、旅行費用に重くのしかかる「燃油サーチャージ」。しかし、すべての航空会社が課しているわけではない。最初から含まれていたり、不要な航空会社がある。

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