<p>“学びたい人”と“教えたい人”をつなぐプラットフォーム「ストアカ」で見つけた、変わり種のお稽古「殺陣（たて）」。いま、40、50代の中年男性に人気のようだ。おっさん記者としては気になる。そこで、ストアカ内「演劇・演技」部門で人気上位の、巣鴨にある「A＆Cスタジオことのは」の体験取材を敢行。</p>
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<figure id="attachment_348171" aria-describedby="caption-attachment-348171" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="dd38e022"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/56b41a06a8a3b636b515bc62d2cb4e01.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348171" class="wp-caption-text">50代、五十肩のおっさん記者が、じわじわと話題上昇中「殺陣（たて）稽古」に挑戦</figcaption></figure>
<h2>ストレス発散や運動不足解消以外にも得られる効果とは</h2>
<p>「殺陣と聞くとハードな動きが求められ、敵との激しい戦いをイメージしますが、実はいちばん大事なのは、目の前の相手との“コミュニケーション”です。殺陣は相手と行う“共同作業”でもあります」</p>
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<p>そう語るのは、「A＆Cスタジオことのは」の代表であり、殺陣師の宗像拓郎さん。</p>
<p>この話を聞いたときには、非常に驚いた。なぜなら、ここに来るまではそんなイメージが全くなかったからだ。そう言われると、勝ち負けにこだわらずに、最初から最後まで楽しみながら取り組めそうだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「殺陣業界がそうなんですけど、実は男性よりも女性の会員さんも多いんです。年齢層は30代がいちばん多く、次に40、50代です。スポーツや格闘技のように本気で対人接触をすることもなく恐怖心を抱かないため、女性や未経験者も飛び込みやすいんだと思います。それに、憧れの俳優のように“かっこよくさっそうと剣さばきをしたい”という願望も、早い段階でかなえられるところがウケているんだと思います」（宗像さん）</span></p>
<figure id="attachment_348176" aria-describedby="caption-attachment-348176" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e737e1b1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/5832248af1570e457ff32cbca91e57d6.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348176" class="wp-caption-text">組む相手と息を合わせて殺陣を完成させていくところが、カップルになりやすい所以のひとつ</figcaption></figure>
<p>「A＆Cスタジオことのは」では、刀ややりになぎなた、二刀流など、生徒の武器のリクエストに応じて殺陣のやり方を教えてくれるという。舞台や映画のお気に入りシーンがあれば、それを再現することもできるとのこと。</p>
<figure id="attachment_348172" aria-describedby="caption-attachment-348172" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="325339b3"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/5c8c83ddda910fa13df23785c9b7eac0.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348172" class="wp-caption-text">木刀で刀の重さを感じ、日本刀（本物とは違って切れずに軽い）に持ち替えて技の習得に入る</figcaption></figure>
<p>一方、私のような男性参加者はどんな理由で受講しているのだろうか。</p>
<p><span class="strongInContent"> 「運動不足解消に姿勢矯正、ストレス発散の効果を感じていただけると思います。あとは40、50代の男性は、世代の異なる人たちのコミュニティで趣味を通して一緒にひとつの作品をつくっていけるところに、面白さを感じているようです」（宗像さん）</span></p>
<p>普段、仕事以外の人とは接点が少ない、フリーランスのおっさん記者としては非常に共感できる話だ。</p>
<figure id="attachment_348175" aria-describedby="caption-attachment-348175" style="width: 1479px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="da104de6"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/fa72000a7109e7f6ae80282fec8725d5.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348175" class="wp-caption-text">会社とも家庭とも異なる、第三のコミュニティが心地よい　提供／スタジオことのは</figcaption></figure>
<p>&nbsp;</p>
<div data-friday-nextpage-lead="本番さながらのレッスン開始…！"></div>
<h2>年の差10歳も！ 成婚率が高い殺陣稽古</h2>
<p>「なにはともあれ一度やってみましょうか」と、先生に促されるようにして、いよいよ体験レッスンが始まった。</p>
<p>今回受けるのは１回60分の体験レッスンのコース。スタジオのホームページから3000円で申し込みができるが、ストアカから申し込むと1000円安く体験することができる。また、入会する際いくつかのコースがあるが、初心者の成人男性の場合は通常「レギュラークラス」を選択し、基本から本格的な殺陣稽古を学ぶ（１回ごとに3000円か、月に10000円の費用が発生）。</p>
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<p>まずは先生に手伝ってもらい、着物と袴（はかま）に着替える。鏡で見ると、着慣れていないためどこか服に着せられている感じだ。体験レッスンは衣装込みだが、入会後は着物ではなくとも動きやすい服装であればよい。着物自体は、古着で2000円程度で手に入るものもあるという。</p>
<figure id="attachment_348179" aria-describedby="caption-attachment-348179" style="width: 3024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="21525090"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/e4ea0605ae0bbe0ebfe814d4c905a0c3.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348179" class="wp-caption-text">着物を着せられ、どこか照れくさそうな記者</figcaption></figure>
<p>次に基礎の型を学ぶ。刀を腰に差す動作や青眼の構え、そして真っ向斬りなど、一連の動きをやってみると次第に楽しくなってきた。先生からも「なかなか筋がいいですね」と褒められ、がぜんやる気に。</p>
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<p>剣から木刀に持ち替えて、次は対人の稽古。人を相手にするのは初めてなので、最初は恐る恐る刀を振り下ろしぎこちなかったが、２回目になると「えい！」「やあ！」という掛け声とともにリズムがつかめ、先生との剣を交わすタイミングもスムーズに。五十肩を患っていたが、それも気にならない。</p>
<p>「これが、相手に合わせたコミュニケーションか」。なんとなくつかめてきた。先生と組むのであれば、おおよそひと月（４回）ほどで、ひととおりの立ち回りはスムーズにできるようになるそうだ。</p>
<figure id="attachment_348182" aria-describedby="caption-attachment-348182" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ab9f43d7"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/5a0ea80b166aa44a28438989545893f8.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348182" class="wp-caption-text">最初はぎこちなかったが……</figcaption></figure>
<figure id="attachment_348183" aria-describedby="caption-attachment-348183" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9d1a269d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/814942fd11fe84ebcbb2a6207ddf431d.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348183" class="wp-caption-text">褒められてやる気になる記者</figcaption></figure>
<p>最後は舞台を想定した、敵との立ち回り。宗像さんのアクションをお手本に、流れを確認しつつ２回ほど練習を繰り返す。その後、舞台さながらのBGMが流れ、宗像さんの「アクション！」というかけ声とともに本番がスタート。</p>
<p>空を見上げていると、悪役を演じる先生がにらみながら、ゆっくりと近寄ってくる。それを背中で感じながら、徐々に相手と向き合い刀を抜く。油断させるため刀を降ろし、襲いかかってくる剣を一度かわす。時間にして30秒程度だが、一連の動作を覚えるのが難しい。それでもその後相手と剣を２、３度交じえ、最後は返し銅で仕留め「カット！」の合図がかかったときには、妙にやりきった気分になる。</p>
<figure id="attachment_348185" aria-describedby="caption-attachment-348185" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d657c835"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/bdfefe8ba75fac4e8a0db4d68796b9ff.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348185" class="wp-caption-text">舞台の本番に見立てて、30秒程度の演技に入る</figcaption></figure>
<figure id="attachment_348186" aria-describedby="caption-attachment-348186" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="54cd1847"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/8d284f942ac421870970df50d1e13603.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348186" class="wp-caption-text">切りかかる敵に真っ向から勝負！</figcaption></figure>
<figure id="attachment_348187" aria-describedby="caption-attachment-348187" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ec8f3d6d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/6ccf3aa6154de061a3068f3bf548a781.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348187" class="wp-caption-text">最後は崩れ落ちる敵……。なんちゃってヒーロー気分が味わえるのだ</figcaption></figure>
<p>この短い立ち回りだけでも、日常で経験できないヒーロー（主人公）気分が味わえる。おじさんがハマるのもわかってきた。覚える動作も多いので、認知症防止にも役立ちそうだ。</p>
<p>また、会員同士が恋愛関係になりその後の成婚率も高いのだという。詳しく宗像さんに聞いてみると</p>
<p>「殺陣は、前提として相手の目を見て一緒に動くからだと思います。動きを合わせてみると、相手の性格も見えてくるんです。普段はおとなしそうな女性でも、剣を持つと積極的に攻撃してくることも。本音や本心が殺陣を通してわかるので、付き合うとそのままゴールインするのだと思います」</p>
<p>とのことだった。</p>
<p>10歳以上の年齢差でも交際が始まるというから驚きだ。「殺陣で婚活」──新たな出会いも得られ、一石三鳥の魅力がある掘り出し物のお稽古かもしれない。</p>


西谷 忠和

“学びたい人”と“教えたい人”をつなぐプラットフォーム「ストアカ」で見つけた、変わり種のお稽古「殺陣（たて）」。いま、40、50代のおっさんにも人気のようだ。

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