<figure id="attachment_348237" aria-describedby="caption-attachment-348237" style="width: 2443px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9c538d12"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/9d5676efc87262598e2dad54ae3b0d54.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348237" class="wp-caption-text">早田ひな (23)　国内独自ポイント：790.5　パリ五輪国内選考順位：1位　世界ランク最高４位　身長167㎝　福岡県出身。左利きで相手のペースを乱し、長い手足を生かした守備範囲の広さとパワーが持ち味だ</figcaption></figure>
「もはや選考過程が選手の成長に追いつけていません」（名門卓球クラブ関係者）
’22年春に始まった卓球女子のパリ五輪選考が最終局面を迎えている。
「今回から世界ランキングではなく、国内を中心とした選考対象大会の成績に応じて国内独自の選考ポイントを付与して、シングルスの代表男女各２名を決める方式としています。安定して上位を勝ち取ることが求められており、国内の大会を盛り上げる目的もあるのだと思います」（スポーツライター・矢内由美子氏）
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今回の選考では国際大会以外に23ヵ月間、全15大会に出られた者が有利だ。各大会では１位とそれ以外の加算ポイントの差がほぼなく、一度の優勝だけでは気が抜けない。怪我や調整で大会を１〜２回欠場しただけでもライバルにアッという間に差を付けられる長期戦は、選手への負担が大きいと批判を受けてきた。
「実は今回の選考順位には本当の強さが反映されていません。現在、１位の早田ひな選手（23）、２位の平野美宇選手（23）は選考対象の全大会に出場し、確実にポイントを取ってきた。世界ランキングで日本勢最高位の２位になったことがある伊藤美誠(みま)選手（23）は１大会不出場したことで３位に落ちていますが、ポイントは平野選手と互角です」（前出・名門卓球クラブ関係者）
持久走のような選考過程は、来年１月下旬の『天皇杯・皇后杯 ２０２４年全日本卓球選手権大会』で決着する。メダリストとして出場枠を逃せない平野と伊藤にとってはまさに正念場。団体戦の代表１枠に入り、せめてダブルスで出場したい他の選手らも最後の選考に最高のコンディションで挑むため、観客にとっては選手の本当の実力が見られる場になる。
平野と伊藤の直接対決が注目されるなか、ダークホースとされているのが、弱冠15歳の張本美和だ。
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「今年５月には、平野を撃破。11月末には早田も破りました。中国メディアは〈現時点で、中国、日本双方の同じ年齢層の選手の中に対抗できる選手は見当たらない〉と、すでに張本を新たな脅威として捉えています」（スポーツ紙記者）
急成長を遂げる張本は、今追い風の中にあるという。卓球コラムニストの伊藤条太氏が次のように分析する。
「急成長しており、プレーに弱点がない。経験では年上の早田や伊藤、平野に劣りますが、兄の張本智和選手（20）とともに鍛えた強烈なドライブと鉄壁の守備力があるので勝てるんです。また今の張本には、追う者の立場の有利さもある。怖いもの知らずで、ほぼノンプレッシャーで戦っているはずです」
現在トップを独走する早田だが、東京五輪ではリザーブ選手だった。張本同様、彼女にも追う者の有利が働いたようだ。
「早田はパワーもあって駆け引きもできるオールラウンダー。東京五輪では、控えとして出場選手の練習パートナーに徹していました。活躍する同い年の伊藤や平野の背中を見て、覚醒したようですね。今季は一度、張本に負けましたが、実はプレースタイルをさらに変えようとしているとか。特出した武器を仕込んでいる最中なのでしょう。シングルスの出場はほぼ確定ですが、新たなスタイルをものにするために全力で勝ちに来るでしょう」（前出・名門卓球クラブ関係者）
<figure id="attachment_348236" aria-describedby="caption-attachment-348236" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="bd473238"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/e43c9ed20000cbacc1beb993f912935a.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348236" class="wp-caption-text">早田ひな (23)</figcaption></figure>
<figure id="attachment_348234" aria-describedby="caption-attachment-348234" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1c2673bd"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/94dc5d94f8f24af1f088eec19cf3c9d7.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348234" class="wp-caption-text">平野美宇(23)　国内独自ポイント：486　パリ五輪国内選考順位：2位　世界ランク最高17位　身長158㎝　山梨県出身。東京五輪では団体で代表に初めて選ばれ銀メダルを獲得。悲願のシングルス出場なるか</figcaption></figure>
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<h2>不調の王者、覚醒</h2>
猛者に追われるメダリストには、常に次のメダル獲得へのプレッシャーがついて回る。その緊張感の中にいるのが金メダリストの伊藤だ。前出の矢内氏が語る。
「’21年の東京五輪の後、わずか半年で今回の選考レースが始まり、彼女はモチベーションを立て直すのに苦労したようです。また、過密な選考日程による疲労が重なり、春先に腰と臀部の骨に炎症が起きて出遅れました。今年は早田が絶好調でしたが、本来スタミナと経験、負けん気で言えば伊藤選手も引けを取りません。金メダリストの威信にかけて全日本選手権では本領を発揮してくるでしょう」
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伊藤のプレースタイルは打つ方も返す方も難しいハイリスクな技を超ハイテンポで繰り出して攻め抜くもの。技術力やスタミナ、集中力はもちろん、肝が据(す)わっていないとできない代物だ。
伊藤のライバルで東京五輪の銀メダリスト・平野も当然、全日本選手権の優勝候補だ。
「以前は、ボールがバウンドするや否や打ち返す、異常に打点の早いバックハンドを武器にしており、’17年のアジア選手権では中国のトップ選手３人を連破して優勝。その武器が対策されてからは全体の能力を底上げし、バックハンドの長所はそのままに、早田同様、フォアハンドも力強いボールを打つようになったのです」（前出・伊藤氏）
選考レース争いで４位となった木原美悠（19）も有望株として要注目だ。
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「サービスが非常に上手くて、意表を突いた場所にボールを送ったり、意外な回転をかける。クレバーな卓球をするスタイルは他の４人とは一風違います。さらに木原は今年の全日本の決勝で早田と戦って、前半はワンサイドゲームでリードしました。台の近くで強烈なカウンターを打ち出す木原の速さに早田はついていけなかった。結局、早田が少しずつ盛り返して最後に逆転しましたが、差は紙一重で、木原が優勝してもおかしくない試合でした」（同前）
現状では、強豪揃いのなか快走する早田と復活した「大魔王」伊藤が頂点に近い。全日本選手権の勝者こそ真の日本一なのだろう。
<figure id="attachment_348235" aria-describedby="caption-attachment-348235" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a1d5d416"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/14c103f85957e3201ff1c1f4e0cecd94.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348235" class="wp-caption-text">伊藤美誠 (23)　国内独自ポイント：451.5　パリ五輪国内選考順位：3位　世界ランク最高２位　身長153㎝　静岡県出身。日本女王に３度輝き、’21年の東京五輪では日本初となる卓球競技での金メダルを獲得</figcaption></figure>
<figure id="attachment_348233" aria-describedby="caption-attachment-348233" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5ec8898f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/f5861fc037bd43c2d6a8bffb792b4a0f.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-348233" class="wp-caption-text">右：木原美悠　国内独自ポイント：354　パリ五輪国内選考順位：4位 世界ランク最高23位　身長164㎝　兵庫県出身　 左：張本美和　国内独自ポイント：330.5　パリ五輪国内選考順位：5位 世界ランク最高14位　身長166㎝　宮城県出身。</figcaption></figure>
『FRIDAY』2023年12月22日号より

共同通信　ゲッティ　フォート・キシモト

’22年春に始まった卓球女子のパリ五輪選考が最終局面を迎えている。来年１月の全日本選手権は大激戦となりそうだ！「史上最高メンバー」が揃った日本女子卓球、一番強いのは……。

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