<figure id="attachment_349249" aria-describedby="caption-attachment-349249" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="aa39ee9f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/66dfdaad19aa37cdabae00361a4d5825.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-349249" class="wp-caption-text">神田さんが描いたイラスト</figcaption></figure>
<p>この時期になると、仕事でよく「クリスマスの思い出は？」と聞かれる。キラキラしたデートの思い出や、クリスマス直前にフラれた思い出、自分へのプレゼントを爆買いした思い出など、定番のクリスマスエピソードがあればいいのだが……毎年どれだけ記憶を辿っても、以下の思い出しか出てこない。</p>
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<h2>Episode 1 弟への焦り</h2>
<p>８歳の時のクリスマスの朝、私の枕元には、隣の家の女の子がサンタさんにお願いしていたお人形が届いた。（サンタさんが家を間違えた。もー!!）と腹が立ったが、不満な顔を見せたら今後来てくれなくなってしまうかもしれないと思い、欲しくもない人形を必死に笑顔で迎えていた。一方、１歳の弟の枕元には大きな箱に入ったプレゼントが届いた。「マァマァ」とか「ダッコォ」しか話せない弟が、こんな大きなプレゼントをリクエスト通りもらえたのなら、（ずるい！）と思ったのだ。すると母が「愛花が開けて」と言うので、寝ている弟を起こさないように、箱を開けた。（え？）。中身はなんと、壁掛けの鳩時計だった。木製で、鳥小屋の形をし、正時ごとに扉から鳩が出てきて「カッコー！」と鳴く、アレだ。横で母が「わぁ素敵!!」と嬉しそうにしていた。</p>
<p>（弟がこれを!?）。意外すぎて言葉が出なかったが、鳩時計と弟の共通点を探した。いつも握りしめているタオルの色と鳩時計の屋根が同じ水色。（なるほど、色を指定したんだな。それにしても、まだ幼稚園にも通っていないし、決まった時間で動いているわけでもないのに、なんでこんな物をお願いしたんだ？）。１歳の弟が欲しがった物の″大人度″が高すぎて、当時の私は焦りを感じた。</p>
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<div data-friday-nextpage-lead="Episode 2 &quot;すごい&quot;の意味"></div>
<h2>Episode 2 ″すごい″の意味</h2>
<p>15歳の時、中学で生徒会長を務めていた私は、他校の生徒会と時々ファストフード店で″情報交換会″をしていた。今から思えば合コンだ。その中で、ある男の子が「12月24日か25日に２人で会おう」と誘ってくれた。男の子と２人きりのデートなんて生まれて初めて。嬉しかったが、私はその子のことをすごく好きなわけではなかった。クリスマスをともに過ごす異性は特別な存在でなければならない。まだ少女で純粋だった私はそう信じていて、正直なところ彼は適していなかった。クリスマスまであと３週間。（これから本気で好きな人が現れるかも！）と思い、23日に会うことにした。</p>
<p>その子はとても誠実だった。当時、横浜に住んでいた私が遠出せずに済むよう、デート場所に横浜ランドマークタワーを指定してきた。私にとっては何度も行っている地元。当時の私は（つまらない）と思ったが、どうやら建物の中で雪を降らすイベントがあり、彼はそれを一緒に見てホワイトクリスマスのような時間を過ごしたいと言うのだ。（あの中で雪が降ったら……お店のお洋服もエレベーターも床も、全部ビショビショだ!!　なにそれ、見てみたーい！）と好奇心が湧いた。</p>
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<p>初めて見る私服姿のその子を横目でチェック。（清潔感、よーし）。導かれるまま&#8221;雪&#8221;を見るポイントに到着した。館内アナウンスと同時に、吹き抜けの上から、白いフワフワとした物がボワーッと降り始めた。綺麗だった。ヒラヒラと落下してきて、私の目の前を通り、下の階へ落ちていく。（ん？　なんかおかしい）。手を出して、触れてみた。（……え!?　冷たくない！）。本物の雪ではなかった。なので、どこもビショビショになんてならなかった。</p>
<p>数分間のニセモノの雪の落下が終了。彼も予想とは違う状況に驚いているだろうと、「本物の雪じゃないんだねぇ」と話しかけた。すると「それはそうだよー。本物なら全部ビショビショになっちゃうからねぇ」と返ってきた。私は気持ちがプッツンした。（は？　ビショビショにしてでも本物を降らすのがすごいんじゃん！）。その子とは″すごい″と感じるポイントが違うことがわかり、これ以上話しても楽しくないと判断。会って２時間も経っていなかったが、「門限があるから帰るね」と言って帰った。</p>
<p>これが私のクリスマスのエピソードだ。どんなトークテーマにも対応し、色々な番組に出演させていただくことを目指しているが、クリスマスの思い出がテーマの場では、きっと活躍できないと思う。</p>
<figure id="attachment_349247" aria-describedby="caption-attachment-349247" style="width: 3004px" class="wp-caption alignnone"><img loading="lazy" class="wp-image-349247 size-full" src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/12/695002d97b11ca3cd791054813aeec37-2.jpg" alt="" width="3004" height="3734" data-expapp-media-credit="PHOTO：下村一喜"><figcaption id="caption-attachment-349247" class="wp-caption-text">©下村一喜</figcaption></figure>
<figure></figure>
<p>かんだ・あいか／1980年、神奈川県出身。学習院大学理学部数学科を卒業後、2003年、NHKにアナウンサーとして入局。2012年にNHKを退職し、フリーアナウンサーに。以降、バラエティ番組を中心に活躍し、現在、昼の帯番組『ぽかぽか』（フジテレビ系）にメインMCとしてレギュラー出演中</p>
<p>『FRIDAY』2023年12月29日号より</p>
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神田愛花

「クリスマスの思い出は？」と聞かれても、エピソードがない！と神田愛花。毎年どれだけ記憶を辿っても、思い出されるのは２つのエピソードだけ！クリスマスの思い出がテーマの場では、きっと活躍できないなぁ…


フリーアナウンサー・神田愛花『「クリスマスの思い出は？」は私の弱点』

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