<figure id="attachment_353266" aria-describedby="caption-attachment-353266" style="width: 1811px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9ff7c4a7"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/8c32f30246c3c1fc1f7bff8966272959.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353266" class="wp-caption-text">ソフトバンクの本拠地PayPayドームのウェイトトレーニングルームで。誰よりも多い練習量が、40歳を超えても第一線で活躍できる要因の一つだ</figcaption></figure>
<p>まさかの年明けとなった。</p>
<p>ＦＡでソフトバンクへ加入した山川穂高の人的補償として、『日刊スポーツ』（１月11日付）はチームの顔とも言える和田毅（42）を西武が指名していると報じたのだ。しかし同日夕方には急転。ソフトバンクは、甲斐野央（27）が西武へ移籍すると発表した。『ＦＲＩＤＡＹ』は昨年末に渦中の和田をインタビュー。常に「引退」の覚悟を持ってプレーするベテランの肉声を紹介したいーー。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>２月に43歳になるパ・リーグ最年長投手に今季の目標を尋ねると、迷うことなく色紙にペンでこうしたためた。</p>
<p><span class="strongInContent"><span class="strong-in-content">〈二桁勝利〉</span></span></p>
<p>ソフトバンクの和田毅。プロ22年目を迎えた大ベテランだ。今季も開幕ローテーション入りが内定している和田が、〈二桁勝利〉に込めた思いを語る。</p>
<p><span class="strongInContent"><span class="strong-in-content">「若い選手は失敗しても『来年がある』と割り切れるでしょう。でも僕の年齢になったら辞めるしかない。ローテーション投手として、結果を出さなければ意味がないんです。一つの目安が二桁勝利。いつでも引退する覚悟で投げています」</span></span></p>
<p>もちろん、43歳まで現役を続ける道のりは平坦ではなかった。和田が歩んだ野球人生を本人の言葉で振り返る。</p>
<h2>「一緒に撮ってもいいですか」</h2>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>日体大野球部に所属し、首都大学リーグで首位打者を獲得したこともある父親の影響などから、和田が野球を始めたのは小学１年生の時だ。高校は実家近くの浜田高（島根県）に進学。’97年と’98年の夏に甲子園出場を果たす。そこで運命的な出会いがあった。「平成の怪物」と呼ばれた、横浜高（神奈川県）の松坂大輔（43）の活躍を目の当たりにしたのだ。</p>
<p><span class="strongInContent"><span class="strong-in-content">「同学年でしたが、雲の上の存在でした。確か’98年夏の甲子園開会式の直前だったかな。僕から大輔に『一緒に撮ってもいいですか』と話しかけ、記念の２ショット撮影をしたのをよく覚えています」</span></span></p>
<p>早稲田大学に進学した和田は、マウンドでの仕草やプレートの掃（は）き方まで憧れの松坂を真似る。125㎞／ｈほどしか出なかったストレートが、常時140㎞／ｈ投げられるようになったのもそのおかげだ。</p>
<p><span class="strongInContent"><span class="strong-in-content">「大輔とは右と左（和田は左腕）の違いがあったので、鏡で反転させ自分と見比べたんです。ヒントになったのがグラブを持つ腕の使い方。体重移動する際に身体を腕で止めるように壁を作り、一気に前へ出るんです。下半身の力がうまく伝わり、より威力のあるボールを投げられるようになりました」</span></span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="同学年の松坂へ敬語"></div>
<div class="expapp-yahoo-paragraph-break"></div>
<p>和田のストレートは、大学生の中でもズバ抜けて速いとはいえない。だがキレはバツグン。140㎞／ｈでも面白いように空振りが取れ、東京六大学リーグの通算奪三振記録（476）を樹立。プロでやっていける自信が持てたという。</p>
<p>和田は早大卒業後、自由獲得枠でソフトバンクの前身・ダイエーに入団する。ついに松坂と同じ舞台に立ったのだ。</p>
<p><span class="strongInContent"><span class="strong-in-content">「大輔とは実績がまるで違いましたから、学生時代までは敬語を使っていました。敬語を使わなくなったのは、プロ入り後に開かれた’03年のアテネ五輪予選で日本代表のチームメイトになってから。大輔が『元気？』とフランクに話しかけてくれたんです。神様が、雲の上から地上に降りてくれた感覚でした」</span></span></p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>プロでの覚醒のキッカケとなったのも松坂だった。２年目の’04年４月に行われた西武戦。両者初の直接対決である。</p>
<p><span class="strongInContent"><span class="strong-in-content">「やっと同じ場所で投げられると、晴れ晴れとした気持ちだった。ここで勝てたら、何かが変わると気合が入りました」</span></span></p>
<p>息を呑む投手戦となった。松坂は150㎞／ｈの剛速球で、和田はキレのある球でともにストレート中心の投球。結局０対１で和田は敗戦投手となるが、松坂とともに最後までマウンドに立ち続けた。</p>
<p><span class="strongInContent"><span class="strong-in-content">「もちろん悔しい気持ちはありました。ただ不思議な感覚でしたね。もっと投げ合いたい、もう終わってしまうのかと……。自分の中でプロとして意識が違うフェーズに入った試合でした。さらにレベルを上げようと真剣に思ったんです」</span></span></p>
<p>翌日のスポーツ紙は和田を喜ばせた。西武のコーチがこう話していたのだ。</p>
<p><span class="strongInContent"><span class="strong-in-content">〈こんな試合はベンチからより、スタンドでビールを飲みながら観戦したい〉</span></span></p>
<p>相手チームのコーチさえ、自分の投球に酔った。和田は自信を深める。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<div data-friday-nextpage-lead="思いもかけない&quot;メッセージ&quot;"></div>
<p>しかし、和田は松坂になかなか勝てない。ようやく初勝利を掴んだのは、’05年４月の４度目の対戦だった。和田は８回を無失点に抑え松坂に投げ勝つ。試合後、思いもかけぬメッセージが届く。</p>
<p><span class="strongInContent"><span class="strong-in-content">〈毅、今日はナイスピー。でも次は絶対に負けないよ〉</span></span></p>
<p>送り主は松坂だった。</p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p><span class="strongInContent"><span class="strong-in-content">「ホッとしてバスに乗り込んだ時です。携帯電話をチェックすると、大輔からメールが届いていた。普通負けたら悔しくて相手投手を称（たた）えることなんてできないでしょう。投手としても人間としても、大輔の大きさを実感した瞬間でした」</span></span></p>
<p>和田はその後、海を渡りメジャーにも挑戦する。米国でもストレート中心の組み立てで戦った。打者の手元で動くツーシームも覚えた。再び日本に戻り７年目となる’22年のシーズンには、41歳にして自己最速の149㎞／ｈを記録する。</p>
<p><span class="strongInContent"><span class="strong-in-content">「プロ入りした当初の目標の一つが、40歳でも先発として投げることでした。本当に達成できるとは……。この歳まで僕が続けられたのは、誰よりも走り込んでいるからです。もう若い時ほど走れませんが、練習量は他の選手に負けない自信はある。いまも自分の最大の武器はストレートです。通用しなくなった時が、辞める時と覚悟をしています。恐さはありません。むしろ、どこまで自分を高められるのか実験的な楽しみがあります」</span></span></p>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<p>不惑を超えて、まだまだ成長を続ける和田。元・中日の山本昌に並び、50歳でローテを守るのも夢ではないだろう。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="和田の未公開カット…！"></div>
<figure id="attachment_353265" aria-describedby="caption-attachment-353265" style="width: 2166px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1a222735"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/d893bfaf4438e97a9faba4cab224d34e.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353265" class="wp-caption-text">わだ・つよし ’81年２月生まれ。島根県出身。’03年の新人王。最多勝を２度、最高勝率を１度獲得した左腕。妻は元タレントの仲根かすみ</figcaption></figure>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<figure id="attachment_353264" aria-describedby="caption-attachment-353264" style="width: 2158px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="629fdab5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/befa74856fbfa28a14097278aa930d71.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353264" class="wp-caption-text">和田が直筆で書いた今季の目標。〈二桁勝利〉と〈120イニング〉。「一年一年が僕には勝負」と気を引き締める</figcaption></figure>
<figure id="attachment_353489" aria-describedby="caption-attachment-353489" style="width: 6000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="eb28d28e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/b6294e74f9e27952d4451cc836351d19.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353489" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット</figcaption></figure>
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
<figure id="attachment_353490" aria-describedby="caption-attachment-353490" style="width: 6000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2a3e5eec"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/64397c18220c7074a22722e35ec29d37.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353490" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット</figcaption></figure>
<figure id="attachment_353491" aria-describedby="caption-attachment-353491" style="width: 6000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="50a6099c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/3ec619328949c887f6aace1d8053e585.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353491" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット</figcaption></figure>
<figure id="attachment_353492" aria-describedby="caption-attachment-353492" style="width: 5292px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a6fa1b55"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/74c55e46fd00c623e4033a115b7895fb.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353492" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット</figcaption></figure>
<figure id="attachment_353493" aria-describedby="caption-attachment-353493" style="width: 6000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6402508a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/01/231114c5b6d0d798379bfbcf6bd39063.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-353493" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット</figcaption></figure>
<p>『FRIDAY』2024年1月26日号より</p>


繁昌良司

２月に43歳になるパ・リーグ最年長投手の和田毅に新春インタビュー！プロ22年目を迎えた大ベテラン、今季の目標を尋ねると「二桁勝利」。この言葉に込めた思いを語る――。

人的補償騒動で急転…【インタビュー】ソフトバンク和田毅「僕を変えた大輔との初対戦と想定外メール」

あなたへのオススメ