<figure id="attachment_360983" aria-describedby="caption-attachment-360983" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="df500609"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/02/231c8a4d427f290072695b80cb71f405.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-360983" class="wp-caption-text">昨年、プロテストに合格した神谷。２歳の娘・咲凜（えみり）ちゃんのキーホルダーをゴルフバックに携えて戦う</figcaption></figure>
<p>昨年、女子ゴルフのプロテスト４度目の挑戦で合格した神谷和奏（かみや・わかな、22）。２歳の娘・咲凜（えみり）ちゃんを連れての毎日のスケジュールは大忙しだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「練習に出るときは朝６時には起きて、娘が起きるまでの１時間くらいで仕事に出る夫と子どもの朝ごはんや洗濯など大急ぎで準備します。保育園に送ったあとは、10時半からゴルフ練習場に来て、お昼過ぎくらいまで打ち込みをして、そのあとは家でトレーニングをして、夕方の５時に娘のお迎えに行ってます」</span></p>
<p>もちろんゴルフ場へ練習ラウンドに出るときの朝はもっと早い。</p>
<p><span class="strongInContent">「ラウンドするときは朝７時くらいに予約を取っていて、夫と娘が寝ている間に家を出ます。そのときは夫が子どもの食事の準備と保育園に送ってくれていて、私はラウンドが終わってから、子どもを迎えに行ってます」</span></p>
<p>ゴルフコーチで夫の幸宏さんとも協力しながら、家庭とゴルフを両立する生活を送っているが、<span class="strongInContent">「昨年６月から娘が保育園に行くようになってからは、逆に練習時間がありすぎるんじゃないかってくらい（笑）。それまでは本当に余裕がなかった。練習場の打席の後ろに乳児用のベビーバスケットやベビーカーを置いて球を打っていました。起きたらあやして、また寝かしつけての繰り返しで、集中はできませんが、それが日常でしたからね」</span>と笑う。</p>
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<p>今では妊娠、出産を経てから、かえってゴルフがすごく楽しくなったという。</p>
<p><span class="strongInContent">「一歩引いて、周りが見えるようになった部分が多いのかな。練習に行ける喜びやゴルフができる楽しみができましたし、もっと集中して練習するようになりました」</span></p>
<p>神谷は19歳の時に結婚し、’21年９月に娘の咲凜（えみり）ちゃんを出産。昨年のプロテスト合格でツアー制度施行後では初の「ママさんルーキー」ということで注目され、表向きは聞こえがいい。ただ、プロゴルファーを目指していた10代の選手の急な妊娠・結婚となると、周囲はきっと驚いたはずだ。</p>
<p>そもそも、10代での出産と子育てとなれば、ゴルフの道を断念せざるを得ない可能性もあったのではないか。</p>
<p><span class="strongInContent">「子どもを授かったのを分かってから、一番強く思ったのは子育てをしっかりすること。その次にゴルフとどう向き合っていくべきかでした。夫とは出産後にどのようにしてゴルフに取り組んでいくべきかをたくさん話し合ったのですが、『子育てもゴルフも頑張ろう』って言ってくれました。両親に報告すると、『決めたことならサポートする』と言ってくれたので本当に嬉しかったです」</span></p>
<p>夫婦２人で出した答えとはいえ、<span class="strongInContent">「周囲の目、周りの声が怖くなることもあった」</span>という。</p>
<p><span class="strongInContent">「当時は夫が悪く言われたりもしましたし、子育てしながらプロゴルファーとしてやっていけるほど甘い世界じゃないと言う人もいました。お世話になっている人たちに報告しにいったときに、『応援するのをやめる』、『もう応援できない』と言われたこともありました」</span></p>
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<div data-friday-nextpage-lead="夫・幸宏さん、２歳の娘との一家団らん写真"></div>
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<figure id="attachment_360988" aria-describedby="caption-attachment-360988" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="cfe43a75"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/02/f0e9aec497bf55bb1bae65592c15be71-rotated.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-360988" class="wp-caption-text">ゴルフ場を離れて。夫・幸宏さん（左）、２歳の娘・咲凜（えみり）ちゃんの存在が、神谷のさらなる頑張りを後押しした</figcaption></figure>
<p>心無い声を聞いては、「何日も落ち込んだ」。それでも目の前にいる子どもを見ると沈んでばかりもいられなかった。</p>
<p><span class="strongInContent">「子どもってずっと明るいじゃないですか。そんな姿を見ていると元気ださなきゃって。それに一人の言葉に傷つくよりも、応援してくださる方の声をもっとたくさん聞いていかないといけないなって思いました」</span></p>
<p>だからこそ、プロテスト合格という結果で示すしかなかった。</p>
<p><span class="strongInContent">「逆にすべてひっくり返せるように頑張ろうとも思えたんです。それにも感謝ですし、今はおめでとうと言ってくれる人もたくさんいるので嬉しいです」</span></p>
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<p>インスタグラムには心無い言葉が来るのかと気にもなったが、あえて家族や子どもの写真を載せて、今の自分を発信するように心がけた。すると周囲の反響が想像とは違う方向に動いていくのを目の当たりにした。</p>
<p><span class="strongInContent">「応援してくれる人がたくさんいて驚きました。特に女性のファンが増えたんです。子育てしながらプロゴルファーとしての活動を応援してくれる人たちがたくさんメッセージをくれて、私の背中を押してくれています。すごく心強い。この前は、ゴルフ場で声をかけてくれた方が『うちの妻がすごく大ファンなんです』と言ってくれて、すごく嬉しかった」</span></p>
<p>性格を自己分析すると「こうと思ったら突き進んじゃうタイプで頑固」と大笑いしていたが、子育てとゴルフの両立についても<span class="strongInContent">「そもそも（両立）できないと思っていなかったというか、“できるもの”だと思っていました。だからすごいことをしているという感じはないんです。今はママさんゴルファーも増えていますし、会社勤めの女性でも仕事と家庭を立派に両立されている方はたくさんいますから」</span></p>
<p>女性の社会進出、そして職場での子育て支援も増えている時代。国内女子ツアーでも昨年から一部の試合で託児所が用意されたりもしているが、まだ十分とは言えない。</p>
<p><span class="strongInContent">「ゴルフももっといい環境になってほしいという思いはあります。自分にはやる自信がないからとか環境がないから諦めるとかはもったいないと思うんです。誰かと支え合っていけばできることはたくさんある。私のこうしたゴルフ生活も誰かの勇気につながるきっかけになればいいなと思っています」</span></p>
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<div data-friday-nextpage-lead="娘の面倒を見ながらスイングを続けた衝撃の練習風景"></div>
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<figure id="attachment_360989" aria-describedby="caption-attachment-360989" style="width: 1145px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9cf37e42"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/02/b718e4281183e85a2e5b945208ff0e70.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-360989" class="wp-caption-text">まだ生まれて間もない娘・咲凜（えみり）ちゃんを練習場に連れてスイングを続ける神谷</figcaption></figure>
<p>今季は４月から開幕する下部のステップ・アップ・ツアーが主戦場となるが、<span class="strongInContent">「まだツアーに一度も出たことがないので、足りない部分も分かって、たくさん壁にぶつかると思います。でもやるからには優勝を目指したい。いつかレギュラーツアーでも戦えるようにがんばりたい」</span>と意気込む。</p>
<p>そして日に日に新しいことができるようになる娘の成長が、毎日刺激になっているという。</p>
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<p><span class="strongInContent">「娘に『ここの段差に気を付けてね』って言うと、今までジャンプしていたのを止めたりするんです。でも『飛んでも大丈夫だよ』って伝えると、１回目は失敗しても、２回目でできたりする。そんな小さな成功体験や成長を見ていると、『あ、自分ももっと成長できるんだな』っていうのを勉強させられます」</span></p>
<p>ツアーが開幕すれば連戦続きで、困難にぶつかることもあれば、成績の良し悪しを厳しく判断されることもゴルフでは日常茶飯事だ。それでも神谷は持ち前の明るさとたくましさ、娘の成長、夫の支えを力に変え、“ママさんルーキー”の女子プロゴルファーとして生きる新たな道を切り開いていく。</p>
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<figure id="attachment_360992" aria-describedby="caption-attachment-360992" style="width: 1479px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f3fb71ea"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/02/446a4934ff3239d117978c03a19a2fe0.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-360992" class="wp-caption-text">２歳の愛娘とともにパターの練習に励む神谷</figcaption></figure>
<figure id="attachment_360993" aria-describedby="caption-attachment-360993" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="cfa49123"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/02/03317ef178bfee86d21cf96d4b3bad45.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-360993" class="wp-caption-text">「今はママさんゴルファーも増えていますし、会社勤めの女性でも仕事と家庭を立派に両立されている方はたくさんいますから」</figcaption></figure>
<figure id="attachment_360994" aria-describedby="caption-attachment-360994" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="fec16d5a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/02/cc9f268aece9adaa9e31edcc9084cedb.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-360994" class="wp-caption-text">「たくさん壁にぶつかると思います。でもやるからには優勝を目指したい」</figcaption></figure>


金明昱（キムミョンウ）

戸加里真司（１，５，６枚目）、神谷選手提供（２，３，４枚目）

昨年12月にプロテストに合格し、今季からツアーに挑む神谷和奏（22）は２歳の娘を育てるママさんルーキーとして注目を浴びる。しかしプロになるまでは必ずしもみんなが全面的に応援してくれたわけではなかった…

「応援するのをやめる」…心無い言葉を糧に女子プロゴルファーになった”ママさんルーキー”が描く夢

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