<figure id="attachment_362657" aria-describedby="caption-attachment-362657" style="width: 5568px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="a00e05d6"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/03/954863a9b496202bd0c9a5a2994fec7e.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-362657" class="wp-caption-text">丁寧に罠をしかける</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「野生動物が人里に出没して人を襲ったり農作物を食べてしまう被害は減りません。年間の農作物被害は150億円を超え、深刻な状況です」（全国紙社会部記者）</span></p>
<p>昨年末には全国の人里にクマが立て続けに現れ騒ぎになったが、野生動物が人の住む場所に出没するのはクマに限らない。</p>
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<p><span class="strongInContent"> 「千葉県のキョンが騒がれていますが、農作物を荒らすのはシカ、イノシシ、サルの３種類が定番です。東京都も例外ではなく、多摩の丘陵地帯に生息するイノシシが国立市や立川市の街中で確認されています。</span></p>
<p><span class="strongInContent">数年前には足立区の河川敷に体長１ｍほどのイノシシが現れ、川を泳いで北千住に逃走しました。人里に出てきた動物たちは畑の花や実を食べてしまうため農家にとっては天敵です。北海道、九州、関東の順で被害にあっています」（同前）</span></p>
<p>野生動物の出没が増えている一方でハンターの高齢化が進み、全国的に捕獲が追いついていない。そこで新たな担い手を育成しようとの試みが自治体で始まりつつある。千葉県がスタートした有害鳥獣捕獲協力隊もその一つだ。昨年秋に男女30人が選ばれ、実践的な訓練が行われる。１月と２月に行われた捕獲同行に密着した。</p>
<h2>捕獲箱の中身は空だったが……</h2>
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<p><span class="strongInContent">「捕獲箱の近くに落ちている丸くて米粒より少し大きいのがキョンのフンです」</span></p>
<p>講師役の男性がそう教えた。君津市の山中で行われたこの日の捕獲同行に参加した隊員３人はいずれも女性で、狩猟免許は取得したものの猟の経験がないペーパーハンターたち。</p>
<p>鹿の好物のアオキの葉が仕掛けられた捕獲箱の中身は空だったが、近くには獣の足跡とフンが落ちていた。</p>
<p><span class="strongInContent"> 「足跡もあり、キョンが捕獲箱の近くにまで来ていることが分かります。キョンは体が小さいので民家の庭などに簡単に隠れ、花などを食べてしまう。冬のキョンは昼でも活動しているので、今日遭遇するかもしれません」（同前）</span></p>
<p>数百ｍ離れた場所には一回り大きな捕獲箱。中には米ヌカが撒かれているが、イノシシとみられる動物がヌカを食べた形跡がある。イノシシはシカやキョンと違ってフラフラと匂いを嗅ぎながら進むので、地面の足跡を見つけにくいのが特徴だという。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="衝撃の生々しい解体現場"></div>
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<p>捕獲同行では解体実習も行う。罠にかかったキョンを解体する日もあるが、この日は空振りを見越して、あらかじめ仕留めたイノシシが用意されていた。皮と内臓を抜いた個体をまず講師の男性がナイフで捌いていく。スーッとナイフの刃が入る。４本足の動物は前脚の関節がなく肉でつながっているだけのため、刃を入れる場所が分かればサクサク切れるという。</p>
<p><span class="strongInContent"> 「ポイントは手足を外すことで、それができればきれいに解体できます。捕獲した獣は山の中に埋めることが多いのですが、最近は埋設がダメな場所がある。市町の処分場に持っていくためには小分けにする必要があるのです」（同前）</span></p>
<p>難所は後ろ脚だ。股関節が骨盤にはまっているため前脚のようにナイフが入らない。ももの付け根にあるボール状の骨を探し出し、外していくのがポイントになる。</p>
<p>講師に続いて参加者が体験するが、２人は経験者とあって関節にスムーズにナイフを入れていく。講師の男性によると<span class="strongInContent">、</span>関節の場所さえ分かれば５分でできるようになるという。</p>
<p>山の中の30ヵ所に捕獲箱やくくり罠が仕掛けられ、県から委託された捕獲業者は毎日見回りを行う。餌を変えたり、獲物がかかっていればその処理もしないといけない。動物ごとの特性を知らなければ捕獲効率も上がらず、簡単ではない作業だ。</p>
<p>参加者の一人、望月和子さんは、捕獲隊に参加した理由をこう話す。</p>
<p><span class="strongInContent"> 「夫の畑にイノシシがでてくることがあり、猟に興味を持ちました。いままで別の体験でシカやイノシシの解体をやったことがあります。狩猟の実践的に役立つ知識を知りたいし、ゆくゆくは食べられるものを捕ってみたい」</span></p>
<p>７万頭を超えるキョンが生息する千葉県ではイノシシ、サル、シカによる農作物被害も多く、その額は年間２億円を超える。有害鳥獣に悩まされる県では効果的な捕獲手法を検討中で、その支援を目的に昨年からふるさと納税の返礼品にキョンやシカの加工肉を追加したところ、全国から93人、128万円の納税が集まった。研修を終えて育った捕獲隊が捕まえた肉を捌いて返礼品にするという。</p>
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<div data-friday-nextpage-lead="「有害」動物の大捕獲現場「密着写真」"></div>
<figure id="attachment_362678" aria-describedby="caption-attachment-362678" style="width: 5568px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="261046fe"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/03/09ae7848b5f08346deb0abaff2099269.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-362678" class="wp-caption-text">関節の場所が分かれば５分で解体できるという</figcaption></figure>
<figure id="attachment_362679" aria-describedby="caption-attachment-362679" style="width: 5568px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="3c3756a7"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/03/f0a8cdbcadb5015009e553c2b10dfac8.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-362679" class="wp-caption-text">参加者が解体を体験</figcaption></figure>
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<figure id="attachment_362680" aria-describedby="caption-attachment-362680" style="width: 406px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8f5a5692"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/03/80ee42b8f63dd785e18e372e28a243b3.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-362680" class="wp-caption-text">夜間に捕獲箱のエサを食べに来たキョン（千葉県提供）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_362681" aria-describedby="caption-attachment-362681" style="width: 379px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="25e7221e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/03/f8a54c3880f8b14a49f03a84152b0b9d.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-362681" class="wp-caption-text">捕獲箱にかかったキョン（千葉県提供）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_362682" aria-describedby="caption-attachment-362682" style="width: 3712px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4c66ead7"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/03/ed1fa76137e1200964426e2cd1541968.jpeg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-362682" class="wp-caption-text">解体作業をした望月さん</figcaption></figure>
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形山昌由

外来生物キョンやイノシシ、シカ、サル……。農作物が荒らされるなど動物による被害が日本各地で続発している。千葉県はこうした「有害」生物の駆除に乗り出した。大捕獲作戦を密着撮！

千葉では７万頭のキョンが大量発生！年間150億円の農作被害「イノシシ、サル…大捕獲作戦」密着撮

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