ウェブマンガが初の大賞受賞 『彼方のアストラ』が支持された訳 | FRIDAYデジタル

ウェブマンガが初の大賞受賞 『彼方のアストラ』が支持された訳

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2019年の大賞には、篠原健太の『彼方のアストラ』が輝いた
2019年の大賞には、篠原健太の『彼方のアストラ』が輝いた

マンガ大賞2019の選考結果が3月19日に発表された。

本年の大賞に見事輝いたのは、篠原健太『彼方のアストラ』

同作は集英社のマンガアプリ及びウェブサイト「少年ジャンプ+(プラス)」で配信されていた作品で、ウェブマンガが大賞を受賞したのは今回が初めてとなる。宇宙への往来が当たり前となった近未来で、予想外の事態により宇宙空間を漂流することになった9人の少年少女たちを描く、SFサバイバル冒険譚だ。

『SKET DANCE(スケットダンス)』で知られる作者ならではのテンポの良いギャグや、思わず胸の熱くなる展開だけでなく、巧妙な伏線や大どんでん返しが連載当時からネット上で大きな話題となっていた同作品は、全5巻と短いながらも「大傑作」の呼び声が高く、TVアニメ化も決定している。
今回の大賞受賞は、マンガ好きにも納得の結果だったのではないだろうか。

2位に輝いた『ミステリと言う勿(なか)れ』は、『BASARA』『7SEEDS』で知られる田村由美による新感覚の推理漫画。

「犯人は誰か?」というフーダニットの面白さは勿論なのだが、ほんわかした雰囲気なのにクセのある主人公・久能整(くのうととのう)がとにかくよく喋る。その止まらないうんちく語りを聞いているうち、人間の複雑な心理がまるで玉ねぎを剥くように少しずつ、静かに明らかになっていく展開に、ページをめくる手が止まらなくなる。久能自身にもいろいろな謎がありそうだし、今最も続きが気になるマンガと言えるだろう。

3位となったのは、美大受験に挑む高校生の青春を、渾身の筆致で描く『ブルーピリオド』

美大出身の作者・山口つばさが圧倒的な熱量をこめて描く本作は、絵を描いたことのない人間でも心が震えるほど熱いストーリーが展開される。実質倍率200倍と言われる超難関美術大学合格を目指し努力に努力を重ねる主人公の姿は、今「好きなこと」に向かって頑張っている人にも、かつて頑張っていた人にも、そしてそういうものにこれまで出会ったことの無い人にだって、心に刺さるものがあるのではないだろうか。多くの人に読んでほしい作品だ。

マンガ大賞2019 最終結果(カッコ内は選考時の獲得ポイント)
大賞:『彼方のアストラ』篠原健太(94ポイント)
2位:『ミステリと言う勿れ』田村由美(78ポイント)
3位『ブルーピリオド』山口つばさ(73ポイント)
4位『違国日記』ヤマシタトモコ(45ポイント)
5位『サザンと彗星の少女』赤瀬由里子(41ポイント)
6位『北北西に曇と往け』入江亜季(40ポイント)
7位『金剛寺さんは面倒臭い』とよ田みのる(39ポイント)
8位『メタモルフォーゼの縁側』鶴谷香央理(38ポイント)
9位『ハクメイとミコチ』樫木祐人(33ポイント)
10位『凪のお暇』コナリミサト(25ポイント)
11位『ダンジョン飯』九井諒子(23ポイント)
12位『ゴールデンゴールド』堀尾省太(22ポイント)
13位『1122』渡辺ペコ(19ポイント)
(敬称略)

「面白いと思ったマンガを、その時、誰かに薦めたい!」という気持ちから始まった同賞は、書店員を中心としたさまざまなマンガ好きの有志によって運営されており、今年の「マンガ大賞2019」で12回目を迎えた。「このマンガがすごい!」と並んで知名度も高く、過去の同賞受賞作やノミネート作には、『海街diary』、『ゴールデンカムイ』、『響~小説家になる方法~』など、実写化やアニメ化された話題作がずらりと並んでいる。

今回の受賞作&ノミネート作も、今後さらに注目を集めるのは間違いない。

FRIDAYデジタルでは、マンガ大賞2019の最終選考に進んだ『ブルーピリオド』、『ゴールデンゴールド』、『1122(いいふうふ)』の3作品を現在一部無料公開している。是非、この機会にチェックしてみてほしい。

『ブルーピリオド』1話試し読みはコチラ

『ゴールデンゴールド』1話試し読みはコチラ

『1122(いいふうふ)』1話試し読みはコチラ

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