1987年生まれ。スポーツや経済、事件、海外情勢などを幅広く取材。著書に『コロナ禍を生き抜く タクシー業界サバイバル』。『甲子園を目指せ！ 進学校野球部の飽くなき挑戦』など、構成本も多数

栗田 シメイ

<figure id="attachment_377773" aria-describedby="caption-attachment-377773" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e73300ff"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/06/e62a020bf42287432cbff7a8283263c8.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-377773" class="wp-caption-text">配車場所にレクサスで現れた高野さん。ドライバーになるためには、適性検査や研修を受けることが必須だ</figcaption></figure>
<p>タクシー不足の解消を目的に東京など一部地域で、「日本型ライドシェア」が解禁されて２ヵ月が経った。</p>
<p>米国などのライドシェアドライバーが個人事業主であるのに対し、「日本型」はタクシー会社が運行管理するパートタイマー的なドライバー。当初はほとんど車両が捕まらなかったが、ようやく街中で少しずつ見かけるようになってきた。</p>
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<p>そこで、国内で唯一ライドシェアの車両を選んで呼べる「Uber」アプリを利用し、実際に乗ってみた。</p>
<p>江東区の某駅付近でマッチングすると、レクサスのSUVが３分ほどで現れた。運転手はスポーツクラブの経営者である高野さん（仮名・30代）。少し緊張した面様で車を走らせはじめた。</p>
<p><span class="strongInContent">「今まで乗せたお客さん全員が外国の方で、実は日本人を乗せるのは初めてなんです。一回の平均売り上げは１万２０００円ほど。経費を引くと時給は２５００円程度でしょうか。週３勤務で、月収は６万〜７万円くらいです」</span></p>
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<div data-friday-nextpage-lead="なぜ、ライドシェアで働きはじめたのか"></div>
<p>ライドシェアを提供する事業者に取材すると、ほぼ共通していたのが、「高級車が多い」ということだ。ベンツやBMW、ポルシェも珍しくないという。車両や労働条件の制限から、自営業者や経営者がドライバーを務める比率が高いためだろう。なぜ、高野さんはライドシェアで働きはじめたのか。</p>
<p><span class="strongInContent">「私の場合、仕事が夕方からで、朝の３時間を有効活用したいと思ったのがキッカケです。短時間で稼げて刺激がある副業を探している中で見つけました」</span></p>
<p>だが、今後も続けるかは未定だという。</p>
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<p><span class="strongInContent">「車の維持費と売り上げを考えると、正直『思っていたよりも渋い』という感覚なので要検討ですね」</span></p>
<p>タクシードライバーたちとはまた一味違う会話とレクサスの乗り心地を堪能しつつ、15㎞ほど先の目的地に到着。料金は約７０００円と、タクシーと同じ水準だった。</p>
<p>目新しさを感じる一方で、課題もある。ロイヤルリムジン社の顧問で、ライドシェアの規制改革推進会議にも出席する堀江一生氏（60）が問題提起する。</p>
<p><span class="strongInContent">「パートタイム型の雇用では、人材獲得に限界がある。乗務員の働く幅が広がる業務委託型を認めない限り、国内ではなかなか浸透しないでしょう」</span></p>
<p>ライドシェアの真価が問われるのは、まだまだ先となりそうだ。</p>
<figure id="attachment_377774" aria-describedby="caption-attachment-377774" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="cefa6456"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/06/b453ebad59931b2c05789f6d80220f85.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-377774" class="wp-caption-text">高野さんは朝に絞って運転しており、「酔っ払い客が少なく安心です」と語る</figcaption></figure>
<p>『FRIDAY』2024年6月28日号より</p>
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栗田シメイ（ノンフィクションライター）

タクシー不足の解消を目的に東京など一部地域で解禁された「日本型ライドシェア」。サービス開始から2ヶ月、アプリを利用し乗ってみると…レクサスで配車場所に現れたドライバーに話を聞いた。

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