<figure id="attachment_378665" aria-describedby="caption-attachment-378665" style="width: 1920px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1dd95a8c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/06/5f3b980f0213c331c10559468a556d31.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-378665" class="wp-caption-text">テリー・ボガートを象徴する技のひとつ「バスターウルフ」。皆がこだわりをもつ大好きな技だけに、その演出も、ブラッシュアップが繰り返されているとのこと</figcaption></figure>
’90年代に社会的ブームとなった「対戦格闘ゲーム」が令和の今、再び世界各地で熱い盛り上がりを見せている。昨年、長く幅広い層に人気のあるシリーズ『ストリートファイター』シリーズ（カプコン）、『鉄拳』シリーズ（バンダイナムコエンターテインメント）の新作が発売されて大きなヒットとなり、ストリーマーの配信で若い層を取り込んで広がっているのだ。
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さらに近年注目される「eスポーツ」においては、この夏にサウジアラビアで開催される世界大会が賞金総額6000万ドル超（約92億円）という規模で開催され、その予選が行われている今、シーンは加熱していくばかりだ。
そんな中、格闘ゲームメーカーの雄であるSNKが、今でも根強い人気を持つ『餓狼伝説』シリーズの新作を26年の時を経て復活させることとなった。由緒あるレガシーを持ちながら、現代の対戦格闘ゲームカルチャーを牽引し続けているSNKの、製作全体をチーフとして統括している第一ソフトウェア開発事業部プロデューサー小田泰之氏に“格ゲー最前線”を解説してもらった。
<h2>26年の時を超えて「伏線回収」</h2>
――『餓狼伝説』シリーズとは、どのような歴史を持つゲームなのでしょうか。
「第１作の発売年が1991年。’90年代に対戦格闘ゲームブームがあり、その中でブームの火付け役である『ストリートファイター』シリーズに対抗しうるIPのひとつが『餓狼伝説』シリーズーーというのが、当時のゲームセンターでの雰囲気だったと思います。ゲームセンターだけでなく、家庭用ゲーム、アニメ、また他社さまのゲームへのゲスト出演などで『餓狼伝説』の世界は広がっていきました。そして、シリーズ前作『餓狼-MARK OF THE WOLVES-』（以下、MotW）が1999年に発売され、さらにその続編『餓狼伝説 City of the Wolves』（以下、CotW）が、’25年初頭発売予定として開発を進めています」
<figure id="attachment_378668" aria-describedby="caption-attachment-378668" style="width: 715px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ae435cf2"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/06/9a11768d2c2eea7c331011b06a7d4eb2.png" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-378668" class="wp-caption-text">前作『MotW』の主人公、ロック・ハワード（左）と、多くの作品で主人公を努めてきたテリー・ボガード（右）。テリーは、最近では任天堂の『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』、’24年秋にはカプコンの『ストリートファイター６』への参戦が決まっている</figcaption></figure>
――なぜ前作から26年も間が空いたのでしょうか。
「『餓狼伝説』の新作を、という要望は、日本のみならず、アメリカやメキシコ、ヨーロッパ各国からもたくさんいただいていて、やろうとは思っていたんです。実はもう何度も何度も〝やりたいですね〟と言い続けてきたのですが、会社の形が変わったり、スタッフの変遷があったりするなかで、『THE KING OF FIGHTERS（以下、KOF）』や『サムライスピリッツ』（以下、サムスピ）などの人気シリーズの最新作を作ることができた。それで今回、ようやく順番が回ってきた、という形です。前作の『MotW』では回収できないままになっていたストーリー面での伏線は今回、しっかり区切りをつけます」
――今作はどんなキャラクターが参加を？
「『MotW』の続編ですので、前作での登場キャラはもちろん、まったくの新キャラ、また〝おっ？〟と思ってもらえる、サプライズとなるキャラもいます。発売後の追加ダウンロードコンテンツとしての登場も予定しているので、期待していてください」
<figure id="attachment_378671" aria-describedby="caption-attachment-378671" style="width: 1920px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ea275572"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/06/135007e7085979a7d5b41ce54c0e54d7.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-378671" class="wp-caption-text">SNKの格ゲーといえば、魅力的な女性キャラクターたちだ。左は根強い人気を誇る「ほたる」、右はムエタイ使いの新キャラ「プリチャ」。かわいさで使用キャラを選ぶのももちろんアリ、いやむしろキャラ愛こそ、そのゲームをプレイする理由であろう</figcaption></figure>
――キャラの選定やキャラの製作などはどうやって行っているんですか？
「『CotW』に限らないのですが、ドラマの立ち位置と遊びの２パターンを考えています。物語の中のキャラクターの個性から技を考えていく、というのが一つ。ゲームとしてデカいキャラがほしいならば投げ技を得意にしようかーーと遊びから考えるのがもう一つ。『CotW』の特徴は、ドラマの立ち位置から生まれたキャラクターの割合が多いこと。それがこのシリーズの特色であり、ユーザーの皆さんに長く愛してもらえている部分なのかなと思います」
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――今作のコンセプトを一言でいうと？
「ウチでいうと、チーム戦で戦う『KOF』のイメージが強いところがあると思いますが、それとは異なる、１対１の対戦格闘ゲームの決定版、というところですね。システムも奥深くかつ、プレイヤーそれぞれのスタイルで遊べるものとなっています。〝スマートスタイル〟という、初心者でも遊びやすい操作システムも搭載されています。また、対戦格闘ゲーム慣れしていない方にもカジュアルに遊んでいただけるよう、また１人でも楽しんでいただけるよう、さまざまなコンテンツを入れています」
<div data-friday-nextpage-lead="eスポーツの世界にも全力集中"></div>
<figure id="attachment_378669" aria-describedby="caption-attachment-378669" style="width: 3936px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e6612c17"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/06/3fb5ed13afe8714a7e5d13ee506003dd.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-378669" class="wp-caption-text">小田氏はシリーズ３作目の『餓狼伝説SPECIAL』から参加し、前作『餓狼-MARK OF THE WOLVES-』ではディレクターを担当、同氏にとっても『餓狼伝説』は思い入れが深いシリーズだそう</figcaption></figure>
――逆に、競技的なeスポーツへの取り組みの計画はあるのでしょうか。
「過去２回〝SNKワールドチャンピオンシップ〟という大きな大会を開催しており、来年は『CotW』を種目として加えられたらと考えております。他にも今のeスポーツ界は大会の数が増えていますので、各大会に積極的に参加して、大会運営面でも、賞金面でも、eスポーツを最大限に盛り上げていこうと考えておりますので期待してください。新作ですのでスタートラインがみんな同じですから、誰にでも同じだけチャンスがある、といえるのではないでしょうか」
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――先日、人気キャラクターのテリー・ボガードを象徴する超必殺技〝バスターウルフ〟の技動画が発表された時、オールドファンから「これじゃない！」「前とは演出が違う！」という声があがるという騒動がありました。
「あれですか……（笑）。僕も『今、この動画を出したら荒れるな』とは思ったのですが、やっぱり荒れてしまいました。申し訳ありません！　今はしっかりと修正を行っています。バスターウルフの演出だけでなく、全体のブラッシュアップを常に行っています。そこもご期待ください」
――現在はどれくらいの完成度ですか？
「進捗率が何%とはいえないのですが、順調に進んでいます！（笑）。対戦格闘ゲームというと、少し難しいイメージがあるかもしれないですけど、かっこいいヤツ、個性的なやつ、綺麗な子、かわいい子が、活躍する、わかりやすいゲームですので、ぜひ遊んでいただけたらと。
他にもSNKは人気シリーズがあります。『龍虎の拳』シリーズ、『サムスピ』シリーズといった作品を展開し、そういった各シリーズから、キャラクターたちが集大成として『KOF』に集結する、という風にやっていきたいですね。昔のように１年で何本もタイトルを出せるわけではないので、長くお付き合いをお願いします。今後、ネットでもイベントでも、次々情報を出していきます。公式サイトやSNSをちょくちょくチェックしてもらえたら幸いです」
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来年初頭、新しい対戦格闘ゲームのビッグタイトルが動き始める。ジャンルのファンはもちろん注目済みであろうが、今から対戦格闘ゲームをはじめたい、eスポーツの世界で脚光を浴びたいという方には、大きなチャンスとなるのではなかろうか。これからに注目だ。
<figure id="attachment_378670" aria-describedby="caption-attachment-378670" style="width: 3840px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7da5e7b5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/06/e4bde0eb46b8f32ef4b4207f5344b4d4.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-378670" class="wp-caption-text">eスポーツ大会「SNKワールドチャンピオンシップ2023」中の一幕。世界最強を決めるためのトッププレイヤーと、その戦いを見届けるため、世界中からファンが集った。コスプレイヤーの多さもSNKゲームの特色だ</figcaption></figure>

くるす・みゆう　フリーライター。人文、社会問題、サブカルチャーなどを主な守備範囲とし、雑誌・新聞・ネット等、メディアを問わず、記事の取材・執筆を中心に活躍。著書多数。

来栖美憂

株式会社SNK　第一ソフトウェア開発事業部 事業部長。 
1993年にSNK入社。『餓狼伝説』や『龍虎の拳』シリーズなど様々な格闘ゲームの開発に携わる。その後、2014年より大阪本社 開発スタジオのプロデューサーとして、『KOF XIV』、『SAMURAI SPIRITS』、『KOF XV』、そして2025年発売の『餓狼伝説 City of the Wolves』など、SNK格闘ゲームのプロジェクトを統括。趣味は釣りと謎解きゲーム。

小田泰之

格ゲーブーム再び！！　話題の「ストリートファイター６」に続き、あの「餓狼伝説」シリーズが26年の時を経て復活する！　いきさつと開発秘話をＳＮＫプロデューサーに直撃した

26年ぶりに復活する人気格闘ゲーム『餓狼伝説』新作の制作秘話をSNKプロデューサーが激白！

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