マネーコンサルタント　(株)Money＆You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に起業。ニュースメディア「Mocha（モカ）」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA＆iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)など書籍90冊、累計160万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X（旧Twitter）→@yorifujitaiki

頼藤 太希

<p>’24年から生まれ変わった【新NISA】は配当金、分配金、売却益（譲渡益）といった運用益にかかる税金が一生涯ゼロになる制度です。“一生涯”、運用益非課税で投資・運用できることで、人気が集まっているのが「高配当株」です。</p>
<p>新NISAを通じて、債券ファンド、債券ETF、REIT、REITファンド、REIT ETFに投資すれば定期的に分配金というキャッシュフローが受け取れますが、値上がり益も狙いつつ定期的にキャッシュフローを受け取るなら、高配当株がベターです。</p>
<p>’24年から開始の「新NISA」を利用して投資を始めた人も多いでしょう。</p>
<p>上半期は順調に相場が上昇してきましたが、’24年８月にはじめての大暴落を経験しました。日銀の追加利上げに伴う円高加速に加えて、米国景気が後退する可能性が懸念されたのがその要因です。</p>
<p>しかし、こんな下落相場でも、優良な高配当株は安定的に配当を出す傾向があるので、値下がり局面になると投資家からの需要が大きくなります。相場全体の下落に強く、また下落から一足早く抜け出す傾向にあります。</p>
<p>今回は、高配当株に１本で手軽に分散投資ができる「日本高配当株ファンド」を徹底比較していきます。</p>
<figure id="attachment_386392" aria-describedby="caption-attachment-386392" style="width: 640px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="54f945e1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/3da011b6972e99f7cbbe0b4db7ea1b96.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-386392" class="wp-caption-text">高配当株に１本で手軽に分散投資ができる「日本高配当株ファンド」</figcaption></figure>
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<h3><span class="strongInContent">配当金はどうやったらもらえる？</span></h3>
<p>配当金は１株からでも受け取ることができ、保有株式数に応じて分配されます。</p>
<p>株主が配当金を受け取るには、特定の日付まで保有しておかなければなりません。これを「権利付き最終日」といい、その日に株を持ってさえいれば配当金や株主優待がもらえます。配当金が実際にもらえるのは、この権利付き最終日の２日後の「権利確定日」から約２～３ヵ月後となり、このタイミングで現金として引き出すことが可能になります。</p>
<figure id="attachment_386397" aria-describedby="caption-attachment-386397" style="width: 693px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="20eb590f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/5692c004392dccb549e36284d64a4246-2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-386397" class="wp-caption-text">著書『マンガと図解 50歳からの「新NISA×高配当株投資」』（KADOKAWA）より抜粋</figcaption></figure>
<p>権利付き最終日の翌日を「権利落ち日」といいます。この日以降、株は売ってしまっても配当金をもらえます。</p>
<p>実際、権利落ち日は投資家が株を売る傾向が高いため、株価が下がりやすくなっています。逆に、権利付き最終日に向けて、投資家が株を買う傾向が高くなるため、株価は上がりやすいのが一般的です。</p>
<h3><span class="strongInContent">そもそも高配当株って何？</span></h3>
<p>高配当株とは、配当利回りの高い株のことを指します。配当利回りは、現時点の株価に対して年間でどのくらい配当金を受け取れるかを示す指標。「年間予想配当金÷株価×100」という式で算出できます。</p>
<p>配当利回りは３%を超えると「高配当」といわれます。</p>
<p>ちなみに、日本株の配当利回りの平均は次のとおりです。</p>
<figure id="attachment_386398" aria-describedby="caption-attachment-386398" style="width: 749px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="24a9da00"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/48dc6d1da52d4fa5a5069fad7e8389e3-2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-386398" class="wp-caption-text">（株）Money&amp;You作成</figcaption></figure>
<p>日経平均株価に組み込まれている銘柄の平均予想配当利回りは1.91％、プライム全銘柄とスタンダード全銘柄の平均予想配当利回りは2.35％ほどです。配当利回りが３%を超えれば高配当といわれるのも納得の水準でしょう。</p>
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<h3><span class="strongInContent">配当利回りの高さだけで飛びつくのは危険！</span></h3>
<p>ただし、利回りの高さだけで飛びつくのはNGです。</p>
<p>配当利回りの計算式は「年間予想配当金÷株価×100」でした。つまり、株価が下がって配当利回りが高くなっている、不人気な銘柄や業績の悪化した銘柄が入っている可能性があるということです。</p>
<p>業績・財務が悪化すれば、増配できなくなるだけでなく、高配当を維持できずに「減配」や、最悪「無配」となる可能性もあります。そうなれば、さらに株価は下がり、悲惨な状況に陥ります。</p>
<p>配当利回りだけ見て高配当株に飛びつくと、資産を減らしてしまいかねません。</p>
<p>業績は好調なのか、財務は健全なのかのチェックは必須です。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="高配当株をサクッと選ぶ３つのポイントとは？"></div>
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<h3><span class="strongInContent">優良の高配当株をサクッと選ぶ３つのポイント</span></h3>
<p>日本の株式市場には約4000社が上場しています。</p>
<p>その中から、今後も安定して高配当を出せる、優良な高配当株を選ぶわけですが、あまり時間をかけたくない方は次の３つのポイントで探すのがおすすめです。</p>
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<p><span class="strongInContent">①配当利回りは「２％以上」で絞る</span></p>
<p>配当利回り「３％以上」を条件に検索すると、３％に近い“優良”の銘柄が見つけられなくなってしまいます。株は人気が集まると株価が高くなり、その結果配当利回りが低くなる仕組みですから、スクリーニングタイミングによっては、優良の高配当銘柄を見逃すことになります。</p>
<p>よって、配当利回りは「２％以上」でフィルタリングし、そのなかから優良銘柄を探しましょう。なお、配当利回りはあくまで最初のフィルターとして使うだけで、他のポイントを重視していきます。</p>
<p><span class="strongInContent">②「連続増配」または「現状維持」の銘柄で絞る</span></p>
<p>増配とは、１株あたりの配当金が前期よりも増えること。配当金は、業績がよければ増え、悪ければ減る傾向です。ただし、増配しているからといって必ずしも業績が良いということではありません。とはいえ、少なくとも長期にわたって毎年増配している銘柄は、企業の業績が右肩上がりで成長している可能性が高いということは言えるでしょう。</p>
<p>また、増配はしていなくとも、高い配当金が現状維持できている銘柄は、安定した業績・経営が続いているといえます。配当金が「連続増配」または「現状維持」を条件に探すと、有望な銘柄を見つけやすくなります。</p>
<p><span class="strongInContent">③配当性向は30〜50％が目安</span></p>
<p>企業の最終的な利益である純利益のうち、どの程度の割合で配当金が分配されたのかを示した指標が「配当性向」です。株主に出す配当金の総額を当期純利益で割って算出できます。</p>
<p>例えば配当性向が30%だった場合、純利益の30%が配当金として株主に配分されているということです。配当性向が低いと配当に回される資金が少なく、もらえる配当金が少なくなるわけですが、そうした企業は将来を見越して剰余金を貯めている可能性があります。</p>
<p>一方で、配当性向が70〜90%という水準になると、会社の成長にお金を回すよりも、利益の多くを配当金に回していることになり、事業の持続性や成長性に不安が残ります。配当性向は業界によって平均値に差がありますが、おおむね30～50%くらいを目安にしておくとよいでしょう。</p>
<p>値上がり益を狙わず、安定的に高配当をもらい続けるという運用戦略ならば、業績や株価が安定している、不況に強い業種の銘柄を選びましょう。</p>
<p>不況に強い業種には、食品、医薬品、電力・ガス、鉄道、通信などが該当します。</p>
<h3><span class="strongInContent">新NISA対象の高配当株ファンドは36本</span></h3>
<p>好業績で財務に問題のない高配当株を、10銘柄から20銘柄選んで投資する、とひとことでいえば簡単そうですが、実際選ぶのは大変ですよね。</p>
<p>そこで利用したいのが、高配当株へ数十銘柄投資している「高配当株ファンド」。１本買うだけで手軽に分散投資ができます。「高配当株ETF」という選択もありますが、投資信託（ファンド）だと、100円以上１円単位で、毎月積み立てしやすいのが便利です。</p>
<p>投資信託協会のリストによれば、新NISA対象の高配当株ファンドは７月29日時点で36銘柄あります。</p>
<figure id="attachment_386399" aria-describedby="caption-attachment-386399" style="width: 1008px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="037c78f4"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/361f083dd0d8afc36abc9dade86b7179-2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-386399" class="wp-caption-text">投資信託協会の対象商品リストより（株）Money&amp;You作成</figcaption></figure>
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<figure id="attachment_386400" aria-describedby="caption-attachment-386400" style="width: 997px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="98033037"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/c3d089cc9b6fd66dedde605defabd8c6-1.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-386400" class="wp-caption-text">投資信託協会の対象商品リストより（株）Money&amp;You作成</figcaption></figure>
<p>本稿執筆時点で、つみたて投資枠で投資できるのは「日経平均高配当利回り株ファンド」の１本だけです。成長投資枠のみで投資可能なファンドは、信託報酬が安い順で並び替えています。</p>
<p>有料版<span class="strongInContent">【FRIDAYサブスク】</span>では新NISA対象の高配当株ファンド36本の中から、頼藤さんが厳選した６本の実名銘柄と詳しい解説、比較を公開しています。</p>
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<p><a href="https://friday.gold/article/266219" target="_blank" rel="noopener">【FRIDAYサブスク】<span class="strongInContent">『【実名銘柄公開！】新NISAで投資可能な「日本高配当ファンド」をお金のプロが徹底比較』</span>はコチラ</a></p>
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マネーコンサルタント　(株)Money＆You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に起業。ニュースメディア「Mocha（モカ）」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「１日５分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA＆iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)など書籍90冊、累計160万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X（旧Twitter）→@yorifujitaiki

値上がり益も狙いつつ定期的にキャッシュフローを受け取れる「高配当株」。NISAでは、"一生涯"、運用益非課税で投資・運用できます。今回は、１本で手軽に分散投資ができる「日本高配当株ファンド」をご紹介。

下落相場でこそ実力を発揮…【新NISA】で投資可能な「日本高配当ファンド」をお金のプロが厳選！

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