<figure id="attachment_42199" aria-describedby="caption-attachment-42199" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f84710c2"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/04/d47094deb01c032a2c9b3917bb238b9e.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-42199" class="wp-caption-text">先頭を歩くスーツ姿の男性が、内堀和也六代目稲川会会長。写真左奥に並んでいるのは、警備する警察官だ</figcaption></figure>
４月７日、神奈川県横浜市にある「稲川会館」で、関東の一大暴力団組織・稲川会の「継承盃の儀式」が執り行われた。東京・六本木に本部を置く稲川会は、構成員数2200人を誇る、六代目山口組、住吉会に次ぐ巨大組織。全国から稲川会の総長54名や幹部たちが駆けつけ、参列者は総勢200名以上となった。会場敷地には、警察用のテントも設けられ、警視庁や神奈川県警などの警察官ら約50人も警備にあたった。
この日をもって、９年間会長を務めた清田次郎が総裁に就任。理事長だった内堀和也三代目山川一家総長(67)が跡目を継いだ。
「『お上があって自分たちがある』というのが、昔からの稲川会の考え方。４月７日に就任式を行ったのも、その伝統が関係しています。４月末には今上天皇が退位し、５月には皇太子様が新天皇に即位される。『我々任侠がそんな国家の行事に迷惑をかけちゃイカン』という考えもあり、４月の頭に行ったわけです」（稲川会関係者）
グレーのスーツに身を包んだ内堀六代目会長は、時折笑顔を見せながら、参列者に挨拶をしていた。「心境を教えてください」と声をかけた本誌記者にも、「晴れやか！」と肩を叩きながら歯を見せて答えるなど、その物腰はまるでエリートサラリーマンのように柔らかかった。
「内堀さんは10年ほど前に稲川会の本流といえる山川一家の三代目総長に就任。そのときから、内堀さんがトップになるのは既定路線でした。出身は山川一家の本部がある神奈川県川崎市です。極道社会に入ったのは遅く、20代の中頃と聞いています。ヤクザになる前は、銀行員だったとか喫茶店のオーナーだったとか、さまざまな憶測が流れていますが、本人が多くを語らないので不明です。
抗争で華々しく名前を売ったというよりは、地道に階段を上ってきた人。よく言われる&#8221;経済ヤクザ&#8221;&#8221;武闘派&#8221;、どちらの要素もありますが、ぴったりとは当てはまらない。あえて言えば、&#8221;バランス型&#8221;という感じでしょうか。組織を束ねる能力や他組織との外交が得意で、若い衆からの支持も厚い」（同前）
稲川会といえば、山口組とも関係が深いことで知られている。田岡一雄三代目山口組組長と稲川聖城初代会長、渡辺芳則五代目山口組組長と稲川裕紘三代目会長といったように、親分同士が強固な関係で結ばれてきた。’15年８月に山口組が分裂した際には、稲川会は司忍(つかさしのぶ)率いる六代目山口組を支持している。
「’06年には内堀さんも、六代目山口組の竹内照明若頭補佐と兄弟盃を交わしています。当時、内堀さんは二代目山川一家の若頭で、竹内若頭補佐は山口組の中核組織・弘道会の若頭でした。内堀さんは’15年８月の山口組分裂直後、単身で弘道会本部に駆けつけている。それほど関係は深い。内堀さんがトップになったことで、六代目山口組との関係はますます強固になるはずです」（同前）
ただ、六代目山口組との友好関係が強固になればなるほど、暴力団抗争に巻き込まれていかざるを得なくなるとの見方もある。
暴力団情勢に詳しいジャーナリストの森功氏が語る。
「’10年に恐喝事件で逮捕された髙山清司若頭が９月に出所する予定です。髙山は七代目山口組組長に就任する可能性が高く、３つに分裂している山口組の再編に動き出すことも十分にあり得る。そうなれば、現在の膠着状態から、再び抗争が勃発することも考えられます。陣頭指揮を取るのは、髙山の『子分中の子分』と言われる竹内でしょう。内堀は竹内の兄弟分ですから、完全に静観してはいられなくなるかもしれません」 
令和元年は、ヤクザ業界が大きく動く年になるかもしれない。
<figure id="attachment_42200" aria-describedby="caption-attachment-42200" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5983d357"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/04/d46ff318ae339e280e80a4715d35a0d3.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-42200" class="wp-caption-text">「継承盃の儀式」の翌日、東京・六本木にある稲川会総本部ビルにお祝いに訪ねた住吉会の関功会長（中央）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_42201" aria-describedby="caption-attachment-42201" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="06c7ffde"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/04/c82dfad8bec05e8c2d112544901e0d6d.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-42201" class="wp-caption-text">福岡県久留米市に本部を置く道仁会の小林哲治会長。見送りに出てきた内堀会長は深々と頭を下げていた</figcaption></figure>
<figure id="attachment_42202" aria-describedby="caption-attachment-42202" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="08dd5951"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/04/441b75bda1865e5cbefcf30ded27d3f2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-42202" class="wp-caption-text">竹内照明六代目山口組若頭補佐。内堀会長とは兄弟分の盃を交わしており、&#8221;次世代のリーダー&#8221;とも噂される</figcaption></figure>
<figure id="attachment_42203" aria-describedby="caption-attachment-42203" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="734cfbf2"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/04/2f2f5da3de17aa0001737c55215fa605.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-42203" class="wp-caption-text">跡目を継いだ内堀会長（中央）は、「継承盃の儀式」の後、稲川会の54名の総長と、「親子盃」を交わした</figcaption></figure>
<figure id="attachment_42204" aria-describedby="caption-attachment-42204" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e7d86702"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/04/86cd53892498a250e54ffd9ebd7bd8ef.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-42204" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　内堀和也六代目稲川会会長 　トップの交代で新時代到来か　稲川会六代目の就任式を潜入撮</figcaption></figure>
<figure id="attachment_42205" aria-describedby="caption-attachment-42205" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="b7a85735"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/04/c9930e6761b23da33ffd5ce3273fb21b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-42205" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　内堀和也六代目稲川会会長 　トップの交代で新時代到来か　稲川会六代目の就任式を潜入撮</figcaption></figure>
『FRIDAY』2019年４月26日号より

田中俊勝

４月７日、神奈川県横浜市にある「稲川会館」で、関東の一大暴力団組織・稲川会の「継承盃の儀式」が執り行われた。９年間会長を務めた清田次郎が総裁に就任。理事長だった内堀和也三代目山川一家総長が跡目を継いだ

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