『水曜日のダウンタウン』 攻めてるのにスポンサーが絶えない理由

連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television

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『水曜日のダウンタウン』の企画「モンスターハウス」ではクロちゃん(右)のゲス口説きが話題に

5月8日に放送された『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の企画、『新元号を当てるまで脱出できない生活』がネットで『神回』と絶賛され、SNSのトレンドランキングで関連ワードが1&2位を独占した。

同企画に挑戦したのは、’16年に『キングオブコント』でファイナリストとなったお笑いコンビ『ななまがり』。スケジュールに余裕があり、二人とも大卒のため、漢字に関する知識がありそう……というのが起用された理由だ。5月8日の回は『新元号~』だけで丸々1時間放送されたが、これは番組史上初の試みだった。

「『水曜日のダウンタウン』は、現在最もチャレンジングな番組ですね。昨年、お笑いコンビ『コロコロチキチキペッパーズ』のナダルを番組スタッフが駅前で拉致したところ、本物の誘拐と勘違いされて警察沙汰になったことがありました。それ以来、拉致するスタッフは『只今、撮影中で迷惑をおかけいたします』なんて書かれたフリップを持ち歩くようになりました」(バラエティ番組スタッフ)

同番組では『水戸なら今でも印籠の効果あるんじゃないか説』という企画が水戸市から訂正を求められ、BPO(放送倫理・番組向上機構)に意見書が提出されている。昨年暮れには、『安田大サーカス』のクロちゃんを遊園地に監禁&一般公開するという企画を生放送。視聴者が遊園地に殺到し、大渋滞&騒音問題で再び警察が出動する事態となっている。

コンプライアンスが厳しくなる昨今、これだけトラブルを起こせば即、打ち切り――となりそうなものだが、『水曜日のダウンタウン』は「打ち切りどころか『スポンサーになりたい』と希望する会社が後を絶たない」と広告代理店関係者は語る。

「『水曜日のダウンタウン』のスポンサー企業の商品がよく売れているんですよ。CM効果がかなり高いので『警察沙汰だけ回避してもらえたら、攻めた企画も問題ない』と理解を得られているのです」

CM効果の中で、とりわけ最近、注目されているのが「視聴者層」だ。視聴者数と視聴世代のデータを集めているAbemaTVなどのネットTVは、とくに「視聴者層」を意識しているという。

「一番、ネット広告に力を入れているのがトヨタ。若者の車離れが叫ばれているだけに『若者にバズる企画であれば、投資は惜しまない』方針だそうです。Abemaではトヨタがスポンサーについてくれそうな若者向けの企画を常に募集していますね」(放送作家)

前回の本コラムでも指摘したように、視聴率至上主義の時代は終わりつつあるのだ。問題は「キー局幹部に、新しい波をキャッチできていない人が多数いる」ことだと制作会社スタッフが嘆く。

「とにかくバズればいいんだと思い込んでいて、『話題になることをやれ!』と変な仕掛けを提案する人がいますね。バズるのと炎上するのとは、紙一重なんですけどね……。SNSのフォロワー数が多いタレントや放送作家を使えば話題になると思い込んでいるプロデューサーもいる。で、さほど話題にならないと『あいつ、意外と人気ないな』と文句を言う。もはや邪魔でしかないですよ」

かつて時代の先端にいた地上波のテレビマンが、変化の波をつかめていないのは何とも皮肉である。

『FRIDAY』2019年6月7日号より

  • 撮影山田宏次郎

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