離婚慰謝料でも“世界のキタノ”になったビートたけしの「懐事情」 | FRIDAYデジタル

離婚慰謝料でも“世界のキタノ”になったビートたけしの「懐事情」

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ヴェネチア国際映画祭で上機嫌な姿を見せたビートたけし(17年)
ヴェネチア国際映画祭で上機嫌な姿を見せたビートたけし(17年)

ビートたけしの離婚報道に驚いた人はどれくらいいたのだろうか。

86年に起きた『フライデー襲撃事件』以降、たけし夫妻の離婚の噂は半世紀以上にも渡って消えることはなかった。14年には『週刊文春』で愛人のA子さんの存在を報じられている。そしてたけしは今年72歳。離婚の話が出ても今更感は強い。

だが、報じられた妻の幹子さんに支払われる慰謝料、財産分与の金額には驚いた人は多いだろう。

今年1月5日にレギュラーコメンテーターを務める『新情報7days ニュースキャスター』(TBS系)で離婚について「調停なんか終わってるよ、バカヤロー!!あとはハンコを押すだけ。何百億も取られちゃうよ」と語っていたたけし。離婚後に同番組に出演した際には、財産分与について

「俺もお金がない。ないってことはどっかに行っているわけで。事務所かあっち(幹子夫人側)か。半分は国に(税金として)。(自分に残った)財産は家だけ」と語っている。

これに対し、幹子さんは文書を通じ「一連の報道において、武氏(=ビートたけし、北野武)の資産が100億円ないし数百億円もあり、それらの(ほぼ)全てが幹子氏に分与されたなどという内容がまことしやかに報道されております。しかしながら、収入に対しては、当然のことながら、事業経費の支出や税金の負担、生活費の支出等もございますので、上記のような規模の財産が現存するという事実はありませんし、それらの『(ほぼ)全て』が幹子氏に『分与』されたという事実もございません」と否定した。
すべてたけし流のギャグだったのだろうか。

スポーツ紙記者の話では
「すでに総額17億円にのぼるいくつかの不動産の所有者は妻子の名義になっているようです。ですから財産分与はほぼ終わっているのではないでしょうか。彼が“残ったのは家だけ”と言っている不動産は現在住んでいる豪邸ですから、たけしと妻の共同の名義になっていた都内のマンションも幹子さんに渡ったと考えられます。“何百億”は大げさすぎますが、数十億にはなっていると思われます」

相当な額であることに変わりはない。日本の芸能界で慰謝料・財産分与が多額だった例を挙げると、

小室哲哉 ・ ASAMI
小室哲哉氏は自身が結成していた音楽ユニットのメンバーであるASAMIと結婚したが、わずか10か月でスピード離婚。当時音楽界を席巻していた小室氏が支払った慰謝料は7億円と報じられた。

沢田研二 ・ 伊藤エミ
沢田が絶頂期の’75年、7年間の交際を経てザ・ピーナッツの伊藤エミさんと結婚した。しかし’87年に離婚。離婚の原因は、沢田が映画『男はつらいよ』で共演した女優の田中裕子との不倫だった。その慰謝料が18億1800万円と言われている。今から30年以上も前のことだから、現在に換算したら、これは相当な額になる。

藤田晋 ・ 奥菜恵
株式会社サイバーエージェントの社長、藤田晋氏と奥菜恵は’04年に結婚。だが、わずか1年で離婚。IT長者と言われた藤田氏が支払う慰謝料がどれほどになるのか注目を集めた。10億円や30億円という報道が出たが。奥菜が慰謝料を受け取ったことを否定しているため実際のところは不明だ。

そして、たけしが出てくるまで、この人がNo.1だった。

千昌夫 ・ジョーン・シェパード
当時、歌手だけではなく実業家としての顔を持ち、『歌う不動産王』と称されていた千昌夫はアメリカ人歌手のジョーン・シェパードと’72年に結婚したが’88年に離婚。その離婚で千がジョーン・シェパードに支払った慰謝料の金額が50億円と言われている。後年になって、私が偶然シェパードさんに会ったとき、その話をしたところ、目を丸くして「そんなにもらっていないわよ」と笑っていた。残念ながら正確な額は教えてもらえなかったが。

庶民の離婚とは比べものにもならないが、これが、世界規模になると、まさに桁はずれ
で、目が丸くなるどころか、ピンとこないのが正直なところだろう。

今年1月に離婚発表した、アマゾン創業者兼CEOのジェフ・ベゾス氏の純資産は約1370億ドル(約14兆8000億円)。小国の国家予算並みの額だ。同氏が住むワシントン州は夫婦共有財産制を取っており、婚姻前あるいは婚姻後契約を結んでいなければ、すべての財産は平等に分割されることになる。妻は約7兆4000億円を手に入れることになるのだが、実際は4兆円で話が付いたという。それでも大変な額だ。

サッカーチーム・チェルシーのオーナーでもあったロシアの元石油王ルマン・アブラモビッチが1兆3500億円。彼らのような大富豪は別格の中の別格だ。そこまでいかなくても、映画1本あたりの出演料が10億単位のハリウッドスターや大ヒット作を作った著名な映画監督など、たけしと同じ“映画人”たちも多額の慰謝料を支払って離婚している。報じられた当時のレートの違いもあるが、

マイケル・ダグラス(56億2500万円)、ジェームズ・キャメロン(62億5000万円)、ハリソン・フォード(106億2500万円)、ケヴィン・コスナー(100億円)、ブラッド・ピットがアンジェリーナ・ジョリーと別れたときは100億円支払ったという。

スティーブン・スピルバーグ監督は125億円。メル・ギブソン(440億)。
トム・クルーズがニコール・キッドマンと別れたときは90億円、ケイティ・ホームズのときは12億円と報じられた。

日本の法律も似ているが、アメリカの多くの州では、「離婚の際には、結婚していた期間に得た所得を夫婦で折半すること」が原則となっている。だから資産のあるハリウッドスターの多くは、結婚前に「離婚の際、慰謝料は誰がいくら払うか」「財産はどう分けるか」「子供の親権」「養育費」などについて話し合い契約を取り交わし、慰謝料が多額にならないように手を打っている。結婚前に離婚の条件を話し合うとは、なんとも悲しいことだが、泥沼の離婚訴訟を避けるためには仕方ないことなのだろう。

さすが“世界の北野”。離婚騒動でもハリウッドスターと肩を並べるようになった。しかし今回の報道を受けて、今後は日本の芸能界でも“婚前契約”が当たり前ようになるかもしれない。

 

  • 佐々木博之(芸能ジャーナリスト)

    宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。最近は、コメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中

  • 写真Splash/アフロ

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