GUでもバカ売れ「ダッド(=お父さん)スニーカー」ってなんだ?
「スニーカー」がファッションアイテムの定番となって久しい。
東日本大震災の際、帰宅困難者が何時間もかけて歩いて帰ったケースが多く報道されたこともあり、オフィスにスニーカーという通勤スタイルもすっかり定着した。それに伴い、レザー素材の大人向けスニーカーなども続々登場、単なる“運動靴”の域を出るほどの高級品も多く見られるようになった。
そんな中、「え? それ野暮ったくないの?」「靴の量販店で売ってるスニーカーとどこが違うの?」と一瞬目を疑いたくなるデザインのスニーカーが今、ファッショニスタの間で流行っているという。
その名も「ダッドスニーカー」。つまり、休日のお父さんがはくような=おしゃれとはかけ離れた、という意味で名づけられたらしい。海外セレブやファッションピープルの間で人気に火が付き、芸能界でも愛用者は多い。
「2年ほど前、バレンシアガやステラ・マッカートニーといったコレクションブランドから火が付いた流行で、当初は『アグリー(醜い)スニーカー』とも呼ばれていました。
そんな中、90年代にスニーカー愛好者の熱狂的な支持を集めていたエアマックス(Air Max)など、ナイキ、アディダス、リーボックなどのハイテク系スニーカーも人気再燃。2つの流れが合わさって、ここまで大きな『ダッドスニーカー』ブームになったんだと思います」(スタイリスト・小山田早織氏)
たしかに、それまではコンバース「オールスター」や、アディダス「スタンスミス」などの“ローテク”スニーカーを履きこなしていたおしゃれ女子たちが、こぞってダッドスニーカーに鞍替えしている模様。
「コンバースのスニーカーは、いかんせんソール(靴底)が薄くて疲れやすく、たくさん歩く日などには向かないんですよね。その点ダッドスニーカーは、ソールのクッション性が高くて、履き心地抜群! それもこの流行を後押ししたのではないでしょうか」(スタイリスト・小山田早織氏)
バレンシアガやステラ・マッカートニー、ド派手なデザインで話題となっているグッチなど、このブームを牽引するブランドのスニーカーはどれも軽く10万円超え。それが飛ぶように売れていくのだというから驚くほかない。
が、諦めることなかれ。このブームに遅れることなく、GUではすでに2018年11月にはダッドスニーカーを発表(メンズは2019年1月から)。人気を博し、この秋冬ですでに3シーズン目だという。驚きのその値段は、なんと2990円!
「もともとは、ストリート系の人たちが、野暮ったくポテッとしたスニーカーをいかにおしゃれに履くかといったところから、SNSなどを通じてブームになったような気がします。GUでは昨年から店頭に出していますが、シーズンを重ねるごとに型数や色のバリエーションを増やし、大変好評です」(GUプレス・荒木久美子氏)
ここまで流行るには何かワケがある! 1足2990円であれば、試しに買ってみる気になるのではないだろうか? ただし、このスニーカーを履いて、気を抜いたスウェットやジャージー姿で歩いたら、まんま「野暮ったい」残念な人になってしまうのでご注意を。