<p><strong>これまで世界各国の不思議な生き物や存在を語ってきたミステリーチェイサーの原田龍二。今回は、彼が世界一のパワーをもつ土地として畏敬の念を感じているとある場所での体験談をお伝えしよう。</strong></p>
<h2>なにもないのに人々が離れられない。それこそが土地の持つパワー</h2>
<p>以前、日本で一番のパワーを持つといわれる奈良にある玉置神社での不思議な話をしましたが、今回は僕が世界で一番強力なパワーを持っていると感じる場所について語りたいと思います。</p>
<p>世界のパワースポットといえば、アメリカのネイティブアメリカンの聖地・セドナやイギリスのグラストンベリーなどが有名ですが、僕が実際に足を運んだ場所で一番のパワースポットだと感じた場所はモンゴルです。</p>
<figure id="attachment_61211" aria-describedby="caption-attachment-61211" style="width: 1125px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f6a766ff"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/08/f913ad3efa17b363f34205ccfd00f3e4.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-61211" class="wp-caption-text">モンゴルの家族が育ててくれた原田の馬</figcaption></figure>
<p>初めてモンゴルに降り立った時、「なにもない」ということに衝撃を受けたのですが、それ以上に、大地からジリジリと照らされるような不思議な力を感じました。</p>
<p>見渡す限りの草原で、遊牧民の人たちは自分の土地を持たず、ゲルと家畜だけを所有して草原で暮らしています。冬はマイナス40℃以下にもなり、決して豊かな土地とはいえません。過酷なモンゴルを捨てて、ウズベキスタンや中国へ行くことも可能なのに、それでも人々はあの土地で暮らしているんです。それはきっと、僕が感じた土地に引きつけられるパワーを彼らも感じているんだと思います。</p>
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<h2>住所もない遊牧民の家族と再会ができる奇跡</h2>
<p>僕はこれまで３回、モンゴルを訪ねました。ウランバートルから５００キロほど離れた、“美しい場所”という意味を持つアルハンガイというところです。雪が降る直前の秋の終わりと、春の季節の変わり目に行き、大自然の移り変わりを目の当たりにしました。人の力は及ばない圧倒的なエネルギーと、大地の懐の深さ……そしてそれらの巨大な力を受け入れる人々にもパワーを感じました。</p>
<p>そのアルハンガイでは、ある家族と一緒に生活をともにし、彼らは僕を家族として受け入れ、最初に出会ってから10年もの長い間、関係を築いてきました。彼らは見ず知らずの僕を、家族に誕生した子どもの成長の儀式に参加させてくれ、その子の断髪をするという大事な役割まで任せてくれました。また、モンゴルで生活をする上では馬が必要だろうと、子馬を譲ってくれ、日本に帰った後も僕の馬として大事に育ててくれました。</p>
<p><a href="#" data-ident_hash="5773f961"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/08/4e629ebfc68bb3c32e90ba4d0644e545.jpg" alt=""></a></p>
<p>彼らは遊牧民で決まった住所がある訳ではありません。いつどこで出会えるか分からない中、僕たちは奇跡的に毎回出会うことができ、遠くはなれた場所でも家族としてお互いを思いやってきました。実際、彼らは次に会う約束のない僕の馬を大事に育てていてくれたのです。モンゴルを訪ねるたびに大きく育っている馬を見て、僕は本当に感動しました。</p>
<h2>パワースポットは力をもらう場所ではなく、持っている力に気がつく場所</h2>
<p>最後にモンゴルを訪ねた時は、彼らが育ててくれた僕の馬に乗ってレースに出場しました。決して上手に馬を操れる訳でもなく、しかも30キロという長い距離をダッシュで走り抜ける競技……。落馬で命を落としているモンゴルの人も少なくないという危険と隣り合わせな状況でしたが、家族が大事に育ててくれた馬、そしてモンゴルのパワーに背中を押され、レースに出場することを決意しました。</p>
<p><a href="#" data-ident_hash="36d8d199"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/08/744b395288796b3e2d2793a680ba5009.jpg" alt=""></a></p>
<figure id="attachment_61214" aria-describedby="caption-attachment-61214" style="width: 1125px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="99beebaa"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/08/94605c1ff01ee5c458397ecc2515e29b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-61214" class="wp-caption-text">30キロのレースに出るため、モンゴルの少年とひたすら平原を走る。</figcaption></figure>
<p>残念ながらレースの結果は最下位。普段から馬と暮らしているモンゴルの人々に勝てる訳はありません。でも、レースに出場するという勇気を自分の中に見つけられたのも、モンゴルに住む家族に影響を受けたからだと思います。約束も見返りもなく、ただ人を信頼して思いやってくれる彼らの優しさと力強さが僕にパワーをくれたのでしょう。</p>
<p>パワースポットというのは「自分が今ある以上の力が欲しいから訪ねる場所」ではなく、「自分が潜在的に持っている力を気づかせてくれる場所」であり「訪ねることで自分の支えになる場所」なのではないでしょうか？　なにもないモンゴルの地、だからこそ自分が持っている力を感じることができるのです。訪ねるのは大変な場所ですが、ぜひ機会があればモンゴルを旅してほしいと思います。きっとみなさんの中にある、自分ではまだ気がついていないエネルギーとポテンシャルを発見することができると思います。</p>
<p><a href="#" data-ident_hash="2d09ad92"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/08/324f915a2412f855d1db1988852323e5.jpg" alt=""></a></p>
<p><strong>原田龍二（はらだりゅうじ）</strong>／1970年生まれ。数多くのドラマやバラエティで活躍し、一方で芸能界きっての通としてミステリー好きとして認識されている。現在、「5時に夢中！」（MX）で金曜日のMCを務めるほか、「DAYS」（ニッポン放送）の毎週水曜日13時からのパーソナリティを務める。近著に世界中のUMA（未確認動物）を紹介する「ミステリーチェイサー原田龍二の謎のいきものUMA大図鑑」がある。</p>
<p>企画・構成／SUPER MIX<br>
文／知野美紀子（SUPER MIX）</p>


ミステリーチェイサー原田龍二の「奇怪倶楽部」file.013　今回は、彼が世界一のパワーを持つ土地として畏敬の念を感じているモンゴル・アルハンガイでの体験談をお伝えする。

原田龍二が世界一のパワースポットで交流10年の歴史を語る