独特の世界に原因が……モノマネ芸人の”賞味期限”が短い理由 | FRIDAYデジタル

独特の世界に原因が……モノマネ芸人の”賞味期限”が短い理由

連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television

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今年4月、営業先のボートレース場で和田アキ子の”しゃべりモノマネ”を披露するMr.シャチホコ。クオリティの高さに和田本人が太鼓判
今年4月、営業先のボートレース場で和田アキ子の”しゃべりモノマネ”を披露するMr.シャチホコ。クオリティの高さに和田本人が太鼓判

毎年、ニュースターが現れては消えていくお笑い界。今年はMr.シャチホコ(26)、りんごちゃんら、モノマネ芸人の活躍が目立っている。

「シャチホコは和田アキ子、りんごちゃんは吉幾三に武田鉄矢と、テレビのメイン視聴者である高齢者層でも知っている有名人のモノマネを得意としているのが強み。とくにシャチホコは和田アキ子のトークの返しまで完璧に再現している。このスタイルは画期的。変な色気を出さなければ、息の長いタレントになれるかもしれません。二人ともバラエティ番組で名前を売ってからモノマネ番組に呼ばれるという、逆転現象を起こしているのも興味深い」(キー局ディレクター)

ただ、「キャラクターが強ければ強いほど、飽きられるのも早い」のが、テレビ業界の常。二人が一発屋に終わる可能性は否定できない。

「シャチホコの嫁・みはるもモノマネ芸人をやっていて、『俺を使いたければ、嫁も使ってくれ』とバーターをお願いしてくるらしく、一部で『使いづらい』という声があがっています。りんごちゃんは、はるな愛似のルックスでゴリゴリのオッサンの唄を歌うインパクトが強烈でしたが、まだまだトークが未熟。日本テレビがやたらと彼女をプッシュしていて、他局が起用に慎重になっているのもマイナスでしょう。日テレ局内でも『なんであんなにプッシュしてるの?』と不思議がられています」(制作会社プロデューサー)

そんななか、「数ヵ月先までスケジュールが埋まっている」と引っ張りダコなのが、IKKOと和泉元彌のモノマネでブレイクしたお笑いコンビ『チョコレートプラネット』だ。

「もともと『キングオブコント』決勝に残るなど、ネタの面白さには定評があった。10年以上の下積みを経験しているから、どんな仕事も嫌がらずに一生懸命にこなす。モノマネに固執せず、リズムに乗りながら身近にある『T』を見つけ出すネタ『TT兄弟』でチビッコ人気を獲得したのも、オファーが絶えない要因です」(放送作家)

裏を返せば、モノマネ一本で生き延びるのは難しいということだ。その背景にはモノマネ番組独特の風習があるという。

「フジテレビのモノマネ番組のスタッフは、『ウチで最初に披露したネタは、他局ではやらないでほしい』と囲い込むそうです。もちろん、強制ではなく、違うネタなら他局で披露してもOKなのですが、芸人側がスタッフに忖度(そんたく)して自粛してしまうんです。これだと、鉄板ネタを披露する機会が特定のモノマネ番組に限定されてしまい、一部の視聴者にしか浸透しない。どうしても人気が尻すぼみになってしまうのです」(芸能マネージャー)

前出のディレクターによれば、「モノマネ芸人は人間関係のトラブルを抱えやすく、敬遠されがち」なのだという。

「モノマネ芸人たちの主戦場はショーパブや営業。ネタかぶりは命取りになるからか、若手の女性でも『私が確立した篠原涼子のモノマネをやる芸人は共演NGにしろ』なんて要求を平気でしてくる。衣装やセット、小道具に異常なほどこだわり、スタッフをどやしつける輩(やから)もいて、スタッフや共演者が辟易(へきえき)しています」

モノマネ芸人はお笑い界でも、テレビ界においても扱いが難しい存在なのだ。

『FRIDAY』2019年9月13日号より

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