消失面積は東京都の28倍 オーストラリア森林火災の「深刻度」

コアラ2万5000匹も焼死 このままでは地球が焼き尽くされる恐れも

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全壊した住居と黒焦げになった車が放置されている。今回の火災の影響で2000軒以上の家屋が全半壊した

「火災現場は見渡す限り火の海です。急激な気圧の変動によって竜巻がしばしば発生し、消防車がひっくり返ることもありました。実際、その下敷きになって死んだ同僚もいます」(現地の消防士)

史上最大規模の森林火災がオーストラリアで発生している。昨年9月ごろに南東部のニューサウスウェールズ州を中心に頻発しはじめた火災は、次々と燃え広がり、焼失面積は東京都28個分を超える。1月14日現在、火災で28人が死亡。12億匹以上の野生動物が命を落とした。特にコアラが深刻な被害を受けており、カンガルー島に生息する数の半分にあたる2万5000匹の焼死が報じられている。

気象予報士の森田正光氏はこう語る。

「インド洋西部の海水温が上がり、東部の海水温が下がる『ダイポールモード現象』により、極度に乾いた空気が豪州にもたらされました。そのため、火事が発生しやすく、小規模火災が拡大しやすい環境が形成されていたのです。加えて、地球温暖化の影響で’19年は全国年間平均最高気温を更新。年間降水量も史上最低を記録し、火災の長期化に拍車をかけることとなりました」

温暖化を背景とした気候変動は、オーストラリアだけにとどまらない。国立環境研究所・地球環境研究センター副センター長の江守正多(せいた)氏は言う。

「日本の暖冬も、地球温暖化とダイポールモード現象が併発したことの影響だと考えられるでしょう。これ以降も、夏には猛暑と長期間にわたる大豪雨、強い台風の発生が予想されます」

さらに今後の傾向として、様々な地域で異常気象が増加することが考えられる。

「アメリカ西海岸や南米などでも、高温化と乾燥化が進み、今回のような火災が連続発生して大問題になるでしょう。また今回のような火災によって二酸化炭素が大量に放出され、温暖化を加速させる原因になります。それがさらなる火災を促進し、悪循環となるのです」(同前) 

刻一刻と進行する地球温暖化が、全世界に大火事をもたらすのだ。

オーストラリア南東部をとらえた衛星写真。点線内には、燃える森から立ち昇る数本の白煙が写っている

『FRIDAY』2020年1月31日号より

  • 写真アフロ

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