プロが練習だけで見抜いた!佐々木朗希×奥川恭伸の「本当の評価」
プロ野球キャンプレポート
ともに、最大の武器は150㎞超の剛速球。
だが、千葉ロッテの佐々木朗希(ろうき)(18)もヤクルトの奥川恭伸(おくがわやすのぶ)(18)も、〝宝刀〟を抜かずして、プロを唸らせた。
「連投のきかない佐々木は昨夏、地方大会の決勝戦に登板できずに敗退。U18日本代表でもマメができて、1イニングしか投げられなかった。ポテンシャルはあるが『ひ弱』。一軍で活躍するまでに2~3年かかる――というのが、佐々木の評価でした」(夕刊紙デスク)
ところが、キャンプインを機に空気は一変した。20mダッシュやキャッチボールの動きを見ただけで、プロはとてつもないポテンシャルを見抜いたのだ。
「何せ、デカい。それでいて、イカみたいに長い手足を器用に操るんです。阪神の藤浪晋太郎が典型ですが、長身の投手は剛速球を投げられるものの、身体をうまくコントロールできず、制球が乱れるという弱点がある。ところが、佐々木は人並み外れた関節の柔らかさとバランス感覚で、最大の弱点を克服しているのです。それでも、現時点で彼が使えているのは持てる力の3割くらい。それで163㎞が投げられるのだから末恐ろしい」(パ・リーグ球団の編成担当)
この〝伸びしろの塊〟を預かるのは、ダルビッシュ有や大谷翔平を育てた吉井理人(まさと)一軍投手コーチ(54)だ。
「吉井さんが凄いのは日米で活躍した実績にあぐらをかかず、常に最新の理論を学んでいること。’14年からは野球選手の動作解析の第一人者でスポーツ科学の権威の川村卓(たかし)・筑波大准教授のもとで学び、修士号を取得しています」(球団関係者)
その名伯楽の佐々木評は「ダルビッシュ級」だというから楽しみだ。
一方の奥川は右ヒジの炎症の影響で二軍スタートとなったが、「ハートの強さで他のルーキーを圧倒している」とセ・リーグ編成幹部が感嘆する。
「契約の際に球団が渡したトレーニングメニューを完璧にこなし、キッチリと身体を作ってキャンプに来たんですよ。甲子園準優勝投手でドラフト1位。オフは何かと誘惑が多かったでしょうに、自分を律して追い込んできた。プロで活躍するために欠かせない〝努力できる才能〟を彼は持っているのです。身体が仕上がっているから、遠投させれば糸を引くようなキレのいいボールを投げるし、12分間走をやらせれば、全レース、ぶっちぎりのトップ。私はいますぐ一軍で投げさせても通用すると思います。高津臣吾監督も実戦向きと見ているから、夏までには初勝利を挙げているのでは?」
いずれ劣らぬ怪物二人が、令和のプロ野球の中心となるのは間違いない。



『FRIDAY』2020年2月21日号より