DA PUMP 「ダサカッコイイ!」と再ブレイク
連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television
荻野目洋子、有吉弘行、小柳ルミ子 「再ブレイク」タレントが急増中
『DA PUMP』が3年8ヵ月ぶりにリリースした新曲『U.S.A.』のミュージックビデオの再生回数が1600万回を突破。各チャートで上位に食い込むなど、再ブレイク中だ。
「昨年、登美丘高等学校ダンス部がダンスのBGMに使った荻野目洋子の『ダンシング・ヒーロー』がリバイバルヒットしましたが、『DA PUMP』の新曲も同じユーロビート。アラフォー以上には懐かしく、若い世代には新鮮に感じられるようです。10代の女子の間で大人気の動画アプリ『Tik Tok』では、倖田來未が歌う『め組のひと』が大流行中です」(音楽ライター)
〝ハンパない〟サッカーの知識量で小柳ルミ子がW杯関係の仕事に引っ張りダコとなるなど、音楽業界に限らず、芸能界では再ブレイクを果たす芸能人が増えている。キー局プロデューサーが嘆く。
「実際にテレビを観ている人の高齢化が進んでいて、若者にウケている読者モデルとか、旬なタレントを起用しても、視聴率には結びつかないんですよ。むしろ、高齢化した視聴者になじみのある往年のスターなどを起用したほうが、スポンサーにもウケがいい」
旬なタレントを起用することには、テレビ局側にも抵抗がある。
「『Tik Tok』のように次々と誕生する新しいサービスを、キャスティングの決定権を持つプロデューサーたちが追い切れてない。通常、キャスティングから放送までの間に1ヵ月ほどかかります。ネットで話題になっているタレントの場合、1ヵ月もたつと旬が過ぎているケースが少なくない」(キー局バラエティー番組ディレクター)
これまで、新たなスターやカルチャーをクリエイトしてきたテレビ業界が、後手後手にまわっているのは皮肉だ。
テレビ業界が創造力を失いつつある背景には不況もある。以前、本コラムでも触れたが、カネと時間がかかるオーディションが激減しているのだ。
「ネタ番組も減ったので、お笑い芸人のスターも生まれづらくなっていますね。今年も上半期が終わったというのに、『ひょっこりはん』ぐらいしか話題になっていませんし」(放送作家)
’07年に有吉弘行が毒舌で再ブレイクを果たして以降、定期的に再ブレイクタレントが現れるのはこんな理由もある。
「絶頂時とドン底の明暗を語るだけでも番組が成立するので、こちらはラクですよね。一度はブレイクしているし、その後も引退せずに活動しているということは実力があるという証(あかし)。ポッと出の若手タレントより、よっぽど安定感がある」(前出のディレクター)
今年、再ブレイクを果たしそうなのが、『髭男爵』の山田ルイ53世だ。
「発売前に重版がかかるなど、著書『一発屋芸人列伝』が注目を集めています。鋭い視点とコメント力は評価が高いので、今後は文化人的な仕事が増えるでしょう」(前出の放送作家)
オワコンとなりつつあるテレビ業界も再ブレイクできればいいが……。