『ガンバレルーヤ』が実証した成功する芸名の「ヒミツ」
連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television
前向き芸名で受ける(?)女性お笑い芸人コンビ、「あ行」で有利なアノ女優たち…
ニホンモニターが調査する『2018上半期テレビ番組出演(延べ)本数ランキング』で、女性お笑いコンビの『ガンバレルーヤ』がブレイクタレント部門の3位にランクインした。
「内村光良が彼女たちを気に入り、自身の番組で起用し始めたことで仕事が急増したのですが、実は『ガンバレルーヤ』というコンビ名もブレイクの一因となっているのです」(キー局ディレクター)
どういうことか。「芸名にポジティブな言葉が入っているのがポイント」だと言うのは大手広告代理店関係者だ。
「たとえば『ダンディ坂野』。彼のギャグ『ゲッツ!』はポジティブワードでスポンサー受けが良く、使いやすいんです。『ガンバレルーヤ』も前向きでしょう?そんなことかよ、と思われるかもしれませんが、視聴者が思っているより数倍、スポンサー受けは重要です」
芸名と人気の因果関係を示す事例は他にもある。広告代理店やリサーチ会社等が行う「タレント人気ランキング」など各種アンケートで、上位に入る芸能人にはある傾向が見られるというのだ。
「アンケートは人気のタレントを調査会社等がピックアップして、その中から選んでもらう形式が主流。そのリストが五十音順で並んでいるため、『あ』行のタレントが上位に入りやすいんですよ」(前出の広告代理店関係者)
ビデオリサーチが3月に発表した『テレビタレントイメージ調査』では、1位が綾瀬はるか、2位が新垣結衣、3位に天海祐希が入った。
「謝礼欲しさにアンケートに答える回答者が少なくない。早くアンケートを終わらせたいから、『あ』行や『か』行など、リストの上のほうにあるタレントに票が集まる――というわけです。業界では知られた話なので、あえて『あ』行の芸名をつける芸能事務所もあるほど」(中堅芸能事務所マネージャー)
一方で、業界で「好ましくない」と共通認識が持たれている芸名もある。その代表例が木村拓哉の娘、『Kōki,』だ。
「『,』や『。』が入る芸名は記事やラテ欄を作る側から『ややこしい』と不評なのです。誤記などのトラブルも起きやすいから、スポンサー受けもイマイチです」(前出・ディレクター)
『Kōki,』は「あえてややこしい表記にした」という声もある。
「当初は両親の名前を伏せ、海外で活動する謎のモデルとしてデビューさせる予定だったそうです。ミステリアスさを演出するための芸名だったのですが、メディアに嗅(か)ぎつけられてご破算になったんだとか」(スポーツ紙芸能担当記者)
ならば、簡単な表記であればいいかといえば……そう単純でもない。民放ドラマ制作スタッフが苦笑する。
「『オスカープロモーション』の田中道子は社長のお気に入り。ひところの剛力彩芽以上に猛プッシュされています。本人は努力家で性格も良いのですが、名前が平凡すぎて視聴者に覚えてもらえない」
名は体を表す――ではないが、芸名を疎かにする者は成功から遠のくのだ。