みちょぱ、めるるの争奪戦「個人視聴率」にシフトした日テレの戦略 | FRIDAYデジタル

みちょぱ、めるるの争奪戦「個人視聴率」にシフトした日テレの戦略

連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television

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今年1月、生見愛瑠は所属する事務所『エイベックス』主催の晴れ着撮影会に参加。絵馬に書いた目標「渋谷ジャック」が叶いそうな人気ぶりだ
今年1月、生見愛瑠は所属する事務所『エイベックス』主催の晴れ着撮影会に参加。絵馬に書いた目標「渋谷ジャック」が叶いそうな人気ぶりだ

各局の番組作りの指針となっている「視聴率」が3月30日から大きく変わった。モニター世帯に置かれた機械で自動的に集計する「世帯視聴率」に加え、家族の誰が何を観たかまでわかる「個人視聴率」の調査&公表が始まったのだ。

「ライフスタイルの多様化で、地上波の番組の主な視聴者は中高年となった。『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)のような、中高年向けの番組の数字が高くなる傾向がありました。高視聴率番組であっても、番組スポンサー企業が商品を売りたいティーン層やF1層(20~34歳女性)、F2層(35~49歳女性)にはリーチしないという課題を抱えていたのです。

『個人視聴率』が導入されたことで、スポンサーのターゲット層に届く番組を企画し、キャスティングせざるを得なくなる」(制作会社ディレクター)

事実、平成生まれの若手芸人を主とした“第7世代”による『第7キングダム』(日本テレビ系)が、この春からスタートしている。「お笑い界の世代交代は個人視聴率の導入で加速する」とキー局プロデューサーは断言する。

「AbemaTVなどのネット番組や動画配信サイトがリサーチしたところ、ベテランのタレントを起用した番組は若者にウケていないことが判明しました。スポンサーのターゲットに刺さらないうえ、ギャラも高いとあっては使う意味がない。『費用対効果の悪いベテランをリストラする口実ができた』と喜んでいる制作スタッフは少なくないです」

個人視聴率・元年の現在、キャスティング会議でよく名前があがるのが人気モデルのみちょぱ(池田美優・21)、ゆきぽよ(木村有希・23)、そして女性ファッション誌『Popteen』の看板モデル、生見愛瑠(ぬくみめる)(18)なのだという。

「みちょぱ、ゆきぽよはゲストとして雛壇でボケながら番組の進行をサポートする“裏回し”ができる。いまやバラエティに欠かせない存在です。『めるる』こと生見は、トークはまだ実力不足ですが、二人に比べてフレッシュですし、ティーン層からの圧倒的な人気が魅力。すでに争奪戦になっていますよ」(放送作家) 

個人視聴率の影響はドラマ業界にもクッキリと出ている。

「1月クールに放送された『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)は佐藤健(たける)(31)のドアップやラブシーンがこれでもかと投入されていて、完全にティーン&女性層を意識したつくりでしたね。動画配信サイトでは『バチェラー・ジャパン』など恋愛リアリティーショーが人気。女性視聴者を取り込むため、恋愛モノは鉄板なのです。医療モノなど他の作品でも『なるべく若い女性にウケるイケメン俳優を起用するように』という指示が出ているみたいで、どこの芸能事務所も若手イケメン俳優の発掘&育成に力を入れ始めています」(芸能プロ幹部)

前出のディレクターは「早くからティーン&女性向けの番組づくりにシフトしていたのは日本テレビ」だと言う。

「昨年1月クールに放送したドラマ『3年A組』では主演の菅田将暉(すだまさき)(27)以下、若手タレントを大量に起用。ドラマでは描かれなかった限定動画をネット配信して話題になりました」

6年連続で視聴率三冠に輝く日テレ、さすがの慧眼(けいがん)と言えよう。

『FRIDAY』2020年4月24日号より

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