石橋貴明「ユーチューバーで大どんでん返し」の深い戦略 | FRIDAYデジタル

石橋貴明「ユーチューバーで大どんでん返し」の深い戦略

連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television

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『貴ちゃんねるず』は開設後わずか2週間で登録者数60万人を突破。帝京高の後輩・杉谷拳士(日本ハム)をイジリ倒すなど野球ネタがウリだ
『貴ちゃんねるず』は開設後わずか2週間で登録者数60万人を突破。帝京高の後輩・杉谷拳士(日本ハム)をイジリ倒すなど野球ネタがウリだ

コロナ禍に後押しされて、芸能人のYouTube進出が加速している。そんな中、ついに大御所が動いた。『とんねるず』の石橋貴明(58)が、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)で演出を務めていたマッコイ斉藤氏に誘われる形で『貴ちゃんねるず』を開設。「1年やってダメなら引退」と宣言して、注目を集めている。

「1本目の動画は公開から2週間で約270万回再生。7月5日時点でアップされた5本の動画はすべて100万回再生を突破しているので、大成功と言えるでしょう」(スポーツ紙記者)

’18年に『みなさんのおかげでした』が終了。現在のレギュラー番組は『石橋、薪を焚べる』(フジ系)のみ。「ほぼ戦力外通告」と石橋は自虐的だが、根強いファンがいることを証明した。

「石橋さんの魅力は何をしでかすかわからない型破りなところ。それがテレビ業界のコンプライアンス強化に伴い、失われてしまった。その点、自由度の高いYouTubeなら、彼の魅力が最大限に発揮できる。『おぎやはぎ』のラジオに乱入していましたが、今後どれだけ暴れてくれるのか、ファンは期待しているということでしょう」(キー局プロデューサー)

野球の動画に注力していることも成功の一因だと放送作家は分析する。

「YouTubeに参入した芸能人は、『○○をやってみた』など、まずは人気ユーチューバーのマネをするケースが多い。ところが、『貴ちゃんねるず』は石橋さんのマニアックな野球知識を炸裂(さくれつ)させることで大いに差別化ができた。実はこれ、YouTubeのトレンドにマッチしている。魚系料理人の『きまぐれクック』がヒットするなど、現在のトレンドは1つのジャンルに特化したチャンネル。石橋さんは知識のみならず、野球人脈も豊富で、バラエティの演出も熟知している。YouTubeでも天下を獲れるかもしれません」

プロのテレビマンであるマッコイ斉藤氏が撮影・編集しているのもポイントだ。

「『雨上がり決死隊』の宮迫博之さんのチャンネルも登録者数100万人と好調ですが、撮影者が素人で宮迫さんの魅力を生かしきれていない。その点、マッコイ氏は撮影も編集も洗練されていますね。親しいがゆえに石橋さんの素を引き出せているし、ムダがなく、スピード感があって安心して観ていられる。『とんねるず』を知らない若い世代はもちろん、ユーチューバーの拙(つたな)い編集に抵抗があった中高年にも刺さっているのです」(制作会社ディレクター)

YouTubeの成功により、再び『とんねるず』の需要が高まりそうだと広告代理店関係者は語る。

「全盛期の『とんねるず』を見て育ったアラフォー&アラフィフ世代が現在、企業の幹部クラスになっています。これまでもCM等に彼らを起用したいという声はありましたが、冠番組の視聴率の悪さを理由に却下されていた。ところが、これだけ再生回数を稼げるとなれば、会社やスポンサーを口説く好材料になる。若者にも訴求力があるなら起用したいという局や企業が出てくるでしょう」

オワコン扱いから“大どんでん返し”となるか?

『FRIDAY』2020年7月24日号より

  • 撮影西圭介

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