<figure id="attachment_133226" aria-describedby="caption-attachment-133226" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c017b2c1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2020/09/3599f8a55e833e2ea10a8525a7acdb67.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-133226" class="wp-caption-text">日本語・中国語の吹き替えでも活躍。女優業のほか、北京首都国際空港の日本語アナウンスも担当している</figcaption></figure>
「いま、アメリカで一番有名な日本人女優は誰か」
そう尋ねられた彼の国の人々は、こう口を揃えるという。
「間違いなく、アオイミズハラだよ！」
漢字で書くと、水原碧衣（年齢非公表）。彼女の名が全米に知れ渡ったきっかけは、話題作『フェアウェル』への出演だ。
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同作は末期がんに侵された中国の祖母に病状を悟られないように、アメリカと日本に住む家族が「ウソ」の結婚式を口実に帰郷するというヒューマンドラマ。昨年７月の公開当初はわずか４館での上映だったが、瞬(またた)く間に人気を集め、全米891館まで急拡大。興行収入20億円を突破する爆発的ヒットを記録した。ゴールデングローブ賞主演女優賞を始め、数々の賞を受賞した今作で、水原は物語の軸となる結婚式の「言葉がまったく通じない日本人花嫁」という難しい役どころをリアルに演じ切り、一躍時の人となったのだ。
日本の無名女優がいかにしてハリウッドスターになったのか。地元・三重の公園でインタビューに応じた水原が、その異色すぎる経歴を語った。
「幼い頃からずっと女優になりたいと思っていました。ジャッキー・チェンが大好きで、映画ばかり観てる子供だったんです。でも、親が厳格で許してくれなくて……。仕方なく、受験勉強をして京都大学の法学部に進学しました」
京大卒業後は、早稲田大学法科大学院に進学。だが、どうしても女優の夢が諦めきれなかった。
「東京で事務所を探しました。『高学歴タレント』としてなら、と言ってくださる事務所もあったんですが、なかなか上手くいかず……」
一念発起して早大大学院を休学し、中国の『北京電影学院』への留学を決めた。中国が国家の粋を集めて設立した、映画関係の人材を育成する超名門大学だ。
「幼少期に中国に住んでいた経験があったので、語学がある程度できたのが幸いしました。ここでみっちり演技の勉強をして、夢にけじめをつけるつもりでした」 
世界人口の上位２％のＩＱを持つ人だけが加入できる国際組織『メンサ』の会員でもある水原。何と、この大学の演技科を首席で卒業し、中国でドラマや映画に出演するようになった。中国と日本を往復する生活のなかで、『フェアウェル』への出演は突然決まったという。
「’18年の春頃、北京の宿にいた時に突然、携帯に知らない男性から連絡があったんです。『26歳・日本人女性』という役のオーディションがあるから来てくれ、と。詳細を聞いてもわからないの一点張り。怪しすぎるので何度も断ったんですが、『もう最寄り駅まで来ているから』と、押し切られてしまって。後で聞いたら、外国人役者専門のエージェントを始めたばかりの人だったようです。
何が何だかわからないまま、オーディション会場に連れていかれて、日本語で結婚式のスピーチをさせられました。そしたら、そこにいたキャスティングディレクターが『これこそが演技だ！』と大喜びしたんです」
だが結局、何の作品かもわからないまま、日本へ帰国。すると後日、新宿で友人と食事をしているときに再びエージェントから連絡が入った。
「監督が今から直接リモートオーディションをしたいと言っている、と。今は無理と伝えたら、『じゃあ無理な理由を説明した動画を送れ』と言われ、仕方ないのでお手洗いに隠れて『こういう事情でオーディションできなくてすみません』という自撮り映像を撮って送ったんです。そしたら、合格だと（笑）。どんな映画なのかを知ったのはずっと後でした」
『フェアウェル』は日本でも10月２日から公開される。京大卒のメンサ会員にして、ハリウッドでも認められる実力の持ち主。水原碧衣の名が、日本でも知れ渡る日は近そうだ。
<figure id="attachment_133227" aria-describedby="caption-attachment-133227" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ec60a137"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2020/09/73328ace3629e46419efd0c154c47e77.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-133227" class="wp-caption-text">今年１月の放送映画批評家協会賞の授賞式。『パラサイト』のポン・ジュノ監督と</figcaption></figure>
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<figure id="attachment_133231" aria-describedby="caption-attachment-133231" style="width: 1000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="30fad469"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2020/09/b57b60e7d066cd6ee9690afa4131bc2e.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-133231" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　水原碧衣インタビュー「無名女優がハリウッドスターになるまで」</figcaption></figure>
『FRIDAY』2020年9月18日号より

加藤慶

日本の無名女優・水原碧衣（みずはらあおい）。彼女の名が全米に知れ渡ったきっかけは話題作『フェアウェル』への出演だ。難しい役どころをリアルに演じ切り一躍時の人となった謎の日本人美女にインタビューを行った

『フェアウェル』水原碧衣が「米国一有名な日本女優」になるまで

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