動画配信&SNSで人気を確立するスター&芸人「その戦略」
連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television
人気バラエティ番組に相次いで出演していた7人組ユーチューバーユニット『フィッシャーズ』のぺけたん(25)が活動休止を発表した。女性ファンと不適切な関係を持ったことが理由だという。
その一方で、人気ユーチューバーコンビ『水溜りボンド』は地上波で冠番組をスタートさせた。ユーチューバーのテレビがらみの話題が増えているのだ。
「『水溜りボンド』のカンタ(26)はあの池田エライザ(24)との半同棲をフライデーされていましたからね。人気ユーチューバーともなれば収入はタレント以上ですが、人気でも芸能人に匹敵する存在になりました。
いまや、どの局もコア視聴率(13歳~49歳男女の視聴データ)を意識して番組作りをしていますから、若者人気が高いユーチューバーの起用は今後、ますます増えるでしょう。スキャンダルが発覚した『フィッシャーズ』は、さすがにテレビ需要は減るでしょうが……」(制作会社ディレクター)
ユーチューバー芸人のフワちゃん(26)や動画共有アプリ『TikTok』でブレイクした山之内すず(19)は、テレビで見ない日はないほどの売れっ子ぶりだ。
「SNS発タレントとしては、この二人は別格ですね。フワちゃんは大物芸能人相手にタメ口をきいたりして、一見ガサツな人間に見えますが、仕事ぶりは熱心。番組が何を彼女に求めているかを汲み取る能力に長けています。愛嬌があって、大物タレントの懐に入るのも上手い。松本人志(57)は『頭がいい』とベタ褒めで共演NGどころか、喜んで使いたがりますから」(キー局プロデューサー)
ポスト・フワちゃんを探すべく、各局ともYouTubeやSNS発タレントの発掘に力を入れているという。
「男女ユーチューバーコンビ『ヴァンゆん』はテレビの仕事が増えて、大手芸能事務所の太田プロダクション所属になりました。料理家夫妻の『ぐっち夫婦』もオファーが急増中。もともとアミューズ所属の芸人だったエミリン(大松絵美)はフワちゃん似の芸風で注目されましたが、『妙にこなれた感があるのと、あまり笑いが取れない』という微妙な評価ですね」(バラエティ番組スタッフ)
ならば大物ユーチューバーを口説けばいいかといえば、そう簡単ではない。
「はじめしゃちょー(27)やヒカキン(31)ら、超大物たちはテレビと距離を置き始めています。長時間拘束され、何テイクもやらされてオンエアは数秒。自分たちで編集できないから、素の姿を放送されてイメージが崩れる恐れもある。すでに億万長者になっている彼らは、出演ギャラにも興味はない。著名人とコネができるなど、自分たちに利のある番組にしか出ないでしょう」(放送作家)
一方、確実に需要が増えているのが、SNSなどでバズった若手芸人たちだ。
「男子高校生あるあるネタがTikTokで5億回再生された『土佐兄弟』は今秋からテレビ朝日で初の冠番組がスタートしました。丸山礼(23)は土屋太鳳の顔まね動画がウケてYouTubeのチャンネル登録者数が80万人を突破。ブレイクの足掛かりとしています。コロナ禍で営業やライブが減少したため、各芸能事務所も動画投稿を推奨していますよ」(前出・バラエティ番組スタッフ)
若手にとってはチャンス到来だろう。
『FRIDAY』2020年11月20日号より
撮影:足立百合