あなたの知らない「551蓬莱」ウマさの秘密とウラ話 | FRIDAYデジタル

あなたの知らない「551蓬莱」ウマさの秘密とウラ話

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ついてくる「カラシ」の消費期限、“違う豚まん”があるレストラン…

大阪歩いてると毎日必ず見るものってな~んだ!

それは「551」の袋を持った人―!

そうなんですよ。大阪人、他府県民が想像する以上に551蓬莱の豚まんが好きです。会社帰りでも飛行機乗る前もジョギング後でも傍にはあの赤い文字の紙袋。むしろ誰かが持ってるの見て「あっ!買わな」と触発されているフシもあります。いや確かに旨い。しかし大阪人、その551蓬莱についてちゃんと正しい知識を持っているのでしょうか?

「どっかに巨大工場があるらしい」「店舗限定の商品があるってホンマか」「551のレストランってどないや」「『蓬莱本館』って551と一緒なんか」など誰もが内に疑問を秘めているようですが、それを徹底的に究明すべく、本社工場に取材を申し込みました。

大阪市浪速区に本社工場があった!

工場併設の本社は6階建ての大きな建物

あっさり本社工場への潜入を許可されました。大阪市浪速区のややマニアックな「桜川」という駅近くにあります。外観からは551感が漂ってきませんが…。

会社の入り口に創設者である羅邦強(ラ・ホウキョウ)の像が。551蓬莱の歴史は1945年から。台湾出身の羅氏が難波に「蓬莱食堂」を作り、その後豚まんの実演販売で展開していきました

玄関の扉を開けた瞬間、全力で良い匂いが! 間違いなくここが豚まんのアジトだ!

取材に応じてくださったのは、広報担当の八田実紀さんと橋詰夏美さん。会って驚いたのが、このお二人…551蓬莱の商品イメージそのもの、とにかく明るい! よく喋る! コテコテの関西人!

もともと工場勤務だったという八田さん
551の接客が好きで入社したという橋詰さん

ちなみに551蓬莱の店頭販売商品、全部言えますか? 

「豚まん」「焼売」「エビ焼売」「焼餃子」「551ちまき」「甘酢団子」それ以外にも、「551ラーメン」に季節限定の「煮込み麺」、「アイスキャンデー」…あらあら、色々あるんですね。

まずは豚まんが作られるまでを解説! 

工場を案内してもらいます。あれよあれよという間に衛生着に着替えさせられ、いざ現場入り。ざっくり最初に説明しますと、工場で約60店舗分の豚まんの餡と皮を作り、各店へ配送。店舗ではそれをお客さんの目の前で包んで蒸したてを販売します。焼売・エビ焼売、焼餃子は生の状態で配送し、蒸す・焼くの調理をして完成させます。

2〜5階で作られた餡、皮、焼売類を1階へ持っていき備品を合わせ、トラックヤードに集め、全店に配送。基本的に1日4便出ていて、店舗の売れ行き状態で追加を配送します。「上で用意して下で待ち構えて、ほな揃ったいこかー!って送り出されます」。ああ、どこまでも関西人な八田さん、好きです。

いきなり気になる社員食堂! 

工場に入る前にまんまと食い付いてしまった「社員食堂」。551蓬莱の豚まんやラーメンが出てくるのか! いいな! と思いきや、「普通のメニューです。 仕事とは別ということで…」そりゃそうか! 私も作る側だったら何で身内が食べる豚まん作らなあかんねんってなりますわ。

さて本題に戻って工場へ。まずは豚まんの餡、餃子、焼売を作るところへ。

1階にある玉ネギの下処理室です。玉ネギは自動でカッティング。八田さんが泣いているので社員の勤労に感謝しているのかと思いきや、目にしみただけのようでした
玉ネギ様専用のエレベーターで2階へ
ここから2階へ。豚肉も玉ネギと同じサイズにカットします。豚肉が溶けて酸化ないように、冷凍の状態で加工するのがポイントです
あまり混ぜると食感も失われるので、テキパキと
次に醤油を投入
玉ネギをザバッと流し込みます
そして、デンプン。北海道産の良質なデンプンです
「豚まんの味」を振り入れます。味って企業秘密ですか? と聞きましたら、「いえ、家庭にあるごく普通の調味料です。塩、コショウ、砂糖など。配合がポイントなのです」。ほほー!
手前が完成形の豚まんの餡。その奥で焼餃子や焼売を作っています

551蓬莱が関西圏から出ない理由がここにあった…!

あのだらしなく寝てる物体は何だ? と思ったら、これは生地。5階工場で作られています。これも、小麦粉、イースト、砂糖等とシンプルな材料。機械でこねられボトッと台に落ちる姿に、なぜか笑いがこみ上げます。

「生地の発酵」が551を関西不出にしている! 

そして、「551はなぜ関西以外から出ないのか」の答えはここにありました。なんでも生地は発酵度の違いにより、1時間以内で発酵する「スグネタ」、2時間ほどの「普通ネタ」、3時間以上かかる「オサエネタ」の3種に分けられています。生地はこねられてからすぐに発酵が始まっているので、150分以上かかる地域には配送できない。その日にこねた生地で、その日に作った餡を、店舗で包んで販売するという「出来立て」が命なので、どうしても関西圏から店舗を広げられないのです。

それもこれも「食べ物はできたてが一番! 鮮度最優先!」という創業者の想いから。「今日作ったおいしさを毎日お届け」の精神が受け継がれているのですね。素晴らしい!

こちらはエビ焼売の製造シーン。自動で皮に包まれ人の目で検品、生の状態で出荷されます
餃子も自動で作られます。具は豚肉、キャベツ、白菜、ニラ、ショウガ、ニンニク等です
551蓬莱の大人気商品、甘酢団子です。人の手で成形され油で揚げたものがコンベアーで運ばれていきます

特別にアツアツの揚げたて団子を試食させていただきました! 豚ミンチにタマネギで作られた団子。カリッ、ふわっとして、甘酢をかけなくても美味!

甘酢シャワーを浴びて気持ち良さそうな団子たち

あら? お店で包んで蒸し上げるのが信条じゃなかったの?と思うなかれ。こちらは通販と一部店頭で販売しているチルド(冷蔵)商品の製造現場。チルドの豚まんも全て人の手で包んでいます。「コロナで店舗の売り上げが減少する中、通販が好調だったので人員をそちらに充てられました」。雇用を守る姿勢、スゴい!

豚まんの絨毯ですね! この光景は工場でしか見られません

通販限定の「叉焼まん」です!本店で蒸したてを販売していましたが、現在改装中! しかしなんばウォーク店でこっそり売っているそうです。

さて、八田さんが溶接工みたいになっていますが、何をしているかというと…

ここで551の「カラシ」の秘密が暴かれます。

カラシもこの工場で毎日作られていた!

「商品についてくるカラシも、豚まんと同じ消費期限だということを知ってほしい」と八田さん。えー!カラシって冷蔵庫に入れて永遠に保存できるのかと思っていました!

「551のカラシは、からし粉と塩と酢などを混ぜて作られています。保存料が入っていないので日が経つと辛みがなくなり苦みが増し、色も悪くなってきます。早めに食べて下さい」とのこと。知りませんでしたね~!

これは焼売の完成形(生)。こうして、豚まんの生地、餡、焼売、餃子、カラシなどが揃い、各店舗へと運ばれます

豚まんの行方を追って店舗へ

ところ変わってこちらは難波中店。工場から届いた生地と餡がここから見慣れた姿になるわけです。

こうしてスタッフが一つずつ切り分け、
リズミカルかつテクニカルに餡を包んで、
あらよっと! 瞬間芸的なヒダ成型!
ホワワ〜ンと蒸し上がりました。ようやくこの姿になりました。長い旅路じゃったのう
この具の粗々しい感じ、これが551豚まんにしかない食感を生み出しています

社員も大好きな「551蓬莱 パンチャン店」とは!

パンチャン店は4階建ての大バコ店。個室もあってちょいラグジュアリーな雰囲気。社内の食事会などにも使われるそうです

お次はレストランを探訪。551のちゃんとしたレストランがあるってこと、大阪人でも知らない人がいるそうです。551のレストランはサクッと食事ができる百貨店のイートインカウンターを含め大阪府内に19店舗あり、その中でも八田さんと橋詰さんがしきりに「美味しいんですよ!」と絶賛するのは、なんばの駅から徒歩5分ほどの場所にある「パンチャン店」。創業者の台湾読みの名前を冠してある、551蓬莱でも相当気合いを入れている店です。

で、この方がパンチャン店の料理長、頼宗慶(ライ ソウケイ)さん。本場台湾からこの店のために招聘された、一流ホテルでの経験もある凄腕点心師です。

「日本に来て32年。でも全然喋れへん。焼売おいしいで~」と頼さんまで551のド関西な社風にどっぷり浸かっています!

他の551レストラン、イートインとは一線を画するメニューのラインナップ! 「小籠包」(3個510円)から「極上フカヒレの姿煮込み」(5000円)まで、本格点心に台湾料理や中国料理となんでも揃っています。

高級路線かと思いきや、意外とリーズナブル。写真のランチのほか、平日限定の「パンチャンランチ」1050円もあり、例えばこの日は「イカと彩り野菜の塩味炒め・酢豚・ホッキ貝サラダ・ライス(お替わり無料)、スープ、デザート」など日替わり2品に色々付いて大満足! おかずの量もたっぷりです。

「『いっぱい食べてほしい』という料理人の想いが炸裂しているんです。でも他の店舗もボリュームあります」と八田さん。

ここにしかない料理のオンパレード!  

さて、頼さん自慢の点心、せっかくなので片っ端から食いまくってみましたよ。

定番広東焼売(3個510円)。豚肉、エビ、椎茸など具がギュギュっと入っています。卵の黄身で色付けしてあります
海老蒸し餃子(3個540円)。浮き粉と片栗粉を合わせて作った皮からエビが透けて見えるのが色っぽいですね!
「皮が鬼パリパリしてます!」と八田さんがナイスな表現をする春巻(2本540円)。鶏モモ肉、エビ、椎茸、野菜がたっぷり詰まっています
大根餅(2個500円)。大根が入ったムッチムチの生地に、腸詰と干しエビが混ぜ込んであり、噛むほどに干しエビの香ばしさが楽しめます
かぼちゃ付肉蒸し団子(2個540円)。どうやってカボチャをくっつけているんですか?と聞いたら「角切りにしてお肉にギュギュギュギュッてして、あとは重力に任せて蒸したらこうなるそうです」と橋詰さん。「分からへんわ!」と八田さんにツッコまれてました
角煮・くり・落花生入りちまき520円。「店頭販売の商品とは大きさも味も全然違います!」と言ったところで、「あ、もちろんテイクアウト店の551ちまきも美味しいです!」と八田さん。お茶目すぎます
五香足(490円)。歯がいらないぐらい柔らかく鶏足を煮込んであります
担仔ビーフン(460円)。担仔麺もありますが、本場ではビーフンの方がポピュラーだそう。なんと担仔麺、アルデ新大阪店と伊丹空港南ターミナル店でも食べられるそうです!

なんと、551のレストランなのに551の豚まんを出していない…! 

そろそろここが551だということを忘れかけてきた頃、「もちろん551の豚まんもあるんですよね?」と問いましたら、「ありません!」の回答。

というのも、ここで出しているのは「パンチャン特製豚まん」。まず皮が551のものと違い、粉の配合は一緒ですが生地をしっかりこねて、きめ細やかさを出しているんですって。具は、基本の餡に椎茸などを加えており、食感も違います。

パンチャン特製豚まん(2個460円)。551の店頭商品より小ぶりです
生地がしっとり! ジューシー感も格別です

まさかの、551蓬莱でコース料理を食べてみる

3500円〜20000円まで用意。ランチコース2500円もあります

「実はコース料理もあるんですよ」と八田さん。そうなんです、こちらは宴会や家族の会食利用も多いため、コース料理も充実しているのです。

こちらがランチコースB(写真は2人前)。前菜3種盛り合わせ、フカヒレスープ、エビのチリソース、レタス炒飯、牛肉と青梗菜のオイスターソース炒めと551らしさがどこにもありません。しかしよく考えたら551の原点は食堂、中華レストランなので、むしろこちらのほうが551らしいと言えるのかも…!

せっかくなのでお二人に、551蓬莱の社員さんならではの「551あるある」を聞いてみました。 

  • 猫:やっぱりコンビニの肉まんは食べないですか?
  • 八:あまり食べないですが、話題の商品とかは気になって買ったりします。でも、551の方が好き(笑)。
  • 橋:でもうちでは出せない商品もあるので、勉強になりますね!
  • 猫:お二人も豚まん包めますか?
  • 八・橋:もちろん!
  • 猫:包み方って人によって違うんですか?
  • 八:全然違います! というか、時には誰が包んだか見て分かることもあります。
  • 猫:えっ!
  • 八:ヒダの太さや長さなど、作る人はもちろん同じ人が作っても1つ1つ違い、豚まんには「顔」があると私達は言うています。
  • 猫:顔…。
  • 八:なのでキレイな豚まんのことを“美人豚まん”と呼んでいます。でも、そんな造形物のような豚まんがあったり、躍動感を感じる豚まんもあるのは、すべて人の手で作っているからこそ。正解は1つではありません。私たち達の中でもベストオブ豚まんを常に探しています。
  • 猫:(ア、アツいこの人たち…!)話変わって、『蓬莱本館』って551と違うんですか?
  • 八:あ、違います。“蓬莱”は弊社の創業者と、2人の仲間によって立ち上げた会社でしたが、3人はそれぞれ独立。その後「551蓬莱」と「蓬莱本館」、「蓬莱別館」(今は飲食業はしていない)に分かれたんです。
  • 猫:そうなんですね! たまにスーパーなどで見る「蓬莱本館」はやはり「551蓬莱」ではなかったんですね!

 

ちなみにこの日撮影した料理は、3人で責任をもっていただきましたよ!「パンチャン店、ほんま近くにあったら毎日来るわあ〜」「家族連れて来たいです」とお二人。いやあ、551愛をひしひしと感じます。八田さんと橋詰さんを採用した人事担当者、見る目ありますよ。

余談ですが、猫田が大阪に転居する際に不動産屋の若いおにーちゃんに、「この物件、551蓬莱のレストランがすぐそばなんですよ! 絶対ここ住むべきですよ!」とゴリ押しされました、というエピソードをお二人に話しましたら、「その人スゴい! スカウトしに行こ」と笑わせてくれました。どこまでも関西人(笑)!

現在、戎橋筋商店街の本店は改装中。秋頃にはリニューアルオープンし、内装もメニューもかなり変わるかも? とのことです。なので本店から歩いて10分ほどのパンチャン店に行ってみてください。頼さんが大歓迎してくれますよ。

※価格は全て税込です。

  • 難波中店 大阪市浪速区難波中1-17-12
  • パンチャン店 大阪市浪速区元町1-10-2

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  • 取材・文・写真猫田しげる

    1979年生まれ。タウン誌、旅行本、レシピ本などの編集・ライター業に従事。現在はウェブライターとしてデカ盛りから伝統工芸まで幅広い分野で執筆。弱いのに酒好きで、「酒は歩きながら飲むのが一番旨い」が人生訓。

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