有能なスタッフの離脱が加速する「ヤバいテレビ界」の内実

連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television

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『ゴッドタン』などの人気番組を担当するテレビ東京の佐久間宣行プロデューサー(45)が3月末で退社。今後は個人として活動すると発表された。

地上波テレビから“戦力外通告”されたと痛感した石橋は、マッコイ斉藤氏ら有能なテレビスタッフを連れてYouTubeへ殴り込み。大成功した

「テレ東は管理職に就けたかったが、佐久間さんはまだまだ現場に立ち続けたかったということです。今後も『ゴッドタン』などの担当は続けますが、外部プロデューサーとして参加することになります。佐久間さんが企画した配信イベントは1億5000万円もの収益を上げました

レギュラー出演している『オールナイトニッポン0(ゼロ)』(ニッポン放送)の配信イベントもチケットが1万7000枚以上売れた。演者として人気があることも独立を考えるキッカケになったのは間違いない。今後はテレビの枠を超えた活動をするでしょう」(テレビ東京社員)

実はここ数年、優秀なテレビマンたちの地上波テレビ離れが加速している。

「『とんねるずのみなさんのおかげでした』や『めちゃ×2イケてるッ!』(ともにフジテレビ系)など歴史あるバラエティー番組が立て続けに終了したあたりから、『コンプライアンスを理由に制限だらけ。やりたいことができない』と動画配信サイトやネットTVに転身するスタッフが出始めた。コロナ禍でテレビ局が制作費とスタッフを大幅にカットしたことで、この動きが一気に加速した印象があります」(放送作家)

テレビ局がスタッフをリストラする一方、芸能人ユーチューバーやライブ配信が増加。動画編集に長けたスタッフの争奪戦が発生しているという。

「ネット番組の収録ができるスタジオや生放送のノウハウを持っている制作会社もバブル状態ですよ。事務所名義で長期間、スケジュールを押さえられたりしています」(制作会社ディレクター)

「テレビ局より報酬がいいこともザラです」と前出の放送作家は語る。

「『dTV』などの新規メディアは経験も実績もないから、高額ギャラを提示してまずスタッフや出演者の囲い込みに動きます。最近では、テレビの人気番組を担当しているスタッフより、ネット配信系の番組をメインで担当している放送作家や制作会社のほうが稼ぎがいい、という逆転現象が起きています」

石橋貴明(59)など、YouTubeで再ブレイクを果たす芸能人が増えているが、スタッフのギャラは再生回数に応じて増える歩合制が一般的になりつつあるそうだ。

「総収入をタレントとスタッフで折半するケースが多いですね。成果報酬みたいなものですから、スタッフは再生回数を稼ぐべく懸命に働く。万一、再生回数が伸びなくとも、ギャラを安く抑えられる。どちらに転んでもタレント側は美味しいというわけです」(芸能事務所幹部)

新型コロナウイルスの脅威が去っても、テレビ不況は続く。広告代理店関係者はそう分析している。

「優秀なスタッフの多くが新規メディアの仕事にシフトしてしまった。コロナが終息してテレビ局がスタッフを拡充しようとしても、いい人材は獲れないわけです。番組の質の低下は免(まぬが)れないでしょう。そうなると、ますます広告は新規メディアに奪われるでしょう」

人は城――裏方さんの地上波離れでオワコン化が加速しかねない。

『FRIDAY』2021年3月26日・4月2日号より

  • 香川貴宏

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