テレビ業界のコンプライアンス遵守が招く「ヤバい失言リスク」 | FRIDAYデジタル

テレビ業界のコンプライアンス遵守が招く「ヤバい失言リスク」

スタッフは見た!週刊テレビのウラ側

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東京五輪・パラリンピックの開閉会式の企画・演出を統括する予定だったクリエイティブディレクターの佐々木宏氏(66)が、お笑い芸人の渡辺直美(33)を豚に見立てた演出を提案していたことがわかり、辞任に追い込まれた。

”オリンピッグ”プランが提案されたのは1年前で既に撤回されていたが、統括クリエイティブディレクターは一発で退場となった
”オリンピッグ”プランが提案されたのは1年前で既に撤回されていたが、統括クリエイティブディレクターは一発で退場となった

松本人志(57)が『ワイドナショー』(フジテレビ系)で「まだ料理はできていないのに、つまみ食いをして『まずい』と言うようなもの」と苦言を呈すなど、一部から「厳しすぎるのではないか」との声が上がったが、キー局ディレクターによれば「佐々木氏の発言は完全にアウト」なのだという。

「ここ数年、テレビ界でNGワードが飛躍的に増えている。締め付けが厳しくなっているんです。当然ながら身体的特徴をネタにしたもの、女性蔑視に繋がる発言、暴力的な言葉はタブーです」

いわばテレビ局側の自主規制だが、その影響は、キャスティングにハッキリと表れているという。

「60歳以上の俳優やタレントが呼ばれる機会が激減しましたね。昔の感覚が抜けず、『女のクセに』などと悪気なく言ってしまう可能性があるからです。以前、生放送の情報番組にゲスト出演した銀幕スターが『実弾を撃ったことがある』などNGワードを連発して現場を凍り付かせ、ブラックリスト入りしたのは有名な話です。大御所芸能人のリストラが進んでいますが、ギャラが高額なことに加え、コンプラ意識の低さも干される一因になっています」(制作会社プロデューサー)

このプロデューサーによれば、「生放送の番組で起用する際は、キャスティング会議でSNSでの過去の投稿もチェックされる」という。

「収録番組のように法務セクションの審査を通したり、編集したりできないですからね。たとえばラサール石井(65)は高学歴で博識だから、かつて情報番組のコメンテーターとして重宝がられていました。ところが、浅田真央(30)に関して『表現力をつけるために彼氏を作ってエッチするべきだ』という主旨のツイートをして大炎上した。その後も他の文化人とツイッター上で口論したり、政治的発言を繰り返したりしているから、どこの局も使いづらい…と言われています。

他にもベストセラー作家でトークも面白いコメンテーター向きの先生がいらっしゃるんですが、SNSで痛烈なテレビ批判を繰り広げていたりしていたため、起用を見送ったことがあります」

かくして出演タレントの小粒化、若返りが進んでいるのだが――芸能プロ幹部が警鐘を鳴らす。

「昔は先輩タレントやマネージャーが厳しく指導していたが、パワハラだと告発されるのを恐れて注意しなくなった。自分の興味のあることしか調べなくなり、無知なため、炎上じゃ済まない問題発言が飛び出すリスクが生じている」

コンプラ遵守のための対策が、より深刻な失言リスクを抱えるハメになるとは、皮肉としか言いようがない。

『FRIDAY』2021年4月9日号より

  • PHOTO島 颯太

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