<figure id="attachment_170985" aria-describedby="caption-attachment-170985" style="width: 4928px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9d25e367"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/03/e189195c687dbb7bfabaab8a85d00359.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-170985" class="wp-caption-text">18年11月、千葉県の山武南中学で講演し関係者から花束を受け取る古賀さん。勝つための極意を生徒に話した</figcaption></figure>
「夢を持ち、かなえるためには努力すること。１番になるには、誰よりも努力しなければならない。夢の重さと同じ努力ができる人に、成功のチャンスが与えられます」
これは生前に古賀稔彦さんが、18年11月に訪れた千葉県の山武南中学校の生徒たちに講演した際の言葉だ。バルセロナ五輪柔道71kg級金メダリストの話に、生徒は目を輝かせ聞き入っていたという。
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３月24日、古賀さんが神奈川県川崎市の自宅で53歳の若さで亡くなった。前年にガンの手術を受け、闘病生活を送っていたという。突然の訃報に、柔道界には衝撃が広がっている。60kg級で96年のアトランタ五輪以来、３大会連続で金メダルを獲得した野村忠宏氏は、所属事務所のホームページに次のようなコメントを発表した。
〈バルセロナオリンピックで古賀稔彦選手が怪我をかかえながら、不屈の闘志、豪快な柔道で金メダルを獲得した姿を見た瞬間、当時高校生だった私にとって憧れの選手となりました。（中略）『平成の三四郎』の早すぎる訃報が信じられません。指導者としても、まだまだ柔道界を盛り上げてほしかったです。ご逝去を悼み、心からご冥福をお祈り申し上げます〉
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バルセロナ五輪直前、乱取り中に左ヒザを負傷。激痛と、運動できないことで減量もままならない困難を乗り越え、痛み止めを打ちながら金メダルを獲得したエピソードは伝説となっている。豪快な背負い投げを決める姿から、「平成の三四郎」とも呼ばれた。
決して天才、のひと言では言い表せない。努力の人だった。冒頭の中学生への講演では、こうも語っていた。
「小学校のころ、柔道の試合に負け悔しい思いをしました。父親からは、こう教えられた。『勝ちたければ、他の選手が寝ている間、遊んでいる間にがんばらなければならない』と。それからは、近くの神社で毎朝150段の石段を往復して身体を鍛えました」
全日本柔道連盟の強化委員や自身の道場「古賀塾」で、後進の育成に努めていた古賀さん。どんなにツラい状況でも諦めない姿勢には、柔道選手はもちろんのこと、多くの人々が学んだはずだ。
<figure id="attachment_170989" aria-describedby="caption-attachment-170989" style="width: 4928px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="509dad4b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/03/740b6530027670001f1d5319e36a4514.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-170989" class="wp-caption-text">講演会場を後にする古賀さん。満足そうな表情が印象的。18年11月撮影</figcaption></figure>
<figure id="attachment_170992" aria-describedby="caption-attachment-170992" style="width: 4928px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="fcc1b224"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/03/f21249969d8140741a578f51d06ddbf5.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-170992" class="wp-caption-text">講演後、関係者と談笑。18年11月撮影</figcaption></figure>
<figure id="attachment_170994" aria-describedby="caption-attachment-170994" style="width: 4928px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="cf2ab0ec"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/03/76fc5a872310a79398d0ca6ac6e80dd8.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-170994" class="wp-caption-text">会場には当時の東京五輪パラリンピック担当相の桜田義孝氏の姿も（中央）。18年11月撮影</figcaption></figure>
<figure id="attachment_170996" aria-describedby="caption-attachment-170996" style="width: 4928px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0fa144fa"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/03/01438937f6358318b054db0475ddbc1f.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-170996" class="wp-caption-text">中学生の父兄に見送られ講演会場を後にする。18年11月撮影</figcaption></figure>

結束武郎

バルセロナ五輪の柔道金メダリスト古賀稔彦さんが亡くなった。53歳の若さだった。昨年からガンの闘病を続けていたという。18年11月に、千葉県内の中学生に語った感動の講演を再現。古賀さんの言葉に勇気がわく

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