福田雄一、福澤克雄ほか急増中!『〇〇屋』所属のメリットとは
スタッフは見た!週刊テレビのウラ側
『TOKIO』の長瀬智也(42)が3月末をもって芸能活動を引退。今後の動きが注目されている。
「最後の仕事は『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)以来、多くの作品でタッグを組んだ宮藤官九郎(50)脚本のドラマ『俺の家の話』(TBS系)でした。これまでの長瀬の主演作をイメージした演出があったり、長瀬の近況とダブる台詞(せりふ)を入れ込んだり、『クドカン組』の絆の強さを感じられる作品になっていて、『1月クールのドラマでは一番』と評価するウォッチャーが続出しました。
長瀬は制作に興味を持っていますから、『クドカンの弟子になるのでは?』と予想する声も上がっていますね」(テレビ誌編集者)
同作の第9話には、ムロツヨシ(45)が逆オファーする形でゲスト出演しているが、このムロの行動がドラマ界でさまざまな憶測を呼んでいる。
「ムロがたまたま同作のロケに遭遇し、長瀬の最後の作品ということもあって『出たい!』とアピールしたところ、オファーが届いた――という経緯だったそうです。ただ、ここ最近、ムロが福田雄一監督作品のイメージを払拭(ふっしょく)したがっているとウワサされていたので、『あのウワサは本当だったのか?』と盛り上がったのです」(キー局プロデューサー)
福田雄一氏(52)といえば、ムロの出世作でもある『勇者ヨシヒコシリーズ』(テレビ東京系)のほか、『今日から俺は!!』(日本テレビ系)などの話題作を次々手掛けた売れっ子監督だ。ムロや佐藤二朗(51)、橋本環奈(22)など、福田作品で度々起用される俳優たちは「福田組」と呼ばれているのだが――。
「福田監督は役者の個性を引き出すため、アドリブを最大限に生かすことで知られています。逆に言えば、演技派役者に丸投げしているわけです。この手法で新たな魅力が引き出されてブレイクした俳優がいる一方、役者への負担が大きいため、福田作品に役者を出したがらない事務所もあると聞きます。だからこそ、福田作品に出る役者たちは同じ顔ぶれになる」(芸能プロ幹部)
アドリブを生かすゆえ、どうしてもオーバーリアクションになってしまうのも、福田作品の弱点だと言われている。
「クセの強さゆえ、コメディ系の作品での起用に二の足を踏むスタッフも少なくないんですよ。ムロぐらいのキャリアと実力があれば、『福田組』に括られなくても、十分にやっていける。逆に『クドカン組』へ接近することで新たな魅力を引き出してもらえる可能性がある。実際、ムロ側はさまざまな作り手へアプローチしていると聞きます」(映画会社関係者)
もちろん、福田氏のような辣腕(らつわん)監督やクドカンのようにキャスティングに影響力を持つ脚本家に「ハマる」こと自体は悪くない。
「ヒットメーカーだからこそキャスティングに口を出せるわけです。そんな作り手と出会えるだけで、役者としては幸運ですよ。『半沢直樹』(TBS系)を手がけた福澤克雄監督(57)は無名の役者であっても、弱小事務所の所属でも、実力さえあれば使ってくれる。気に入られれば長期にわたって起用されます。芸能事務所からしてみれば、『福澤組』は若手をハメたいナンバーワンですね」(前出の芸能プロ幹部)
売れるためには処世術も大切なのだ。
『FRIDAY』2021年4月30日号より
撮影:近藤裕介