ワイドショーの変化で加速する「テレビリポーターのオワコン化」 | FRIDAYデジタル

ワイドショーの変化で加速する「テレビリポーターのオワコン化」

スタッフは見た!週刊テレビのウラ側

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『ラヴィット!』のMCを務める川島。「視聴率1%でもTBSが強気なのはインフォマーシャルが成功しているからだろう」(テレビ専門誌記者)
『ラヴィット!』のMCを務める川島。「視聴率1%でもTBSが強気なのはインフォマーシャルが成功しているからだろう」(テレビ専門誌記者)

『DMM.com』と『朝日放送グループホールディングス』が設立した『ONE DAY DESIGN』が4月12日から本格始動。関西ローカルで通販バラエティ番組をスタートさせ、テレビとECの融合に乗り出した。

「ネットの広告費がテレビを上回り、スポンサーのテレビ離れが加速するなか、コロナ禍が直撃。激減した広告費を取り戻すため、各局、通販やインフォマーシャル(長尺の商品PR番組)に力を入れ始めています」(広告代理店関係者)

インフォマーシャルが増えたシワ寄せは思わぬところに来た。情報番組のリポーターたちである。

「この春から始まった新情報番組『ラヴィット!』(TBS系)で、MCの川島明(42)が『この番組は事件も芸能も扱いません』と宣言していた通り、リポーターの出る場面が激減しているのです。スポンサーの商品紹介は出演者がやればいい。

最近では、出演オファーの際に〝インフォマーシャルの出演料含む”という条件が入っていることが多い。番組にとっても、別途リポーターを起用せずに済むから、人件費を削減できるというメリットがある」(キー局プロデューサー)

ステイホームで在宅時間が増え、家電や生活用品の売り上げが伸びていることも各局の番組作りに影響している。先の『ラヴィット!』はその典型だ。

「前番組の『グッとラック!』はコロナも芸能スキャンダルも扱っていましたからね。制作もニュース系から『ジョブチューン』などを作っているバラエティ系の部署に代え、宣伝臭くならないよう、出演者には『EXIT』や『ぼる塾』といった若手芸人やギャル曽根(35)らママタレを多数起用しています。

若手でCM出演している人はまれだから、競合他社を気にしなくていいし、笑いのスキルが高いから、面白おかしく商品をPRしてくれる。彼らはありがたい存在なのです。インフォマーシャルは広告と同じ扱いなので、スキャンダルだけはNGですけどね」(制作会社ディレクター)

同じTBS系で言えば、『王様のブランチ』から美女リポーター(通称「ブラン娘」)が続々と卒業し、新たに桜井和寿の息子・Kaito(20)らイケメンタレントが3人加わったのも「スポンサーの意向を反映したもの」だと芸能プロ幹部は言うのである。

「主に家庭用品を買うのは若い女性やママ世代。そこに刺さるイケメンを起用したほうが、広告効果が上がるという判断ですよ。実際、若い男性タレントや俳優の需要は高まっていて、芸能事務所側も発掘・育成に力を注いでいます。リポーターの仕事は減っていく一方でしょう」

前出の制作会社ディレクターは「視聴者の芸能リポーターアレルギーも逆風が吹いている原因」だと指摘する。

「昨年12月の『アンジャッシュ』渡部建(48)の謝罪会見が影響していますね。平身低頭する渡部をリポーターたちが取り囲み、袋叩きにする様子が繰り返し放送され、『バイキングMORE』(フジテレビ系)ではMCの坂上忍(53)が『そこまで言う資格があるのか』とリポーターに不快感を示した。各局、芸能ネタを扱う時間を減らす傾向にあります」

テレビの黄金時代の終わりとともに、リポーターも消えゆくのだろうか。

『FRIDAY』2021年5月21日号より

  • 撮影田中俊勝

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