平慶翔の逆転勝利を導いた愛梨&祐奈姉妹と妻の「抜群の存在感」
「家族の絆が固いんですよ。父、母の誕生日には6人兄弟全員で集まってお祝いもしています。今日は最終日で弟が身も心も削って頑張る姿に居ても立ってもいられなくなりました」
“百合子グリーン”に身を包み、こう語るのは女優の平愛梨(36)。都議会議員選挙最終日の7月3日、弟で都民ファーストの会から出馬した平慶翔(33)の最後の訴えを見届けにきた。
彼が立候補した千代田選挙区は“都議会の首領(ドン)”と謳われた内田茂・元自民党都連幹事長の地盤であった。娘婿の内田直之氏が出馬し、板橋選挙区からの鞍替えの平氏は、事前予測では「苦戦」となっていた。
義弟の苦戦を聞いてか、選挙戦初日の6月25日には、愛梨の夫でサッカー元日本代表の長友佑都(34)がサプライズで応援に駆けつけた。
「大切な家族です。でも弟だから来たわけじゃない。誠実な男なんです」
そう訴え、聴衆を沸かせた。愛梨は夫のことを「ナガトモさん」と呼びながら、こう振り返った。
「あの応援は私や誰かに頼まれからではなく、ナガトモさんが『応援に行く』と言ってくれたからです。スポンサー契約している会社もあるのに、『家族なんだから』とカッコよかった」
家族の絆はこんなところにも伺えた。最後の演説地である飯田橋駅近くのサクラテラスの敷地内を3歳の長友ジュニアが所狭しと駆け巡る。「駄目よ!」「止まって!」と叫びながら妹で、タレントの平祐奈(22)が追いかける。長友ジュニアは3歳児と思えぬ機敏さと運動量を発揮し、叔母を翻弄するも、慶翔夫人の美咲子さん(33)に身柄を拘束されると、「ママ〜ぁ」と泣き出した。じゃがりこをぼろぼろ落としながら食べる長男の姿に悲鳴をあげながら、愛梨はこう語る。
「まだ何もスポーツをさせてないのですが、もう追いつけない。将来、セリアAのピッチを駆けてますかねぇ(苦笑)。ナガトモさんも小さいときは落ち着きがなく、『俺にそっくりだ』と笑っています」
弟・慶翔氏の幼少期を尋ねるとこう返した。
「ピアノを覚えるときは集中して短期間で弾けるようになったり、兄弟でいちばん多彩で器用。友達も引き連れて遊びにいったりとリーダーシップもある。政治家は慶翔に合っている」
妹の祐奈も「政治は世のため人のためになり、素晴らしい仕事。ぜひ頑張って欲しいし、兄弟、家族一丸となって支えていく」と次回の応援も期待できようか。
美咲子夫人は高校時代の同級生で、今は2人の娘を育てながら、政治活動を側面支援しているという。
結果はご存じの通り。慶翔氏は3人の美女と義兄の支援、そして小池百合子知事の応援も追い風となってか、千代田選挙区で逆転勝ちを収めたのだった。慶翔議員はこう語る。
「家族全員のサポート、家族全員で応援をしてくれる。政治に限ったことでなく、芸能活動をしている妹の映画が封切られ、舞台挨拶があれば家族全員で応援に行く。家族のサポートは力になっている」
支援者らへの当選挨拶が済んだ後、“ナガトモさん”も交えた平ファミリーの祝勝会が開催される見込みだという。都民と家族の期待を背負った慶翔議員は、それに応えることができるだろうか。
- 取材・文:岩崎大輔
ライター
1973年、静岡県三島市生まれ。講談社『フライデー』記者。政治を主軸にしているものの、格闘技やビジネスレポートなどの取材もしている。著書に『ダークサイド・オブ・小泉純一郎 「異形の宰相」の蹉跌』(洋泉社)、『激闘 リングの覇者を目指して』(ソフトバンク クリエイティブ)、『団塊ジュニア世代のカリスマに「ジャンプ」で好きな漫画を聞きに行ってみた』(講談社)がある。