千葉真一さん 50年来友人が明かすコロナ感染疑う「六本木の夜」
芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”
<芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”>
東映のアクションスターとして一世を風靡した千葉真一さんが、新型コロナウイルス感染による肺炎で倒れた。82歳だった。
真田広之さん、志穂美悦子さんらを配し、アクション集団「ジャック」(アクション学校)を創立。日本映画界に大きく貢献したスターだった。
“女優・野際陽子さんの元夫”と言っても若い人にはわからないかもね。やはり今は俳優・新田真剣佑、真栄田郷敦さん、女優・長瀬樹里さんの父親と言ったほうが分かってもらえるかな。
お笑い界の巨匠だった志村けんさん、女優の岡江久美子さんなどに続いて、銀幕のスターがコロナによって命を奪われてしまった。
「突然の死。千葉さんのことを思うと毎日寝られないんです。走馬灯のように千葉さんとの思いが頭に浮かぶ」
そう苦しい胸の内を明かしてくれたのは、千葉さんと50年来の友人だったXさん。映画製作の失敗で生活に困窮する千葉さんのCMを契約したり、全国でディナーショーを企画したりと、公私ともに付き合いのあった人だ。
離婚した千葉さん、野際さんで名古屋のホテルの1回限りのディナーショーも行った。また、千葉さんが持っていた出演映画にまつわる記念品で、「千葉真一展」を開いたこともあったX氏。
「7月29日が、千葉さんとたまたま会った最後の日になりました。東京・六本木にある地下1階の店でした。
最初、客は1人もいなかったんですが、他の客がどんどん入ってきて。『コロナが危ないから帰ろう』と何度も声を掛けたんですが、ワインを飲んでいた千葉さんは帰ろうとせず、結局私が先に帰ることになりました」
とXさんは、その日が感染した日ではないかと予想する。もちろん他に立ち寄ったところもあっただろうけど、千葉さんの体調が大きく変化したのは8月に入ってからだ。
PCR検査で陽性判明。数日間自宅療養し8日に入院。19日午後5時26分、帰らぬ人になってしまった。
「千葉さんは体力に自信があったのでしょう。“オレは、ワクチンなんて打たない”と、ずっと言っていました。確かに体は丈夫で元気でしたが…」
とXさん。
‘59年、東映のニューフェースとして入社。同期には女優の太地喜和子さんもいた。波乱万丈に生き、アメリカ・ハリウッドでは「sonny chiba(サニー千葉)」として、活躍したこともあったが、夢だったハリウッドでの映画監督は実らなかった。だが、演技だけでなく後進の育成など、日本映画界に大きな影響を与えた一人であったことは間違いないだろう。合掌。
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取材・文:石川敏男(芸能レポーター)
‘46年生まれ、東京都出身。松竹宣伝部→女性誌記者→芸能レポーターという異色の経歴の持ち主。『ザ・ワイド』『情報ライブ ミヤネ屋』(ともに日本テレビ系)などで活躍後、現在は『めんたいワイド』(福岡放送)、『す・またん』(読売テレビ)、レインボータウンFMにレギュラー出演中
写真:ロイター/アフロ