SNS上で活動報告…「膣ドカタ」を自称するオンナたち | FRIDAYデジタル

SNS上で活動報告…「膣ドカタ」を自称するオンナたち

現役慶應大生が描くぴえんなリアル 令和4年、歌舞伎町はいま…… 第2回

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システムエンジニアなどのIT技術者を指す、「ITドカタ」という言葉をご存知だろうか。不安定で厳しい労働環境で働く者を土木作業員(=ドカタ)にたとえる傾向は、IT業界だけでなく、歌舞伎町の夜の世界で働く女性の間でも広まっている。それが、「膣(ちつ)ドカタ」という言葉だ。

ツイッターで「膣ドカタ」と検索すると、自虐的な内容や稼いだ額の報告などさまざまな投稿が見られる

この言葉は、’16年末に突如ツイッター上に現れた「暇な女子大生」なるアカウントが発祥とされる。現役慶應女子大生を名乗るこのアカウントは、Tinderなどのマッチングアプリで出会ったハイスペック男性(高学歴や高収入男性のこと)との情事を「ちんぽの食べログ」として投稿。さらに、肉体労働者のごとく性行為に勤しむ自身のことを「膣ドカタ」と称した。

「暇な女子大生」は’18年末に更新を停止しているが、彼女が残した「膣ドカタ」というワードは、その後、身体を使って稼ぐ女性の間で広く使用されるようになった。たとえば、パパ活ではこれまで、男性と肉体関係を結ぶことを「大人」と呼ぶケースが多かった。しかし最近は、「大人」のことを「ドカタ」と呼ぶケースが増えてきている。筆者の個人的な感想だが、「大人」よりも女性側の覚悟や潔(いさぎよ)さが感じられて好感が持てる。

また、ソープやデリヘルなどの風俗業で働く女性の間では、自虐的に使われることもある。客との枕営業をしているキャバ嬢を指し、別のキャバ嬢が「あいつは膣ドカタで売り上げを立てている」と揶揄(やゆ)するケースもある。

とはいえ、「膣ドカタ」という言葉が流行しているのは、若い女性の間での話。ツイッター上では、本物の土木作業員の男性と女性との間でこんなやり取りがあったこともある。あるパパ活女子が「ドカタで今日は20万」とつぶやいたところ、「俺は1ヵ月頑張っても20万もらえない…どこの職場?」と、土木作業員の男性がリプライを送ったのだ。

ちなみに、「膣ドカタ」はSNS上で、こんな絵文字で表現されることが多い。ハンマーとツルハシを組み合わせた絵文字だ。

絵文字でツイッターを検索すると、その仕事模様が溢(あふ)れ出てくる。たとえば、

「定期Pと(絵文字)5からの在籍(絵文字)8時間でギリギリ10超えた」

というツイート。これを翻訳すると、「定期的に会っているパパ活相手の男性と膣ドカタをし、5万円をもらった後に勤め先であるソープランドに8時間出勤した。それによって今日の収入はギリギリ10万円」となる。こうした絵文字を使っての投稿は、140文字という字数制限のあるツイッターの特質によって広まったとみられる。

せっかくなので、パパ活用語も解説したい。パパ活相手のことは「P」と呼ぶ。「定期P」に対して「新規P」は、最近会い始めたばかりのパパのことだ。また、パパ活相手のことを「おじ」と呼ぶケースも増えてきている。「おじ」の種類としては、「イケおじ」=イケてるあるいはイケメンのおじさん、「若おじ」=パパ活をするには若干若い年齢のおじさん(30代半ばを指す。20代は「若P」と略される)、「キモおじ」=キモいおじさんなどが存在する。

「膣ドカタ」をしている女性たちは、効率的に大金を稼ぎたいと考えているケースがほとんどだ。彼女たちは自身の仕事をリアルの友人には言えない。だからこそ、略語を使って自身の頑張りをツイッターに投稿し、同じ境遇にいる人と共有しているのである。ツイッター上には今日も、「膣ドカタ」の報告、そしてそれを評価し合う女性たちが溢れている。

佐々木チワワ
’00年、東京生まれ。小学校から高校まで都内の一貫校に通った後、慶應義塾大に進学。15歳から歌舞伎町に通っており、幅広い人脈を持つ。

大学では歌舞伎町を含む繁華街の社会学を研究している。
『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認 』(扶桑社新書)が好評発売中

『FRIDAY』2022年1月28日号より

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