<figure id="attachment_229625" aria-describedby="caption-attachment-229625" style="width: 2347px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c4959a9a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/02/1Y8A8880.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-229625" class="wp-caption-text">フジャイラの皇太子（右）とオーナーの田中さん。貸し切りではなかったため常連客（左）も一緒に記念撮影</figcaption></figure>
ポタリ、ポタリ。
年季の入った樽の蛇口から、１滴ずつスプーンに落ちる黒い液体。溜まるまでしばらく待った後、こぼれないように慎重にスプーンを口へと運ぶ。
「う、旨(うま)い。旨すぎる……」
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
FRIDAY記者は思わず唸(うな)った。まず広がったのは、まるでチョコレートのような甘さだ。次の瞬間、とろみのなかにコーヒーのわずかな苦みが感じられた。濃厚でいて爽やか、そして、芳醇(ほうじゅん)な香りとコク。記者歴30年、さまざまな喫茶店を訪ねてきたが、こんなコーヒーは未だかつて味わったことがなかった。
「コーヒーは濃くすると、酸化して酸っぱくなるというのが常識。しかし私は、常識外れな抽出方法を見つけて今のコーヒーが生まれました。普通だとコーヒーは15gの豆から200ccを抽出します。でもうちは、最高級のさまざまな豆1.5kgから200ccだけ。４時間かけてじっくりと抽出しています」
そう語るのは、大阪・八尾市のコーヒー専門店『ザ・ミュンヒ』のオーナー・田中完枝さんだ。記者が驚愕したこの店の名物である「熟成コーヒー」は、マイナス３度の樽の中で現在、26年を超えて27年目に突入。そのお値段は、スプーン１杯で2500円、カップ１杯で11万円（税込み）という究極の逸品だ。
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
「『熟成コーヒー』を飲みに、日本中からお客さんが来てくれはりますね。10日熟成や熟成なしのコ—ヒーも出していますから、みなさん３種類くらい飲んでいかれます。27年モノのコーヒーを飲んで行く人は、みんな一生に一度。本物のコーヒー好きしかいないですね」
『ザ・ミュンヒ』の「熟成コーヒー」は、国内のみならず世界のコーヒーマニアの間でも有名だ。&#8217;19年10月には、なんとアラブ首長国連邦を構成する７つの首長国のうちの一つ、フジャイラ首長国から、ムハンマド・ビン・ハマド・ビン・ムハンマド・アル・シャルキー皇太子がお忍びで来店した。
「アメリカの有名なユーチューバーにうちの店が取り上げられて、皇太子はそれを観て興味を持ったらしいですわ。天皇陛下の即位の礼で来日したタイミングで、うちにも寄ってくれはった。通訳やらＳＰやら引き連れて、全部で８人で来てました。もちろん、飲んだのは11万円のコーヒー。えらい感動しはって、お土産にコーヒーカップをくれましたよ」
アル・シャルキー皇太子がほかのアラブの王族に伝えたのだろう。その後、ドバイの皇太子からも『ザ・ミュンヒ』に来店希望の連絡があったという。
「一昨年の４月と、去年やったかな。皇太子の来日をアテンドする旅行会社の人から電話があってね。『ドバイの皇太子が行きたがってる』と。でも、結局、コロナで来られなかった。オミクロンが落ち着いたら、来てくれはると思いますよ」
アラブの王族も認める「熟成コーヒー」。朝６時〜深夜３時半まで営業しているので、ご興味ある方はぜひ一度足を運んでみてはいかがだろうか。
<figure id="attachment_229626" aria-describedby="caption-attachment-229626" style="width: 1878px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="61ea33f5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/02/1Y8A8929.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-229626" class="wp-caption-text">「26年熟成」のコーヒー樽は２つ。残り１つになったら封印し、30年熟成になったら16万円で販売するという</figcaption></figure>
<figure id="attachment_229630" aria-describedby="caption-attachment-229630" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0604e152"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/02/1Y8A8958.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-229630" class="wp-caption-text">八尾市の住宅街にある&#8217;81年創業の老舗。店はオーナーの田中さん一人で切り盛りしている</figcaption></figure>
<figure id="attachment_229627" aria-describedby="caption-attachment-229627" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="614e69c1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/02/1Y8A8937.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-229627" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　大阪・八尾市『ザ・ミュンヒ』の26年熟成「１杯11万円」絶品コーヒーを飲んでみた</figcaption></figure>
<figure id="attachment_229628" aria-describedby="caption-attachment-229628" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6b8916a0"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/02/1Y8A8949.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-229628" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　大阪・八尾市のコーヒー専門店『ザ・ミュンヒ』のオーナー・田中完枝さん</figcaption></figure>
<figure id="attachment_229629" aria-describedby="caption-attachment-229629" style="width: 1667px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2296180f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/02/1Y8A8956.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-229629" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　大阪・八尾市『ザ・ミュンヒ』の26年熟成「１杯11万円」絶品コーヒーを飲んでみた</figcaption></figure>
『FRIDAY』2022年2月25日号より

加藤 慶

アラブ首長国連邦の皇太子も味わったという1杯11万円の熟成コーヒー。大阪・八尾市のコーヒー専門店「ミュンヒ」は世界のコーヒーマニアの注目を集めている。本誌記者も思わず唸ったそのコーヒーの味とは――。

26年熟成…！「１杯11万円」絶品コーヒーに隠された秘密

あなたへのオススメ