放送枠が大幅増!「令和のドラマバブル」が起った根本背景 | FRIDAYデジタル

放送枠が大幅増!「令和のドラマバブル」が起った根本背景

スタッフは見た!週刊テレビのウラ側

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広瀬アリス(27)が4月クールのドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ・フジテレビ系)と『探偵が早すぎる~春のトリック返し祭り~』(日本テレビ系)の2作で主演を務める。

昨年秋、都内で行われた『恋なんて、本気でやってどうするの?』のロケ。何テイク撮り直しても、広瀬は常に笑顔でスタッフを和ませていた 撮影:近藤裕介
昨年秋、都内で行われた『恋なんて、本気でやってどうするの?』のロケ。何テイク撮り直しても、広瀬は常に笑顔でスタッフを和ませていた 撮影:近藤裕介

「『探偵が早すぎる』が先に決まっていたのですが、どうしても広瀬に出てほしかったカンテレは、同作と撮影が被らないようスケジュールを半年前倒しして対応しました。実は『探偵が早すぎる』で広瀬とW主演を務める滝藤賢一(45)も、3月に開局したBS松竹東急で放送中のドラマ『家電侍』とのかけもち主演をしています」(テレビ誌編集者)

今春、松竹東急のほか吉本興業やジャパネットも新たにBS事業に参入。地上波でもTBSとフジテレビ、テレビ東京がドラマ枠を増設し、NHKは月曜から木曜の夜に15分の帯ドラマ枠『夜ドラ』を新設した。かけもち出演が増えた背景には、BS局の増設やドラマの隆盛があるのだ。

「コロナ禍で動画配信サービスが一気に定着し、ドラマは安定して視聴される鉄板コンテンツとなりました。バラエティ番組は時事ネタが意外に多く、すぐに古くなってしまう。制作費に大差がないなら、長く稼げてマネタイズしやすいドラマに力を注ぐのは自然の成り行きです」(キー局プロデューサー)

地上波やBSに加えて、『FOD』や『Paravi』、『Netflix』など動画配信サービスもオリジナル作品に力を入れているので、「人気俳優を抱える事務所には絶え間なくオファーが届いている状況」(広告代理店関係者)だという。

俳優バブルの到来かと思いきや、「そう甘いものではない」と首を振るのは芸能プロ幹部である。

「ドラマ枠の増加と反比例して、制作費が下がっているんですよ。アイドルや2.5次元俳優を主演に起用した特定のファン向けの作品の脇役だと、3日稼働してギャラは1万円なんてこともある。『経験を積ませるため』と割り切ってやっています。制作費が少ないのでマネージャーの弁当や交通費が出ず、俳優1人で現場に行ってもらうケースも多いですね。作品の増加に伴い、ドラマ制作の経験が浅いスタッフも増えているので、撮影現場で意思疎通が上手くいかないこともよくあります」

予算が少ないため、エキストラ集めにも苦戦しているという。

「ドラマ枠が増えたのでエキストラ会社はフル稼働中です。経費削減のためにボランティアのエキストラに頼っている作品も多い。人気俳優が出ていない作品は応募者が少ないため、ノーギャラのエキストラが何役もこなしていたりします。異常事態です」(制作会社ディレクター)

以前にも本連載で指摘したが、『Netflix』など海外の動画配信サービスは予算こそ潤沢だが、再生回数が細かく出てしまう。「コケた際のダメージが大きい」と前出の芸能プロ幹部は嘆いた。

「実績のある俳優は、ギャラは二の次で、スタッフとの関係性を優先して作品を選ぶことが多いですね。信頼関係を築けている局やスタッフとの仕事であれば、コケてもまた、起用してもらえますから」

チャンスは増えたが、リスクも増えた。それが令和のドラマ事情なのである。

「FRIDAY」2022年4月22日号より

  • 撮影近藤裕介

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