有名店の現役キャバ嬢が明かす歌舞伎町の「最新ぼったくり手法」
現役キャバ嬢・桜アスナが見た!「歌舞伎町ヤバい人図鑑」③
<今年5月、東京都赤羽で違法な客引きにより男性二人が40万円をぼったくられるという事件が報じられた。赤羽署によると、こういった被害は今年5月末までで前年同期比の約6倍、60件と急増中だという。
コロナの規制緩和に比例して増えているぼったくりトラブル。歌舞伎町屈指の有名キャバクラ『ジェントルマンズクラブ』で働く現役キャバ嬢兼漫画家の桜アスナ氏が、今も多数存在する歌舞伎町でのぼったくり店について明かすーー>
歌舞伎町は2015年頃が一番ぼったくり店が多かったという。
路上にいるキャッチや悪質な案内所の店員が「総額5000円」などと言って客をキャバクラ店に連れて行き、セット料金やドリンク代、サービス料を加算して50万円や70万円などといった高額な請求をするというやり方をしていた。
座席の背面の壁など、客からは見えにくい場所に料金表を貼るといったこともざらで、会計時に客と店が揉めるといったことは日常茶飯事だったという。
その頃は、ぼったくりによる支払いトラブルを起こした客を従業員が路上まで追いかけ回したり、伝票を持った客と従業員がコンビニのATMでカネをおろす姿もよく見かけられた。
令和のぼったくり事情
令和になってからは、コスプレをした女の子が働く飲食店を意味するコンセプトカフェやバーで、オーダーしてからではなく「席に座った時点で料金が発生する」というシステムのぼったくりが多発している。本来5000円ほどで済む価格帯の店でも
「うちは他店よりも一桁高い値段なので」
と5万円を請求する、といったやり口が主流だ。路上にいるキャッチが店に強引に誘導するということはしなくなり、コスプレなどで着飾った外立ちの女性店員に釣られ、客が自分から店に行くので
「お客さん勝手に入って来たよね」
などと店側の人間が迫ると、客は文句を言いにくい。このシステムは意外にも昭和のころによく行われていたぼったくり方法で、令和になってから平成の頃よりも逆にシンプルな昭和のぼったくり方法に戻っているという。
昭和の頃と違う点は、マッチングアプリがよく利用されている事である。店と共謀した女性がマッチングアプリで出会った男性を上手くぼったくり店に誘いだす。見返りとして、女性は売上の半分が懐に入る仕組みだ。
30代半ば以上の年齢の人、地方から出てきた人、飲み慣れていない人が素直にカネを支払いやすいので悪質店からよく狙われる。同じ歌舞伎町にいる水商売関係者ですらぼったくりの被害に遭うことがあり、先日も初めて行ったバーでお茶割を一杯ずつ飲んで15分で店を出たホスト数人が、合計3万5000円を請求されて支払いをしたが憤慨しているツイートが話題になっていた。
店と揉めて交番に行こうとする客も多くいるが警察は民事不介入のため、店は客が交番に行っても何の影響もない。もし、ぼったくられそうになったら交番に行くのではなく、警察署の生活安全課に連絡をすることをオススメする。店は営業許可が取り消される事を恐れているので最低料金で済ませるなどの対応をする。
歌舞伎町では常に時代の流れに合ったぼったくり方法に上手く変化していき、ぼったくりはなくならない。
次の記事はこちら #3 歌舞伎町の現役キャバ嬢が教える「枕営業の知られざる実態」
- 漫画:桜アスナ
- 取材・文:ゆあてゃ