”性加害”報道も…NHKが香川照之を「放置プレー」するワケ
映画、舞台俳優は「粋」の世界を追い求めるが、中でも、伝統芸能を受け継ぐ歌舞伎役者は、その際たる者ではないのか。テレビドラマ、CMで売れっ子の香川照之は名跡、市川中車でもある。その香川が銀座のクラブの店内でホステスを弄び、訴訟沙汰にまで発展したことを「週刊新潮」が報じた。
かねてから、”悪名”は銀座で高かったという。酒癖が良くなく、大声で騒ぎ、ホステスだけではなく周囲の客にも迷惑をかけていた。
「最初は、あの香川照之さんだと喜んで席に着く若い女の子たちが次第に一人、二人と離れていく。そのうち、お客さまの相手に慣れているベテランのホステスが、なだめすかすのですが、もうダメ。ママに厳しく注意され、何軒も出入り禁止を食らっています」(クラブの男性スタッフ)
「相手はホステスだから何してもいいという感覚のようです。私たちは銀座のクラブは日本一と思って誇りを持って働いています。お客様も静かに会話を楽しみ、お酒をゆっくり嗜む方ばかり。女性の身体を触る人もいますが、さりげなく上手に遊ぶ方が多いのに」(クラブホステス)
銀座で客の行動、金払いなどについて他言するのはご法度。だが、酒乱、今回の件で「性加害」行動というレッテルまで張られるようでは、この業界から総スカンである。被害女性はPTSD(心的外傷後ストレス障害)を患ったとまで報じられている。
香川の事務所は「本人の至らなさで当該女性に不快の念を与えてしまったことは事実」とし「お相手の方には、本人から深い反省と謝罪の気持ちをお伝えし、理解とお許しをいただいております」と説明を行った。26日、香川は自身がMCを務めているTBS系情報番組「THE TIME」に生出演し、「誠に申し訳ございません」と謝罪した。
当の本人が頭を下げているのに、レギュラー番組を持つNHKはなぜか静観している。香川は現在、Eテレの教養番組「香川照之の昆虫すごいぜ!」に出演中だ。にもかかわらず、NHKは放送予定を変更する予定はないのか報道各社に問われると「現時点(8月25日)ではそういう予定はありません」とコメントしている。
Eテレといえば、かつての教育テレビである。子供相手の人気番組の主役が”性加害行為”をやってのけたことを認めているにもかかわらず、”放置プレー”とは、親は子供にどう説明すればいいのか。
「NHKはなぜ対応しないのでしょうか。国民から受信料を徴収しているのに、これでは『危機管理能力ゼロ』と言われてしまっても仕方ないでしょう」(放送関係者)
俳優や歌舞伎役者のみならず、「粋」を求めるのは作家も同じだ。ちなみに、藤沢周平は池波正太郎の代表作「鬼平犯科帳」(文藝春秋)に次のような言葉を寄せている。
「主人公の鬼平もさることながら、闇に現れては消える無数の盗賊に、何とも言えない魅力があった。盗まれて難儀するところから盗まない。殺さない、女を犯さないという三か条の掟を守る盗賊には池波さんの美学が託されていて、はなはだ粋だし、畜生ばたらき、急ぎばたらきを働く許しがたい悪党には、池波さんの現実感覚が投影されている」
人気俳優として脚光を浴び、歌舞伎役者としての顔を持つ香川には、そんな粋な部分が備わっているのだろうと思われていたが、今回の報道でそのイメージは大きく覆され、「野暮な男」に成り下がった。NHKの”矜持”が試されている。
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