〝揺れる歌舞伎界〟市川猿之助容疑者の事件で「勘三郎さんがいれば…」と〝早世〟を嘆く声が上がるワケ | FRIDAYデジタル

〝揺れる歌舞伎界〟市川猿之助容疑者の事件で「勘三郎さんがいれば…」と〝早世〟を嘆く声が上がるワケ

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現在は警察の取り調べに応じている市川猿之助容疑者(左)。故・中村勘三郎さん(右)のことを慕っていたが……
現在は警察の取り調べに応じている市川猿之助容疑者(左)。故・中村勘三郎さん(右)のことを慕っていたが……

市川猿之助容疑者(47)の〝一家心中事件〟を機に、歌舞伎界に混沌とした空気が流れている――。

5月18日に目黒区の自宅で意識もうろう状態で発見。2階には父親で歌舞伎俳優の市川段四郎さんと母親が倒れており、その後死亡が確認された。

猿之助容疑者は調べに対し

「家族会議をして、みんなでサヨナラすることにした」

と供述。当局は母親の自殺を手助けた自殺ほう助容疑で逮捕。段四郎さんに関しては、要介護状態で認知症も進行していたことから、正常な判断ができたか疑わしく、殺人容疑も視野に捜査を進めている。

当代きっての花形役者による一家心中事件。その衝撃は大きく、交流のあった市川團十郎はブログで

《未来の歌舞伎を作っていく仲間としてともに生きてきましたので、ただただ、全てが残念です》

とコメント。〝主〟を失った澤瀉屋は「市川中車」こと香川照之と長男の市川團子が中心となって再興に励んでいるが、ともにキャリアは浅く、今後どうなるかはわからない。

「一部週刊誌では香川さんが猿之助容疑者の面会に訪れ、その場で歌舞伎の型を披露したなんて話も飛び出していますが、一体どういう状況なのか(笑)。仮にそれが事実なら、美談ではなく、猿之助容疑者の眼前で『澤瀉屋は自分が継承していく』という意思表示のように思えますね」

とは梨園関係者。この報道を見た猿之助容疑者付きの歌舞伎俳優が不快感をあらわにしたという情報もある。

歌舞伎興行を仕切る松竹は香川ではなく、息子の〝團子推し〟でいくようだが、まだ19歳と若く

「どこか抜けているところもある。感受性が豊かな分、周囲の環境で変わってくる。じっくり育てないといけない」(同・梨園関係者)

という声が圧倒的だ。

そんななか、歌舞伎界では‘12年に他界した中村勘三郎さん(享年57)の〝不在〟を嘆く声が上がっている。

勘三郎さんは同年5月に初期の食道がんであることを公表。療養に入ったが術後に急性呼吸窮迫症候群から肺水腫を発症し、亡くなった。

「カリスマだった。芸能界だけではなく、政界、スポーツ界にも人脈があり、多くの人に慕われていた。銀座のクラブを分刻みで次々と訪問し、その都度、大金を払うという〝昭和のスター〟のような飲み方をしていた。

一方で歌舞伎に対しては厳しく、1日中稽古に励み、歌舞伎界の行く末を案じていた。『勘三郎さんが生きていたら猿之助さんの事件は起きなかった』という人も多い」(勘三郎さんを知る人物)

猿之助容疑者が動機に挙げていたのが、『女性セブン』によるセクハラ・パワハラ報道だ。記事中には猿之助容疑者の性的マイノリティーに関するものもある。

「〝下の者〟に対しては厳しかったという話はたしかに聞きます。澤瀉屋の事実上の頂点だけに『何をやってもいい』と勘違いする部分はあったのかもしれません。

〝もし勘三郎さんが生きていたら?〟きっと増長する前に注意していたと思いますね。そういう人ですから……。猿之助さんも勘三郎さんのことは慕っていたので、肝に銘じたと思いますよ」(スポーツ紙記者)

歌舞伎界はここ10年の間に勘三郎さんのほか、先代の市川團十郎さん、坂田藤十郎さん、中村吉右衛門さんなどの大物が次々と亡くなってしまった。猿之助容疑者の〝悲劇〟はそうした先人たちが早世してしまったこともあるのかもしれない……。

  • PHOTO原一平(猿之助)、AP/アフロ(勘三郎)

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