海外の風俗に“出稼ぎ”する女子が急増している「ヤバすぎる背景」 | FRIDAYデジタル

海外の風俗に“出稼ぎ”する女子が急増している「ヤバすぎる背景」

現役慶應大生ライターが描くぴえんなリアル 令和4年、歌舞伎町はいま……第30回

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
“立ちんぼ”が並ぶ大久保公園。売春やパパ活のフィールドは日々広がる
“立ちんぼ”が並ぶ大久保公園。売春やパパ活のフィールドは日々広がる

パパ活や風俗の形態が多様化するなかで、海外へ”出稼ぎ”する女子が急増している。当然、リスクも多い。ホス狂のマイカ(仮名・21)は「海外の風俗店に出稼ぎに行って怖い思いをした」という。

彼女が夜の仕事を始めたのは2年前。最初は”大学デビュー”のためだった。

「ほんっとーに何もないド田舎出身で。大学入ってメイクもおしゃれも頑張って、仲いい友達とスキーサークルに入ったんです。けど、スキーの用具って結構高いじゃないですか。奨学金借りてギリギリで通っている状況で親にも頼れなくて。最初はその資金が欲しくてパパ活に手を出しました。そこからパパ活用のアカウントをツイッターで作って、そこで仲良くなった子がホス狂で、自分もホストに……っていうパターンです」

若く、容姿も整っているマイカはパパ活市場で需要が高い。アプリでひたすらマッチし、3万〜5万円の相場で「大人の関係」のパパ活を繰り返しながら、自分にガチ恋した「太パパ」から数十万円のお手当を受け取っていたという。

「ガチ恋パパとか本当に無理で。私の人生全部を手に入れようとしてきたり、私の周りの男との関係を全員切らせようとしてきたり。旅行1泊で30万円とかもらえても、行きたくなくて前日は泣きどおし。でもそれ以上に担当ホストが大好きだったので、頑張ってました」

パパ活によって得たカネから毎月100万〜200万円をホストに注ぎ込んでいたマイカ。だが、今年の指名ホストの誕生月の目標額には届きそうにない。そこで、海外の風俗店で出稼ぎすることを決意した。

「初風俗で海外を選んだの、我ながらヤバかったですね(笑)。しかも大ハズレのヤバい現場引いちゃって。まず着いたらパスポート渡せ、って言われて。帰れなくなると思って断りましたけど、給料をその日に渡してくれなかったり、誘拐されそうになったりして、本当に身の危険を感じて……。同じ出稼ぎの日本人の子と一緒に『逃げよう』って、荷物全部諦めて、パスポートひとつ持って慌てて東京に戻ってきました。稼ぎはゼロどころかマイナス。考えが甘かったです」

某国に出稼ぎに行ったマイカは命からがら逃げてくることに成功した。だが、こうした海外出稼ぎのトラブルはかなり頻繁に起きているらしい。筆者が聞いた限りでは「拳銃を突きつけられた」「給料を全部とられた」「知り合いがクスリ漬けにされた」「一緒にいた子が消息不明になった」と語る者もいる。

赤字で日本に帰ってきたマイカだが、担当ホストのバースデーは近づいている。〝その日〟のために、彼女は日本で夜の仕事を再開した。

「パパ活は、詰めて稼げるときはめっちゃ稼げるけど、交渉が上手くいかなかったり、パパが払えなくなったりすることもある。確実に稼ぐには風俗だなと思って、今は格安店で稼いでます。店に寝泊まりしながら1日8〜10人、毎日15時間くらい出勤して、だいたい12万円くらい。たまに空いた時間にはパパ活してます。キツいけど、海外出稼ぎの怖さを思い出せば耐えられる(笑)。担当の喜ぶ顔が見たいんで、残り1ヵ月くらい頑張ります。毎年担当の横でタワーするのは私、って決めてるので」

そう語るマイカの顔は生き生きとしていた。海外で危険な目に遭いながらも、帰国して再び風俗やパパ活で予定を埋めるたくましさ。彼女のようなホス狂たちが、ホストの売り上げを支えているのだ。

佐々木チワワ
’00年、東京生まれ。
小学校から高校まで都内の一貫校に通った後、慶應義塾大に進学。15歳から歌舞伎町に通っており、幅広い人脈を持つ。
大学では歌舞伎町を含む繁華街の社会学を研究している。

『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認 』(扶桑社新書)が好評発売中

『FRIDAY』2022年9月30日・10月7日号より
  • 取材・文佐々木チワワ

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事