激戦から半年弱…武尊の”次の対戦相手”は「天心を苦しめた男」
11月1日、『K-1』との契約を満了し、晴れて円満独立した武尊(31)の今後の動向に注目が集まっている。
那須川天心(24)との歴史に残る6月19日の戦い後、武尊は数年前からうつ病、パニック障害を患っていることを公表し、引退の二文字も頭をよぎったと語ったが、「休養後に必ず戻ってくる」とファンに約束していた。契約解除発表後に武尊は、
「これからは一格闘家の武尊として国や団体の垣根なく挑戦して、格闘技界が更にたくさんの人に、夢やパワーを与えられる業界になるように残りの格闘技人生、全力で戦います」
と、今後は日本を離れ、世界を舞台に戦いの場を広げていくと宣言した。
「彼は非常に繊細で、元来の性格は気が弱く、落ち込みやすい。そんな自分の弱さを知り尽くしているからこそ、戦い続けるしかないという結論に至ったのでしょう。とはいえ、武尊の年齢、ファイトスタイルなどを考慮すると残り時間はそれほど長くありません。今更MMAに挑戦することはありませんし、立ち技だけとなると欧米で戦うのは無理。そうなると、やはり見えてくるのは『ONE(ONE Championship)』しかありません」(格闘技専門誌記者)
ONEは、シンガポールを拠点とする総合格闘技、ムエタイ、キックボクシング団体でアジアを中心に活動している。最近では、代表のチャトリ・シットヨートンが日本の格闘技団体『RIZIN』が主催した朝倉未来VSフロイド・メイウェザー戦に言及し、
「RIZINは日本では素晴らしい団体だが、ONEと比較すると、世界のベストではなくローカルなプロモーションだ」
「メイウェザーは引退した選手、朝倉は世界のベストとは言えない」
などと、辛辣な言葉を浴びせたことでも話題になった。
「チャトリ氏は日本の選手に対しても『桜庭(和志)選手がそうだったように、武士のように“倒す”“仕留める”という気持ちでファイトしてほしい』と不満を露わにしました。そういう意味でも、武尊のファイトスタイルは、ONEのスタイルと合っています」(スポーツ紙記者)
復帰にあたり、武尊は周囲にこのように語っていた。
「引退前にもう一度、天心戦のような大きな試合をしたい」
では、天心戦に匹敵する大きな試合となる強い相手は一体誰なのか。本誌は、水面下で交渉が進められている対戦相手について、早い時点でキャッチしていた。その相手こそ、ONEフライ級ムエタイ世界王者ロッタン・ジットムアンノン(25・タイ)だ。
「ロッタンは、2018年6月に那須川天心とRISE世界フェザー級王者を争い、延長戦の末に敗れるも、ロッタンの勝ちと判断した専門家も少なくありませんでした。試合後、天心選手は、『立っているのがやっとだった』『試合中、初めて頭が真っ白になった』と、ロッタンの強さに舌を巻いたほどです」(スポーツ紙記者)
そのロッタンだが、武尊の独立を知ると即座に反応。武尊のインスタアカウントをメンションして、
「私は個人的に、@K1TakeruにONEで戦うことを呼びかけている。もし、あなたが私の挑戦に答えないなら、ファンはその理由を知ることになるでしょう」
と、呼びかけた。
「間違いなく、武尊の次の目標はロッタンです。いきなりロッタン戦がマッチアップされることは難しいですが、何戦かこなしてから万全の態勢でロッタンと戦うことになるでしょう。その勝利を最後に引退の花道にするのだと思います」(前出・スポーツ紙関係者)
武尊の第2章がここから始まる。
- PHOTO:鬼怒川毅