コンプラ遵守の隙をつく「毒舌タレント」が台頭中の背景 | FRIDAYデジタル

コンプラ遵守の隙をつく「毒舌タレント」が台頭中の背景

スタッフは見た!週刊テレビのウラ側

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毒舌ネタを歌い上げて『R-1グランプリ2022』を制したしんいち。『水曜日のダウンタウン』等のバラエティでも″口撃″力を発揮して人気
毒舌ネタを歌い上げて『R-1グランプリ2022』を制したしんいち。『水曜日のダウンタウン』等のバラエティでも″口撃″力を発揮して人気

ケンカ芸でブレイクした『鬼越トマホーク』のグッズ『日めくりまいにち、うるせえなぁ! -ビジネス編-』(ヨシモトブックス)が注目を集めている。

「日めくりカレンダーブームの火付け役となったのは松岡修造(54)。ポジティブな言葉を言う著名人が商品化されやすい傾向がありますが、彼らはケンカ芸がウリ。どう日めくりカレンダーにするのかなと思ったのですが、『職場で言いたいことも言えずにストレスを抱えている現代人に代わり、上司や同僚をコキおろす』というコンセプトでした。暴力ではなく毒舌をプラスにかえる手法に『なるほどな』と思いましたね」(制作会社ディレクター)

コンプライアンスが強化された昨今のトレンドは「人を傷つけない笑い」。見た目イジりや罰ゲームなどが自粛されていくなか、’19年の『M-1グランプリ』で優勝した『ミルクボーイ』や、3位になった『ぺこぱ』が人気を博している。

「若い視聴者はバラエティ番組での激しいイジりに引く人が少なくないですが、昭和や平成の過激な演出を見て育った40代以上の視聴者は正直、〝傷つけない笑い〟は物足りない。とは言え、時代的にテレビで表現出来ることも制限されています。そんななか、『毒舌』は〝コンプラ内で刺激を与えられるコンテンツ〟として、需要が増えているのです」(キー局プロデューサー)

放送作家は「毒舌というジャンルはブルーオーシャン」だと見ている。

「かつての″毒舌王″有吉弘行(48)は冠番組が増えていくにつれて、丸くなりました。『ウーマンラッシュアワー』の村本大輔(41)は政治色を強めたこともあり、一部のネタ番組以外はテレビで使いづらくなりました。『バイキングMORE』(フジテレビ系)の終了で坂上忍(55)も毒を吐く場が激減した。炎上することもありますが、新型コロナや戦争、不況など暗いニュースが続いているいま、視聴者の気持ちを忖度なく代弁してくれる毒舌タレントは一定の需要があります。そんなポッカリ空いた毒舌枠に『鬼越トマホーク』や、みなみかわ(40)、お見送り芸人しんいち(37)あたりが上手くハマった感じですね」

とはいえ毒舌にも放送可能なものと、そうでないものがあるという。

「男女差別やLGBTQ差別、ルッキズムなどはNGです。また一般人イジりも炎上に繋がるのでゴールデン帯では敬遠されます。『鬼越トマホーク』やみなみかわが毒を吐いているのもタレント相手ですから。お見送り芸人しんいちはタレントをイジっているぶんにはいいですが、一般人をディスるネタもあるから、本格ブレイクは難しいかもしれません」(前出・制作会社ディレクター)

今後、毒舌を武器に台頭しそうな芸人はほかにもいる。

「犯罪や宗教もネタにする『金属バット』は『M-1グランプリ』優勝が期待されています。フジテレビ系『ポップUP!』の後番組『ぽかぽか』のMCに決まった『ハライチ』の岩井勇気(36)も毒舌には定評がある。納得できない意見には一般人相手だろうが反論する信念の強さもある。お昼の番組で覚醒する可能性は十分ありますよ」(前出・放送作家)

令和の毒舌芸人から、ポスト有吉弘行が現れるか!?

『FRIDAY』2022年11月11日号より

  • PHOTO足立百合

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