”死に枠”と呼ばれた時間帯だったのに…『silent』大ヒットとオリジナル脚本の知られざる関係 | FRIDAYデジタル

”死に枠”と呼ばれた時間帯だったのに…『silent』大ヒットとオリジナル脚本の知られざる関係

スタッフは見た!週刊テレビのウラ側

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『Snow Man』目黒蓮(25・上写真)と川口、鈴鹿央士(22)、夏帆(31)の恋が「令和イチ泣ける」と話題の『silent』。コア視聴率も絶好調
『Snow Man』目黒蓮(25・上写真)と川口、鈴鹿央士(22)、夏帆(31)の恋が「令和イチ泣ける」と話題の『silent』。コア視聴率も絶好調

川口春奈(27)主演のドラマ『silent』(フジテレビ系)の見逃し配信が次々と民放最高記録を更新。秋ドラマでひとり勝ちしている。

「これまで″死に枠″と呼ばれるほど苦戦してきたフジテレビ木曜10時枠。今作が連ドラデビューとなる新人の生方(うぶかた)美久(29)が脚本を担当するということもあり、放送前はあまり期待されていませんでした。しかし、映画のような美しい映像や伏線がちりばめられた会話劇が泣けると話題になり、回を重ねるごとに注目を集めています」(テレビ誌編集者)

恋愛ドラマにもかかわらず、ネット上ではセリフや演出の意味を考察するファンが続出。「これこそがヒットの要因」だと広告代理店関係者は分析する。

「人気原作のドラマ化だとオチが読めてしまいますが、オリジナル脚本なので先が読めない。だから視聴者は盛り上がるわけです。’19年にヒットした『あなたの番です』(日本テレビ系)と同じく、いかに視聴者が考察するかが人気の秘訣になっています。恋愛作品の『silent』が最初から”考察ブーム”を狙っていたかどうかは不明ですが……」

ながらく「人気原作があるか、医療や警察などの職業ドラマ以外は当たらない」と言われていたドラマ界だが、見逃し配信の定着や若い視聴者をターゲットにしたコア視聴率がヒットの指標になったことで、オリジナル脚本ドラマの躍進が続いている。

「世帯視聴率こそ振るいませんでしたが、昨年のドラマ賞を総ナメした吉高由里子(34)主演の『最愛』(TBS系)や、最終回で16.4%の高視聴率を叩き出した二宮和也(39)主演の『マイファミリー』(TBS系)もオリジナル脚本でした。YouTubeでもドラマの考察は人気コンテンツで、動画内で取り上げられた伏線などを確認するために見逃し配信で再度チェックするという視聴者も少なくない。考察しがいのある作品は、視聴率も見逃し配信もどちらも伸びる傾向があります」(ネットニュース編集者)

来年1月期の冬ドラマは、ゴールデン・プライム帯に放送される14作品中9作品がオリジナル脚本だ。

「今期、フジテレビのドラマは4作品中3作品が女性脚本家のオリジナルでしたが、1月期は10作品が女性脚本家。しかも、オリジナルの恋愛作品が多い。『silent』がヒットする前から、恋愛作品は見逃し配信が好調でしたし、スポンサー受けのいい若い世代向けの作品が増えるのは当然の流れでしょう」(キー局プロデューサー)

オリジナル脚本を歓迎するのはテレビ局だけではない。

「原作が人気作だと、原作ファンから″主人公のイメージが違う″″原作軽視だ!″などバッシングを受けるリスクがある。俳優や芸能プロからすると、原作ありの作品はあまり引き受けたくないというのが本音なのです。オリジナル作品の場合、脚本が酷いと目も当てられないことになるため、オファーを受ける際に俳優やマネージャーが脚本を読みこんでジャッジせねばなりませんが、原作と比較されないぶん、俳優は実力を発揮しやすい」(芸能プロ幹部)

オリジナル脚本ドラマの増加で、テレビ復活の狼煙(のろし)があがる!?

『FRIDAY』2022年12月23日号より

  • PHOTO近藤裕介

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