ブランドイメージ引き上げが目的だった…?ABEMAが「W杯全試合無料」で得た”意外な勝ち点” | FRIDAYデジタル

ブランドイメージ引き上げが目的だった…?ABEMAが「W杯全試合無料」で得た”意外な勝ち点”

スタッフは見た!週刊テレビのウラ側

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関西弁丸出しだったり、選手をさん付けで呼んだり、「雑い」など現場で実際に使われている用語を連発したり、本田の解説はABEMA名物に
関西弁丸出しだったり、選手をさん付けで呼んだり、「雑い」など現場で実際に使われている用語を連発したり、本田の解説はABEMA名物に

カタールW杯はリオネル・メッシ(35)率いるアルゼンチンが延長戦の末にPK戦でフランスを破り、36年ぶり3度目の優勝を飾った。

「″神の子″メッシが2得点、対するフランスは″怪物″エムバペ(24)がハットトリックと、両チームのエースが爆発する名勝負。ツイッターのトレンドは、W杯関連ワードが上位を占めました。日本も強豪ドイツやスペインを撃破したことで、これまでにない盛り上がりでしたね」(スポーツ紙記者)

W杯で最も株を上げたのが、全試合無料配信を行ったABEMAだ。

「元日本代表の本田圭佑(36)と、サッカー好きアイドルの域を超えた知識量でブレイクした『日向坂46』の影山優佳(21)の解説も話題となりました。ドイツ戦が行われた11月23日は1000万人、コスタリカと戦った11月27日が1400万人。スペイン戦のあった12月2日は1700万人が視聴。クロアチア戦は深夜にもかかわらず、視聴制限がかかるほど驚異的な伸びを見せました。ABEMAのアプリを初めてダウンロードした視聴者が今後、有料会員になる流れができつつあります」(広告代理店関係者)

一部報道によると、ABEMAを運営するサイバーエージェントは200億円もの放映権料を支払ったという。有料会員が多少増えただけでは、放映権料の元を取るのは難しそうだが……。

「サイバーエージェントの幹部がウェブメディアの取材に″ABEMAを次のステージに引き上げるため″と語っているように、W杯はあくまで同社およびABEMAのブランド力を上げるための撒き餌に過ぎません。ABEMAは’16年の開局以来、年間100億円以上の赤字を出し続けていると言われています。しかし、サイバーエージェント自体は広告事業や『ウマ娘 プリティーダービー』などのゲーム事業が好調で、’23年度は400億円以上の営業利益が出る見込み。W杯以降はスポンサーからの問い合わせも増加しているので、宣伝・広告費と考えれば放映権料200億円はいい投資でしょう」(同・広告代理店関係者)

同社を支えるもう1つの大きな柱が公営ギャンブル事業だ。

「’19年4月にリリースされた競輪・オートレースのインターネット投票サイト『ウィンチケット』は、後発ながら売り上げを伸ばしています。すでに市場シェアは3割に到達。ABEMAの競輪・オートレースチャンネルで毎日、競輪のミッドナイトレースの予想番組を放映して援護射撃することで、シェアを拡大させている。ABEMAではボートレース振興会1社提供の番組も放映している。番組自体が広告になっているわけです」(前出・スポーツ紙記者)

ABEMAで仕事をしている放送作家が内情を打ち明ける。

「W杯や『新しい地図』の番組『7.2 新しい別の窓』など、目玉になるコンテンツには惜しみなく大金を投入しますが、視聴者数が少ない番組の制作費は極限まで削ったり、容赦なく終了させます。視聴者数が明確に出るネットTV局だから、そこは地上波よりもシビアですよ」

W杯を無料で楽しませてくれた太っ腹のウラには、関連会社の奮闘と、シビアな経営戦略があったのである。

『FRIDAY』2023年1月6・13日号より

  • PHOTO足立百合

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