<p>2022年の大みそかで73回目を迎える「NHK紅白歌合戦」だが、過去の「紅白」からハプニングを選んでみよう。先ず今回は司会者編。</p>
<h3><span class="strongInContent">加山雄三の「仮面ライダー」事件と、ジャニー喜多川社長の思いやりフォロー</span></h3>
<p>司会者のミスとしておなじみなのが、何といっても1986年の<span class="strongInContent">加山雄三</span>の「仮面ライダー」事件。この年はじめて「紅白」の司会をつとめた加山だったが、トップバッターの初出場の<span class="strongInContent">少年隊</span>の登場で歌唱曲の「仮面舞踏会」を「仮面ライダー」と紹介してしまった。</p>
<p>加山は本番前、トップから間違わないようにと「仮面ライダーじゃなく仮面舞踏会だね」と何度もスタッフと言い合っていたという。ところがいざ本番、とっさに「仮面ライダー！」とやってしまった。</p>
<p>少年隊が所属するジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長は、番組終了後に新人の少年隊に向かって「仮面ライダーで、ユーたちのことが全国に知れ渡ったよね」と逆手を取って励ましたという。</p>
<figure id="attachment_283952" aria-describedby="caption-attachment-283952" style="width: 1024px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="794101da"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/71f3837d3ea86bb76f57490d48f02a1e.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-283952" class="wp-caption-text">年内いっぱいでコンサート活動からの引退を表明している若大将・加山雄三氏。写真は1987年の司会者発表会（写真：共同通信）</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">歴史に残る横綱級のアクシデント、生方恵一アナ“ミソラ発言”の訳…</span></h3>
<p>もうひとつの横綱級のアクシデントといえば、1984年の<span class="strongInContent">都はるみ</span>でのとき。総合司会の<span class="strongInContent">生方恵一アナウンサー</span>の“ミソラ発言”ばかりが目立つが、実は“ミソラ”の前にこんなハプニングもあった。</p>
<p>この年の大みそかの「紅白」で歌手引退を発表していた都はるみ。「紅白」連続出場20回目の舞台で、最後のシングル曲「夫婦坂」を粛々と丁寧に大トリで歌い終えた。しかしその興奮は舞台上から客席に伝わり、歌い終わったところに会場からアンコールの声が沸き起こったのだ。</p>
<p>それを制したのが白組の<span class="strongInContent">鈴木健二アナウンサー</span>。「私に一分間時間をください。はるみさんに聞いてみます。歌えますか？」とはるみに駆け寄った瞬間にアンコール曲のイントロが鳴り出してしまった。１分間どころか、その間20秒ほど。</p>
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<p>これは生放送で時間内に収めるためにプロデューサーがQを出した結果だが、鈴木アナの「一分間時間をください」の嘘ツキ発言（？）が目立つ結果に。それでも何とかアンコール曲「好きになった人」を歌い上げたその後のこと、大歓声の中で生方アナが「ミソラ、ああいや、都はるみさんに大きな拍手を」と名前を間違える失態を演じてしまった。</p>
<p>生方はその後、「いや何しろ異常な空気で、みな泣いていましたし。この舞台で都はるみは女王・美空ひばりを抜いた・・・と思った瞬間、”ミソ・・・”と出てしまった」と語ったが、78.1％の高視聴率が叩き出された。</p>
<figure id="attachment_283953" aria-describedby="caption-attachment-283953" style="width: 800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9d211cc0"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/2949832261b5103299e36d8b56c8ee17.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-283953" class="wp-caption-text">当時、史上最年少司会だった黒柳徹子。彼女が25歳で初司会を務めた1958年当時の写真を発見！（写真：共同通信）</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">25歳で史上最年少司会（当時）、黒柳徹子「全部が臨機応変。アドリブでした」</span></h3>
<p>この前の年、1983年まで４年連続紅組司会、2016年の第66回では32年ぶりに復活して総合司会をつとめ、今年もゲスト審査員の<span class="strongInContent">黒柳徹子</span>。彼女の初司会は1958年の第９回。</p>
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<p>以前本人から直接伺った話によれば、「25歳で史上最年少司会と言われたんですが、当時の大みそかは出演者の掛け持ち出演が多くってね。次に歌う人がいるときはいいんだけれど、しまいには次歌う人がいなかったりするんです。</p>
<p>スタッフがソデから、“誰々さんが着きました”っていうのが、“紅きた～”とかになっていってね。私は「それでは紅組はロマンスの歌、『喫茶店の片隅で』と<span class="strongInContent">松島詩子</span>さんを紹介しなくてはいけないのに、『喫茶店の片隅で』渡辺はま子さんです・・・って言ってしまって。歌い終わった後で、“先ほどは間違えちゃってごめんなさい”って訂正入れたんですよ」。</p>
<p>あの頃は現在のように、進行や紹介の文句がプロンプで出てくるわけではなかった。「全部が臨機応変。アドリブでした」。</p>
<p>それはそれ、生放送のスリリングさや楽しさがお茶の間に伝わっていたのだ。</p>
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1979年、高校在学中に渡辺プロダクションから、シンガー・ソング・ライターとしてデビュー。その後、音楽番組の構成演出、司会、CD監修解説に加え、新聞、雑誌での執筆、作詩作曲、ラジオDJなど多方面で異才を発揮する。著書に『童謡の謎』『神社の謎』『昭和歌謡の謎』(祥伝社) 『怪物番組紅白歌合戦の真実』(幻冬舎)などがある。理事長を務める日本歌手協会の番組、『新春12時間歌謡祭』が1月3日昼12時から24時までBSテレ東で放送される。

合田道人

2022年の大みそかで73回目を迎える「NHK紅白歌合戦」。歴史に残る加山雄三のあの「仮面ライダー」事件をはじめ、歴代の司会者たちの「失言事件」と、そのウラ話にスポットを当てます。

【司会者編】「紅白歌合戦の舞台裏」加山雄三＆黒柳徹子が…紅白の歴史に残る「あの失言事件」のウラ話

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