ホストバブルで箱不足、未成年らしき少女もいる売春スポット…歌舞伎町がますますカオスになっている | FRIDAYデジタル

ホストバブルで箱不足、未成年らしき少女もいる売春スポット…歌舞伎町がますますカオスになっている

現役慶應大生が描くぴえんなリアル 令和5年、歌舞伎町はいま…… 第42回

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明けましておめでとうございます(著者・佐々木チワワ)
明けましておめでとうございます(著者・佐々木チワワ)

’22年1月に始まったこの連載も、無事に1周年を迎えることができた。その間、歌舞伎町では様々な出来事があったが、今年は何が起きるだろうか。

’21年から盛んに取り上げられるようになった「トー横キッズ」は、現在もしっかり存在している。むしろ、ますます若い子にとっての「憧れの場」になっている印象で、地雷ファッションを着たいかにもな子だけではなく、制服姿のマジメそうな女子高生や子連れの若い母親までいる。低年齢化も進み、どう見ても中学生にしか見えない子も多い。彼ら彼女らに大人が絡めば、売買春などの事件がさらに頻発しそうで心配である。

トー横と同じかそれ以上に注目を集めるようになったのが、「交縁」と呼ばれる大久保公園周辺での路上売春だ。昔から売春スポットとして知られていた場所だが、コロナ禍による不況の影響か、最近は若くて可愛い”フツーの女の子”が簡単に春を売るようになっており、未成年らしき少女(トー横キッズが立つケースも)の姿も見られるようになった。観光気分で訪れる男性もおり、多いときは一日に100人以上が公園の周りを行き来しているという。SNS上では〈未成年の少女売春を止めよう!〉といった呼びかけも行われているが、事の善悪によらず話題になればなるほど人が集まってくるのが歌舞伎町の常。今年はますます「交縁」が盛んに行われるだろう。

彼女たちは「交縁」で稼いだお金をどこにつぎ込んでいるか。最近よく聞くようになったのが、メンズ地下アイドルだ。チェキなどの物販に数十万円を貢ぐために、路上売春をしたり、違法JKリフレで働く女子も少なくない。

もちろん、ホストに貢いでいる子も大勢いる。メディア露出の増加やSNSの活用によって市場が広がり、過去最多レベルで年間1億円を売り上げるホストがゴロゴロと生まれている。それどころか、’22年末には一日で1億円を売り上げるホストが出た。

まだまだホストバブルは終わりそうになく、店を出す「箱」が不足する事態まで起きている。歌舞伎町のホストクラブの店舗数自体はここ3年で40近く増えた。コロナ禍で売り上げの低迷したキャバクラやバー、飲食店が入っていた場所をホストクラブが買い取り改装し、歌舞伎町の中でもほとんどホストクラブがなかったような地区にも店舗が生まれるようになっている。

その他に歌舞伎町のトピックとなったことといえば、風俗嬢の「海外出稼ぎ」だ。出稼ぎは、コロナ対策がゆるみ始めた’22年の途中からブームになってきた。ただ、アメリカではFBIによる取り締まりが強化され始め、筆者の周りにも入国拒否されて日本にとんぼ返りしてきた女性がいる。「日本人女性が売春をするために海外に入国している」という事実は、もはやワールドワイドに認知され始めているのだ。

最近では規制が強化されたアメリカだけでなく、フィリピン、マレーシア、香港といったアジア諸国への出稼ぎも流行っている。情報が少ない状態で行くと身の危険もある稼ぎ方のため、情報収集能力と強い精神が必要である。

こうして振り返ってみると、’22年の歌舞伎町は「低年齢化」「SNS」「グローバル」という3つの柱で、市場が拡大した気がする。気づけば連載タイトルも「令和4年」から「令和5年」へと変わったが、歌舞伎町がカオスな街であることはこれからも変わらないだろう。

佐々木チワワ
’00年、東京生まれ。小学校から高校まで都内の一貫校に通った後、慶應義塾大に進学。15歳から歌舞伎町に通っており、幅広い人脈を持つ。大学では歌舞伎町を含む繁華街の社会学を研究している。『歌舞伎町モラトリアム』(KADOKAWA)が好評発売中

『FRIDAY』2023年1月20・27日号より

  • 撮影等々力純生

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