「乗っ取ったもの勝ち」ひろゆき氏が『2ちゃん裁判』で勝訴も、ネットでは“冷めた声”が多かったワケ
実業家のひろゆき氏が裁判を行い、勝訴していたことがわかった――。
ひろゆき氏と言えば、巨大ネット掲示板『2ちゃんねる』の元管理人。今回の舞台はその2ちゃんねるで、管理業務を委託していた法人『レースクイーン』に掲示板を乗っ取られ、商標権を侵害されたなどとして、『2ちゃんねる』の名称の使用差し止めと損害賠償を求め提訴していたのだ。
1月26日に開かれた控訴審判決で、知財高裁は差し止めを認め、損害賠償請求を退けた1審東京地裁判決を変更し、レースクイーン社に2億1700万円の支払いを命じたとある。
具体的には同社が無断でひろゆき氏を運営から排除して名称を使用した過失があったとし、‘14年2月から‘17年9月の間、広告収入を得られなくなった西村氏に月額500万円の損害が生じたと結論づけた。
‘19月の1審判決は、同社が‘04年以降、別の法人とともに掲示板の運営を担い、‘12年には運営事業を承継したと認定。西村氏が商標を出願した‘13年以前から2ちゃんねるの名称を使うなどしていたことから、商標権の侵害はなかったとして、損害賠償請求を退けていた。
このニュースに本人も反応。勝利宣言が飛び出すかと思いきや、ツイッターで、
《2ちゃんねるを乗っ取られて、裁判の結果が出るまで9年掛かってるわけだから、実質乗っ取ったもの勝ちだよね》
と投稿した。
ネット民も一部を除いて「流石ひろゆき!」とはならなかった。根底にあるのは、ひろゆき氏自身もかつて巨額の損害賠償請求を“踏み倒した”という疑惑があるからだ。
前出の勝訴判決にも、
《賠償金払わず、ちゃっかり自分は損害賠償裁判起こしてたのか》
《そもそも乗っ取られるのマヌケだよね》
《時効を武器に支払い逃れるのとか草》
など、様々な意見が寄せられている。
「ひろゆきさんはこれまで何度も”踏み倒し疑惑”について説明してきました。いわく、現在は01年に施行されたプロバイダ責任制限法があるので、名誉毀損の書き込みが行われても、サイトの管理者がそれを知らなかったら、責任はない。その施行前に起こされた裁判もあるが、『お金を払わなければいけない』という法律があるわけではないので払っていない、というもの。しかし、こうした説明に対して『屁理屈ではないか』という批判の声もあります」(スポーツ紙記者)
法曹関係者は今回の高裁判決について
「判決文をすべて読んだわけではありませんが、『商標権侵害はなかった』という部分が覆り、ひろゆき氏の先使用権を認定したところが要点になります。一方で『2ちゃんねる』のドメインはひろゆき氏が奪還に動きましたが、認められていません。
そういう意味では“乗っ取り”という言葉が適切かどうかはわかりません。レースクイーン社が2億円超の支払いに素直に応じるかも微妙なところです」
と話す。
いまや多くの支持者がいるひろゆき氏だが、こと「2ちゃんねる」に関しては世間は少し冷めた視線を投げかけているのかもしれない。
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PHOTO:Pasya/アフロ