フリー、アマゾンなどに続々と…”相次ぐ敏腕テレビマンの退社”で逆にテレビは面白くなるのか | FRIDAYデジタル
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フリー、アマゾンなどに続々と…”相次ぐ敏腕テレビマンの退社”で逆にテレビは面白くなるのか

連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television

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昨年12月にサービスをスタートしたDMM TVで、昨年から配信が始まったコント番組『インシデンツ』が話題を集めている。

’20年にひき逃げ容疑で逮捕されて(不起訴)、地上波から遠ざかっている伊藤健太郎も、動画配信サイトの番組であれば、その才能を発揮できる
’20年にひき逃げ容疑で逮捕されて(不起訴)、地上波から遠ざかっている伊藤健太郎も、動画配信サイトの番組であれば、その才能を発揮できる

「地上波では放送が難しいドラッグネタなど過激なネタを、『さらば青春の光』や伊藤健太郎(25)やヒコロヒー(33)などが演じています。番組をプロデュースしているのは、元テレビ東京の佐久間宣行氏。彼が’21年にフリーに転身した後も成功を収めている影響なのか、昨年末にキー局のバラエティ番組の敏腕プロデューサーが相次いで退社。業界が騒然としています」(制作会社ディレクター)

『有吉の壁』や『有吉ゼミ』『マツコ会議』など高視聴率バラエティを手がける橋本和明氏は、日本テレビを退社してフリーの演出家となった。『あざとくて何が悪いの?』や、なにわ男子の『まだアプデしてないの?』などを手がけていた芦田太郎氏もテレビ朝日を退社。今年からAmazon Studiosに転職している。

「コンプライアンスが強化され、制作費も削減されたことによって、地上波で出来ることは年々、制限されています。そんななか、昨年3月に配信が始まったNetflix『トークサバイバー!』を佐久間氏が手がけた。あれからドラマスタッフだけでなくバラエティスタッフのネット配信メディアへの流出が進んだ印象がありますね。地上波のノウハウを熟知した敏腕プロデューサーが参入することで、動画配信サイトのバラエティ番組が充実するのは間違いない」(放送作家)

橋本氏はフリー転身後も引き続き、日本テレビの番組を担当している。

「『有吉の壁』をゴールデン帯で成功させた功績は局内で高く評価されており、かなりの好待遇だったはずです。それでもフリー転身を決めたのは、カネより現場。自分の可能性に挑戦したいという気持ちが勝ったのでしょう。局員だと、出世すると現場に関わる時間が減ってしまいますから」(キー局プロデューサー)

敏腕テレビマンの流出が始まり、若手スタッフの育成が急務となっている。

「いち早く、若手スタッフ育成に力を入れたのがテレビ朝日。’20年から深夜のバラエティ枠『バラバラ大作戦』で、新コンテンツの生み出しに着手しています。プロデューサー陣の一人は、『アメトーーク!』のAD出身で、同番組のエグゼクティブプロデューサー・加地倫三班に所属する小山テリハ氏。元地下アイドルということもあり、アイドルやメイドなどに造詣が深く、『イワクラと吉住の番組』などで頭角を現しています。フジテレビは当時入社2年目だった原田和実(かずとみ)氏が企画して話題となった『ここにタイトルを入力』を’21年から不定期で放送。ここ数年、有望な若手を抜擢して作った番組が増加しています」(前出・制作会社ディレクター)

有能テレビマンの外部流出と若手スタッフの登用は、バラエティ業界にとって決して悪い話ではない。

「敏腕プロデューサーがネットテレビ局や動画配信サイトで存分に実力を発揮すれば、面白い番組が増える。一方、若手局員が若い感性を爆発させるチャンスも増えますからね」(前出・放送作家)

新旧テレビマンが、令和のバラエティを面白くしてくれそうだ。

(「FRIDAY」2月10日号より)

  • PHOTO田中俊勝

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